JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

大阪府箕面市(JCC 2524)移動運用報告

2015-08-16 | 移動運用結果報告
8/14(金)に大阪府箕面市(JCC 2524)聖天展望台に移動運用に行ってきましたのでご報告します。

夏休みは取らずに14日まで会社に出ようと思っていたのですが、14日は他に誰も出勤しないようです。一人でいてもつまらないので休みにしました。おかげで1日空きましたので移動に出かけましょう。

残暑が厳しいため午前中のみとし、手軽に行ける箕面市の聖天展望台にしました。ハイバンドでの箕面のリクエストがありましたし、ここなら阪急電車ですぐに行けます。バンドもお手軽に18/21MHzのダイポールだけにしました。


箕面駅に着いたら滝道を上ってゆきます。

滝道に入ると渓流のおかげで駅前よりも何度か涼しいです。沿道のお宅は洗濯物が乾きにくいかも知れませんねHi

途中から登山道に入ります。山から風が吹いて少し涼しいものの体を動かすので汗が出ます。10分少々で到着です。

箕面温泉の夏の名物プールが見えています。もちろんこの場所からでは水着のおねぃちゃんが見えるわけではなく歓声だけが聞こえてきます。そういえば京都の鴨川で川縁に座っている女の子のスカートを狙おうと300mmの望遠レンズで盗撮して捕まったアホがいましたが・・・そんな異様なレンズを使えば絶対バレますよね。

今日は雲が多いものの展望台の上は日が差せば焼けるように暑くなります。とりあえずアンテナだけ設営し、残りの機材は階下に持って行きました。

風が通って意外と快適です。ここでQRVしましょう。


準備ができたので8時40分に18MHzでスタートです。最初にバンドの様子を探ってみましたがまだ朝なのか誰も聞こえてきません。空き周波数でCQを出すことにします。しばらくCQを出していると大阪府内の局を中心に散発で呼ばれます。やっぱり開いておらず、かといって7MHzもCondxが良くないそうです。「これはハズレの日だったかなぁ」と思いつつも進めます。

ようやく7エリアからコールがあったのはスタート1時間後あたり。でも長続きしません。Condxがよくないようです。合間に21MHzを聞いても同じ状態でしたが、このまま18MHzにいてもダメでしょうから10時半前に21MHzにQSYしてみます。

21MHzも7エリアがたまに浮かんで落ちるパターンでした。こりゃダメだということで11時で終了し切り上げました。


本日は18MHzで10局、21MHzで4局の計14局でした。ハイバンドはシーズン終了、かといって7MHzもまだ本格的ではなくやりにくい時期ですね。だからハムフェアはこの時期なんでしょうね。
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厚生年金基金の解散について

2015-08-15 | シャック便り
最近厚生年金基金の解散について耳にすることが多くなりました。実際にお世話になっている各局の中にも加入していた厚生年金基金が解散したという方もいます。

少し掘り下げて解説したいと思います。


[厚生年金基金って何ですか?]
サラリーマンのOBに老後の年金を支給する組織で、国の公的年金である厚生年金の一部を借り受けて自らの年金と一緒に運営していることが最大の特徴です。その仕組みは以下の図の通りとなります。

厚生年金が国の制度であるのに対し厚生年金基金は民間の企業年金となります。


[なぜ解散が相次いでいるのですか?]
元々厚生年金基金には
(1)大企業が単独もしくは子会社との連合で運営していたもの
(2)中小零細企業を含む同業者が業界団体を母体に運営していたもの
がありました。

このうち(1)については運営が困難だとして10年ほど前にその大半が厚生年金基金としての運営を取りやめています。ただし救済措置として従来からの年金受給者にはそのままの給付額を維持しているケースが多いようです。

残された(2)の厚生年金基金は加入企業の意思統一が図れないままズルズルと運営を続けてきましたが、AIJ投資顧問の資産消失事件や長野県建設業厚生年金基金で発覚した多額の横領事件などを契機に法改正が行われ財政の良好なごく一部の基金以外の存続を認めないことになりました。

