▲フュレ『歴史の仕事場(アトリエ)』 2015 藤原書店 定価3800円+税
本日の到着便 フュレ『歴史の仕事場アトリエ』 2015 藤原書店 鬼塚英昭 『日本の本当の黒幕』2013 成甲書房 その1-1
フュレ『歴史の仕事場アトリエ』 2015 藤原書店 ほか、今年最後のハードカバーの到着便
▲ フランソワ・フュレ 浜田道夫・木下誠 訳 『歴史の仕事場(アトリエ)』 2015年6月 藤原書店 定価3800円+税 380頁
本日の到着便 フュレ『歴史の仕事場アトリエ』 2015 藤原書店 鬼塚英昭 『日本の本当の黒幕』2013 成甲書房 ほか
▲▼ 『歴史の仕事場(アトリエ)』 目次
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▲ 『歴史の仕事場(アトリエ)』 目次3
『歴史の仕事場(アトリエ)』 は、2015年、新聞や雑誌の書評欄などで、好感をもって迎えられた本。朝日新聞の書評欄を読んで私はこの本を知ったのだが、消費税込みの価格は4000円を越える。ちょっと買うのをためらっていたのだが。
最近長谷川貴彦の『現代歴史学への展望』 2016年 岩波書店 を読んで、20世紀後半から21世紀の歴史家の理論や方法論の検討を通観したのを機に、やはり、用済みにならない前に読んでおこうと決断。年末から新年の気分刷新にふさわしい本にもなりそうだ。
それに対する下の本、決して晴れやかな、年末から元旦に読んでみたい本、勧めたい本ではないのだが、昨今の属国首相の国会答弁や言辞に腹を立てる前に、なぜこのような、属国首相が近現代に日本では陸続と続くのか思わず声を出して「合点だ」と唸るほどの冴えを見せる。鬼塚英昭の渾身の著作。
鬼塚英昭の 『日本の本当の黒幕』 2013年 成甲書房 は 一気に読ませるか、そうでないか、は、あなた次第であるが、私は「ガッテン」の連打であった。
巻末の130を越える、資料・日記類・回想録・近現代史家の著作の再検討をしながら、幕末から日本近代・昭和時代を生きた田中光顕という志士出身が関わる人物がからむ事件・出来事を通して、日本近代を貫く「闇としての政府・国家」が見えてくる。
▲ 『日本の本当の黒幕』 上・下 2013年 成甲書房 定価1800円+税×2
▼『日本の本当の黒幕』 上巻 目次
▲▼ 『日本の本当の黒幕』 上巻 目次
▲ 『日本の本当の黒幕』 上巻 目次
▼『日本の本当の黒幕』 下巻 目次
▲▼『日本の本当の黒幕』 下巻 目次
▲『日本の本当の黒幕』 下巻 目次
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上下巻で700頁の本の巻末参考文献は130点を越える。
その裏の空白の頁の中央には
「歴史の闇に挑戦すべし」 鬼塚英昭
とあった。
鬼塚英昭は、2016年、1月 2015年末に田中角栄に関する著を脱稿後、体調を崩し、2016年1月25日帰らぬ人となった。
鬼塚英昭が引用・参考文献に掲げた130点にもなる史料類をまだつきあわせていないので、この本の全体の評価はすぐには出来ない。
一部の論点は、想像から、想像逞しくして結論を引き出しているように見えるものも散見されるのだが、これが鬼塚英昭を「陰謀論家」 「素人歴史家」のレッテルを貼る人が後を絶たないのだが、決してそんなことはないとみえる。
トロイの木馬から史記、三国史、ケネディ大統領暗殺、ベトナム戦争、イラク戦争、記憶が新しいウクライナ・クーデターに至るまで、謀略・工作の痕跡を探せないのは、よほど歴史を読む視点がないからであるだろう。
「歴史の闇に挑戦すべし」 鬼塚英昭
ということば
を、絶えず想起しながら鬼塚英昭を読もう。いや、現代の世界の闇に挑戦すべきであるのが、「歴史の仕事場」であるのではないだろうか。
つづく