今後ほとんどの厚生年金基金が解散する見込みです。


[解散するともらっている年金はどうなりますか?]
図にある通り厚生年金基金の年金は
(A)国の厚生年金の一部を国から肩代わりして支給している部分
(B)基金独自の年金部分
を合算した額となっています。(A)に対し(B)は10~30%くらいの額となります。

このうち(A)については解散すると支払義務が基金から国に移され、国が支払を保証します。つまり上の図の「厚生年金基金に加入していない場合」に戻ることになります。一方(B)は解散に伴い支給がストップし、清算作業後に残ったお金が現金の形で現役・OBで分配されます。

ただし(A)の国から借りた厚生年金の部分は最優先で国に返す必要があり、国に返した後のお金を分配することとなりますから額としては多くはないと思います。

なお財政の特に悪い一部の基金については国に返すお金すら満足に確保できておらず、清算作業によって分配される現金がなく分配されないこともあります。財政の悪い基金は母体となる業界が衰退している業種に多く、例えば乗用自動車(タクシー)、貨物輸送(トラック)、石油業(ガソリンスタンド)、繊維、建設業などが代表的です。

分配があるかどうかは基金に直接確認してください。電話などでも教えてくれます。


[詐欺に注意!!]
基金が解散すると清算作業が行われますが、仮に国に返すべきお金が不足していても現役やOBの方個人に負担を求めることはありません。「厚生年金基金が解散してお金が足りないので振り込んでください 振り込まないと国の年金が停止されます」などという電話をしてATMでお金を振り込ませる詐欺が今後起きないとも限りません。

厚生年金基金の解散で個人がお金を負担することは絶対にありませんのでご注意ください。またこのような電話がかかってきましたら一人で悩まず最寄りの警察に相談してください。


[現金での分配は困るのですが・・・]
解散後に残った資産は現役の方やOBに対し現金で分配されることになりますが、その額が50万円を越える場合は「一時所得」として課税対象となります。望まない解散なのに税金まで取られるのか・・・という方もいると思います。

そんな方を救済するため分配されるお金を企業年金連合会に移し換えて年金をもらう方法があります。これは現役・OBとも可能です。

企業年金連合会は短期間で転職した人や解散した企業年金の年金原資を通算し老後に年金を支払う年金通算センターとして厚生省の所管で作られた特殊法人です。

65歳から亡くなるまで生涯年金を受け取ることができます。例えば55歳の男性が50万円を企業年金連合会に移し換えた場合は65歳から年27,500円、65歳の方が50万円を移されますと年23,100円が生涯もらえます。年金は65歳から15年間の保証があり、保証期間中に亡くなった場合は遺族に対し(15年-65歳以降の生存期間分)のお金が保証されます。

移し換えは一時所得の課税がなく、銀行預金よりも高い利率(0.5~1.5%)で資産を増やして年金にしてくれるため、50万円以上の分配金となる場合は検討してみてもいいと思います。詳しいことは厚生年金基金の事務局か企業年金連合会のホームページ、または相談ダイヤル0570-02-2666に電話してみてください。

逆に50万円未満の少額でしたら企業年金連合会に移しても年金額は僅かですから現金でもらって自分で管理された方がよろしいかと思います。


なお現役の方は会社側で受け皿となる制度を作ってくれる場合もあります。受け皿制度に分配金を引き渡す場合は税金がかかりません。基金解散後の受け皿制度があるかは会社の人事総務に確認してください。
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「下流老人」にならないための老後資金の作り方④

2015-08-14 | シャック便り
ここまで確定拠出年金に触れてきましたが、この制度を活用するにはリスクとリターンについて理解する必要があります。

しかしながら大半の方がリスクを取ることを徹底的に嫌ってリターンが取れないか、リスクを取り過ぎたギャンブルみたいな資産運用をしているのが実態です。リスクとリターンについて少し触れてみたいと思います。


[リスクとリターンはこう考えよう]
旅先でお昼を食べるために食堂に入りました(三陸とか北海道の食堂をイメージしてみてください)。皆さんはどれを食べますか?

(1)ウニが山盛りのウニ丼
(2)ウニだけでなくカニやエビ、マグロなど何種類かの食材が盛られた海鮮丼
(3)とんかつ定食

(1)のウニ丼が美味しいか不味いかは「ウニが美味しいか不味いか」のほぼ一点で決まると思います。つまりウニに左右されますよね。ところがウニは産地やシーズンによって味の変動が大きく、当たり外れが大きいとも言われています。

一方(2)の海鮮丼は「ウニが今ひとつでもカニやマグロが美味しければそれなり美味しい」ということになります。ウニが持つ美味しい・不味いの大きな変動は他の食材と組み合わせることで振れ幅を抑えられ可能性があるのです。なので(1)より(2)の方が不味い料理を食べること(=失敗)を避けることのできる可能性が高いことになります。

それでは(3)。テレビの人気番組「路線バス乗り継ぎの旅」で太川さんやマドンナが地方の名物に舌鼓を打っていても蛭子さんだけは一人とんかつ定食を食べているシーンがよく出てきます。蛭子さんがとんかつ定食を選ぶのは本人曰く「外れがないから」だそうです。確かに失敗は少なくなりますが味は想像が付きますよね。魚がメインの食堂でとんかつ定食を頼んでも冷凍のとんかつを揚げてくれるだけです。


この「美味いか不味いか」はお金を払った(投資した)結果であり、我々はお金に見合ったおいしさ、あわよくば値段以上のおいしさを求めます。これが「リターン」です。一方で不味い料理はパスしたい。味の当たり外れの振れ幅が「リスク」と考えて頂くと分かりやすいと思います。

つまり、
ウニ丼    リターンが大きいがリスクも高い
とんかつ定食 リスクが低いがリターンも低い
海鮮丼    ウニ丼よりリスクが低くリターンはとんかつ定食以上に見込める

ということです。


[投資におけるリスクの現実]
確定拠出年金の投資内容をまとめた資料を目にすることがあります。全体の8割前後の方が先ほどの例えで言う「とんかつ定食」を選んでおり、1割前後が「ウニ丼」を選んでいます。つまり「リスクを取らなさすぎ」か「リスクを過剰に取り過ぎ」になっていて「リスクとリターンのバランスが取れた海鮮丼」を選ぶ人は少ないようです。


[リスクの取り方は同じではない]
リスクの取り方は各個人の年齢や収入、投資経験や投資目的などによって異なります。

先ほどの食堂のケースで言うならば一人旅で食べ物にそうこだわらないのなら(1)~(3)のどれでもいいのかも知れません。ところが彼女と一緒に旅行、ということであれば(3)のとんかつ定食はあり得ないですよね?リスクの少ない(2)の海鮮丼を取る方が多いのではないかと思います。

投資でも同じで、例えば個人の趣味で株式投資をするのなら自己責任の範囲内で大きなリスクを取って頂いても構わないわけですが、老後の資金作りで確定拠出年金をやるのなら全く違ってきます。長期運用で現実に見込むことのできる年平均2.0~3.0%の収益率をいかに低リスクで目指してゆくか、になります。この2.0~3.0%というのは30年国債といった超長期国債の利回りに若干上乗せした値であり、確定拠出年金の運用成績の目標としてごく標準的な数字です。

ちなみに蛭子さんは食べる上ではリスクを取らない人ですが、大の競艇ファンとしても知られています。ギャンブルではリスクを取っているんですね。


[投資先を分散することでリスクは減る]
リスクを減らすためにはとんかつ定食のように最初からリスクが低い物を選ぶ方法もあるもののこれではリターンも低く抑えられます。一方でいろいろな食材が盛られた海鮮丼のように投資先を分散してリスクを低くしつつリターンを確保する方法もあります。

主な投資先は国内債券・国内株式・外国債券・外国株式の4種類で、現在はこれにREIT(不動産投信)など様々な商品が加わっています。日経平均が下がっても債券の価格が上がればある程度カバーしてくれ、トータルでの振れ幅が小さくなるという次第です。ウニが今ひとつでもカニがおいしければまぁ満足の海鮮丼と似ていませんか?

分散させる方法としては大衆食堂で焼き魚とおひたし・・・と選ぶような感覚で自分で商品を選んで分散投資する方法と、海鮮丼や幕の内定食のようにあらかじめ国内債券以下4種類の投資先に分散投資しているバランス型の投資信託に投資する方法とがあります。バランス型は国内債券中心でリスクの低いタイプや株式中心でリスクを上げたタイプなど何種類かありますので、個人が取ることのできるリスクに合わせて投資できます。

後者の方がお任せで楽ですから時間が割けない方などにはお勧めかも知れません。


[あとはオタオタせず長期で構える]
投資を始めると日々の価格変動が気になる方がいます。確定拠出年金のような長期の投資でしたら日々の変動にオタオタする必要はありません。年2回(例えばお盆と正月)とか決めて内容をチェックし修正すべき点があれば修正すればいいです。

「秒速でウン億円稼ぐ男」が失敗して破産した一方、世界の著名投資家の多くが「buy and hold(買って長期で保有する)」という作戦で成功していることを考えても長期で構える方が上手く行くのかも知れませんね。
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「下流老人」にならないための老後資金の作り方③

2015-08-13 | シャック便り
続いて自営業者のケースで「下流老人」にならないための老後資金の作り方例に触れてみたいと思います。


[国民年金とは]
サラリーマン以外の方が加入している公的年金です。20歳から40年保険料を払い続けて65歳から月約6.5万円の年金となります。

そもそも国民年金は農家・自営業・作家や芸能人など「定年のない職」の人向けの年金です。年を取って若い頃ほど働けなくなった分減る収入を補う程度の存在でしかありません。

従って厚生年金ほどの年金額にはならずフリーターなどが老後に頼るには大変おぼつかない年金だと言えます。


[自営業の方は国民年金保険料の前納を検討]
国民年金の保険料は予め納める「前納」という制度があります。その方法は現在「2年分まとめて」「1年分まとめて」「6ヶ月分まとめて」「1ヶ月早く前納」の4種類があります。

もちろん一番割引額が大きいのは「2年分まとめて」で、2年分で15,360円の割引になります(まとめての支払額は366,840円)。保険料の月払い(割引なし)が15,590円なので、ほぼ23ヶ月分の保険料負担で24ヶ月分払ったことになります。年率約4%と割引額が大きいのでお金に余裕があれば検討に値すると思います。ただし後で資金繰りが苦しくなったからと言って返してもらうことはできません(厚生年金の加入員になった場合は除く)。個人の資金繰りを考えながら最適な前納パターンを選んでください。


[年金を増やすには?]
前納することで国民年金の保険料は安くなりますがもらえる年金の額は同じです。

その額は多くはありませんから老後の生活を考えると国民年金以外に年金を増やしておきたいと思われる方も多いと思います。サラリーマンのときと同じく節税メリットを活かしながら長い時間をかけて積み立てるのが王道です。

その方法としては下の4つがあります。
・付加年金
・国民年金基金
・個人型確定拠出年金
・個人年金保険
 
個人年金保険はサラリーマンの際にご説明の通りです。保険料の年額が8万円までしか節税メリットがないのでご注意ください。また税額控除を受けられるだけの所得がないとメリットがないため、コンスタントに所得があるサラリーマンほどの効果が出てこないかも知れません。


[付加年金とは?]
国民年金にプラスして掛金を払うことでもらえる年金です。その掛金は毎月400円。65歳から毎年200円×(掛金を払った月数)が生涯もらえますので、何と2年で元が取れる好条件です。

もちろん掛金は全額所得税控除が受けられますし国民年金同様前納割引もあります。国民年金を前納したことで浮いたお金(15,590円)で付加年金の保険料(2年分約9,000円)を賄えます。そのうえ途中で中断することも可能で、掛金を払った期間に応じた年金がもらえる柔軟さがあります。非常に有利な年金ですから国民年金だけの方は検討する価値があると思います。ご相談は各市町村の国民年金の窓口へ。

一方で口数を増やすことができず、最大でも200円×40年で年96,000円(月8,000円)の年金額が上限となります。死亡で打ち切りとなるため67歳までに亡くなると払い損になるデメリットもあります。

当然ながら国民年金保険料の免除もしくは減額を受けている場合は加入できません。


[国民年金基金とは?]
国民年金基金が運営する別口の年金で、最初の1口目は生涯もらえる終身年金です。2口目以降はライフプランに応じて様々な年金を積み立てることができます。詳細はリンク先で確認してください。

もちろんこちらも全額所得税の控除対象です。月々の掛金も変更できます。ただし国民年金基金と付加年金とはどちらか片方のみしか入れません。


[個人型確定拠出年金とは?]
サラリーマンの時と同じですが、国民年金基金と合わせて入る場合は掛金の上限がありますのでご注意ください。付加年金とは併用可能です。

例によって35歳から付加年金+確定拠出年金を始めたとすると、付加年金は月5千円となります(国民年金とプラスして7万円)。

トータル予算をサラリーマンの時と同じ月1万円にすれば確定拠出は毎月の掛金が9,600円で、60歳で398万円となります。15年年金で月2.2万円、20年年金で1.7万円を受け取ることができそうです。


ご覧の通り35歳までに準備を始めると少ない負担で意外に大きな老後保証が受けられます。早めに準備を始めることが大切です。


続いて確定拠出年金で鍵となるリスクとリターンについてご説明したいと思います。
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「下流老人」にならないための老後資金の作り方②

2015-08-12 | シャック便り
それではサラリーマンのケースで「下流老人」にならないための老後資金の作り方例に触れてみたいと思います。


[老後の資金確保は35歳までに始めよう]
ご覧頂いた通りモデル世帯であっても公的年金だけでは十分な生活資金が確保できません。例えば平均世帯の生活費月27.7万円と公的年金の22~23万円の差である月5万円を20年間賄うには合計1,200万円が必要になります。中小企業ですとこれだけで退職金を使い果たすことになってしまいます。

働くにも年齢的な制約があり前もって公的年金以外に老後の資金を確保しておくことが必要になります。遅くとも35歳までに積立を始めれば比較的少ない額であっても60歳時点では大きな額となります。時間をかけてゆっくり積み立てるのが王道だと思います。

積立の際には税金が軽減される方法を選ぶと経済的に楽です。サラリーマンですとその方法の有力な選択肢が個人年金保険個人型確定拠出年金になります。


[個人年金保険とは]
保険料を積み立てて60歳以降に年金として受け取る仕組みです(一時金での受け取りも可)。例えば生命保険の会社がやっている個人年金保険ですと年間8万円までの保険料に対し税額控除(年末調整で返ってくる)が受けられます。

個人生命保険の利回りは現在年0.75%前後と非常に低いものの、税額控除を受けると事実上保険料の割引となりますから意外といい利回りになります。ネット記事などでこの利回りが低いことを理由に「個人年金保険はやってはいけない」と指摘している方もいますが、そういった方は多くがフリーランスで定収のない方です。彼らと違い定収のあるサラリーマンは税額控除がコンスタントに使えますので保険料の割引効果が大きいと言えます。

逆に控除の上限を超えるような保険料を払っても効率が悪くなるので保険料を年8万円(毎月6,500円前後)までにすべきです。


月6,500円(年7.8万円)、利回り0.75%で35歳から積み立てると60歳で214万円になります。これを年金にすると毎月1.2万円を15年受け取ることができます。額として決して多くはありませんが老後の強い味方になると思います。

個人年金保険はどの生命保険の会社もやっていますが、必ず年8万円ギリギリの掛金が設定できることと利回りが何%かを確認しておいてください。利回りが年0.5%では60歳では207万円となり、15年の年金なら月500円ほど少なくなります。

なお個人年金保険の税額控除が受けられるのは45歳までに加入した場合ですのでご注意ください。


[個人型確定拠出年金とは]
確定拠出年金は皆さんが投資信託や定期預金など様々な商品に投資し老後の資産を作ってゆくものです。掛金は「小規模共済等控除」となり全額所得税などの控除が受けられます。

しかも運用で上げた利益は途中で課税されないメリットがあります。証券会社で投資信託を買って儲けた場合は約2割を税金として取られるため大きな差が出ます。

確定拠出年金には定期預金や利回り保証の保険も運用商品として存在しますが、利回り保証のある個人年金保険と併用するのなら確定拠出年金で利回り保証のある運用商品に投資しても意味はないと思います。長期の運用であり、ある程度のリスク(価格変動)を取ることで平均年2.5%前後の運用利回りを目標にすることになると思います。個人の株式投資と違って高いリスクを取る必要はなく、分散投資でバランスの取れたリスクの低い運用を目指すべきです。

例えば老後の資金に月1万円出すとして、個人年金保険に6,500円を出した残りの3,500円を確定拠出年金にするとしましょう。比較的ローリスクで国内外の株式や国債にバランス良く投資する投資信託を買い続けた場合には平均年2.5%程度の運用益が見込めるとされています(確約ではないので注意)。

同じように35歳から月3,500円を年2.5%で運用するのなら60歳で145万円となります。個人年金保険の年214万円とプラスすると約360万円です。15年の年金なら月約2万円、20年で受け取っても月約1.5万円です。35歳から月1万円でもこれだけの老後資金が確保できます。

さらにボーナスからも夏冬1万円ずつ追加で積み立てるのなら確定拠出年金だけで214万円の資産になります。個人年金保険と合算して15年の年金なら約2.4万円、20年なら約1.8万円になります。年末調整で返ってくる税額控除分も確定拠出の投資に回すならさらに大きな額になります。

個人型確定拠出年金は銀行・証券会社・生命保険会社などで扱っています。運営手数料が安いところを選ぶのが一番です。

ただし個人型確定拠出年金は会社で確定拠出年金(企業型確定拠出年金)に入っている場合は入れませんのでご注意ください。この場合は会社の確定拠出年金に社員の追加拠出(マッチング拠出)が認められているのならそれを、認められていないのならNISAを活用し、信託報酬(毎年かかる運用手数料)の安い投資信託を買い続けると便利です。


[もし25歳から始めていればどうなるか?]
ここまでのお話は35歳から25年間積み立てる前提でご紹介しました。もし25歳から始めていればどうなっているでしょうか?同じ掛金で計算してみましょう。

まずは個人年金保険。60歳時点で312万円になっています。なんと100万円ほど多くなります。15年の年金でもらうなら月約1.7万円です。

確定拠出も月3,500円の掛金なら60歳で233万円になっています。15年の年金なら個人年金保険とあわせて月3万円、20年でも月2.3万円です。さらにボーナスから毎回1万円をプラスすれば60歳で344万円になっているので15年年金なら3.6万円、20年年金でも月2.7万円です。公的年金だけでは足りない額の半分を20年間補うことができます。若いうちから始めることがどれだけ有利なのかよく分かって頂けると思います。

逆に45歳から始めると個人年金保険が124万円、確定拠出年金も76万円にしかならず受取額が非常に少なくなります。35歳スタートと同じ360万円の受取額(ボーナス時追加なしでの額)にするには確定拠出の掛金をボーナス時4.5万円に引き上げる必要があります。45歳でこの額ですから、50代になって積立を始めようとすれば多くのお金が必要だということが想像できるかと思います。


月1万円でも35歳までに積立を始めればそれなりの額が確保できること、逆に積立のスタートが遅くなれば非常に厳しくなることがお分かり頂けたでしょうか。年末調整で税金が返ってくることもメリットが大きいです。下流老人にならないためには若いときからコツコツ準備するのが一番だと思います。

次回は自営業者など国民年金の方について触れてみたいと思います。
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「下流老人」にならないための老後資金の作り方①

2015-08-11 | シャック便り
夏休みに入りましたのでいつもとは毛色の違ったお話をしたいと思います。


先日新幹線の車内でガソリンをかぶって火を付け自殺した男性が大きなニュースとなりました。巻き添えになって亡くなった方が出てしまい大変痛ましいことだと思います。

この犯人は月12万円の年金だけで生活しており、生活ができないとして犯行に走ったとされています。またこの事件の直前から「下流老人」という言葉をよく見かけるようになり、高齢者の貧困が取り上げられるようになっています。

今回はこの問題について取り上げ、下流老人にならないためにはどうすべきか考えてみたいと思います。


[年金月12万円の理由]
一般的なサラリーマンだった夫婦のモデル世帯の年金額(月額)は

基礎年金(国民年金) 6.5万円×2で13万円
厚生年金       9~10万円(夫の部分のみ支給)

となり、22~23万円となります。60歳以上無職世帯の平均的な生活費(2014年総務省調べ)では27.7万円でしたので「年金だけでは切り詰めて生活しないと非常に厳しい」と言うことが分かると思います。多くの場合は退職金を取り崩したりして月4~5万円を確保しています。

報道によるとこの犯人が一人暮らしであり、「年金を35年払った」と言っていた模様です。これらが事実であれば保険料を支払った期間のみが評価される基礎年金部分(国民年金部分)は約6万円となり、差し引きで厚生年金として6万円が支給されていたことになります。

この厚生年金部分は先に挙げたモデルの2/3程度しか支給されていません。恐らく厚生年金部分は支給期間の下限である25年に近い期間しか加入していなかったか、平均よりもかなり低賃金であったと考えられます。低賃金の職を転々としている場合にはあり得る額だと思います。

なお一部の中小零細企業の中には厚生年金の対象事業所になっているにもかかわらず厚生年金に入っていないケースや、厚生年金の保険料を従業員から天引きしているのに国に納めていない会社、給与を実際より低く申告して保険料を軽くしようとする会社もあるようです。いずれも違法行為ですので給与明細と「ねんきん定期便」とを照合し、おかしい場合は年金事務所などに相談に行かれることをお勧めします。


[12万円で生活できるか?]
この犯人のように年金だけの月12万円で一人暮らしをするとすれば
家賃+光熱費等 6万円
食費・生活用品 5万円(週1万円)
で11万円ですから税金等を考えると極めて厳しいことが分かります。

犯人はパチンコ屋などに通っていたとされますが、そういったお金はこの年金額では出せないことが分かります(借金をしていたとの報道もありますのでそういうことでしょう)。自転車のパンク修理とか庭木の剪定など現役時代の特技があるのならシルバー人材センターの仕事で若干の収入は得られますがこれも限られるでしょう。

持ち家があることに加え、野菜を(できれば米も)ある程度自給できるのなら12万円でも生活できると思いますが、都内では古い風呂なしアパートでも上記の費用がかかりますから生活は困難だと思います。


[12万円で生活するのなら]
とは言っても過去に戻ってやり直せないのが人生です。持ち家がなく月12万円の年金で生きてゆく方法は限られると思います(ここでは生活保護は考えないことにします)。

地方(中山間地など)の自治体では月1~2万円で空き家を貸してくれるサービスを行っているところがあります。これを利用すれば住居費が軽くなります。加えて庭で野菜などを栽培することで食費も少し減らすことができます。

犯人はJR中央線沿線に強いこだわりをもっていたようですが、生きてゆくことが大切なのかこだわることが大切なのか一度真剣に考えてもよかったのではないかと思います。


ご覧の通り、特に現役時代に世間平均以下の給与で働いていた場合には老後に年金だけで生活することは困難です。何らかの形で自己資金を作ってゆかないと老後の生活が成り立ちません。ということで次回はサラリーマンを例に無理なく老後資金を作る方法に触れてゆきたいと思います。
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8月分QSL発送しました

2015-08-10 | QSL発送情報
8月分のQSLをビューロー宛発送しました。

・5/24の中頭郡北中城村の全て
・6/7の北九州市小倉北区馬島移動の全て
を発送しました。

しかしながら、以下のQSLは送りきれず未発送となっています。
・沖縄移動のうち中頭郡中城村の全て
・7/5の大阪府茨木市移動の全て
・7/18~20の福岡、壱岐移動の全て
・7/26の兵庫県たつの市移動の全て
・8/2の大阪府茨木市移動の全て
・8/8の京都府福知山市移動の全て

今月は2回目の発送を予定しており、残る沖縄移動を中心に発送します。

順次作成し発送していますのでご理解頂きますようお願いします。
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京都府福知山市(JCC 2202)移動運用報告

2015-08-09 | 移動運用結果報告
8/8(土)に京都府福知山市(JCC 2202)に移動運用に行ってきましたのでご報告します。

ハイバンドのシーズンもそろそろフィナーレを迎えます。次の週はお盆で休み、8/23は来年3月までの航空券予約の日(11月予定の沖縄移動もここで予約を入れます)なのでこの土日が恐らくラストチャンスだろうと思っています。

ということで福知山市にしました。京都府北部では一番人口が多い市で7MHzでは道の駅からのQRVが多いのですが、なぜかハイバンドではほとんどQRVがありません。リクエストもあったので出かけてみることにしました。

暑さが厳しく午前中で切り上げた方がいいでしょうからバンドは18/21MHzに絞っています。


JR福知山線の福知山行きに乗ります。20年くらい前ですとこの電車は城崎行きで、城崎温泉まで乗り換えなしで特急よりも早く到着していましたが、運転区間がどんどん細切れになり現在は福知山と豊岡の2回乗り換えないと城崎まで行けなくなっています。篠山口から先の駅で乗り降りするお客がどんどん少なくなっています。

福知山で30分少々乗り換え時間があり飲み物を補給しておきました。福知山からは20分ほどで上夜久野に到着です。

上夜久野は兵庫県との県境にある駅で、新しい家がいくつか建っているものの人口はかなり減っているらしいです。駅舎が撤去されて久しく、駅前商店が残っているのが不思議なくらいです。タクシーの営業所も兼ねているようですね。


ここから10分ほど歩いて目的地に到着。朝から晴れて温度が上がっており、これだけでもボタボタと汗が出ます。

イベント広場として整備されたもののほとんど使われていないのでしょう。段々と手入れが行き届かなくなっています。それでもまだ日よけにはなるのでいいでしょう。

最初に18MHzのダイポールを立てました。リグもセットしたもののHL-45Bとリグを接続するケーブルのコネクタが接触不良を起こし使える状態になりません。汗が出るほど暑いのにこれでは厳しいです。結局15分以上試行錯誤の末どうにか回復し10時にスタートできました。かなりの時間ロスでした。

7エリアを中心に開いており、CQを出すと散発ながらコールがありました。まずまず強く届いているみたいですが、バンド内が混雑しているそうです。それほど呼ばれないものの粘っていると6エリアも開いてきたみたいです。「このバンドの福知山市ファーストです」という方が結構多く、やはりあまりQRVがないようです。気温はさらに上がっており、やや風のある東屋で何とか過ごせる状態です。


今日はお昼までなので11時台になると早くも後半戦です。アンテナを21MHzに張り替えましょう。日向に出るとガンガンと照りつけられてすぐに汗が出ます。セッティングが終わってバンドを聞いてみるとこちらは1エリアが主に開いているようです。1エリアでも福知山市ファーストという方が多かったです。ただオープンしている時間が短くすぐに終わりとなりました。

帰りの電車は12時48分発です。これを逃すと1時間半ほど電車がありません。夜久野でお昼を食べたいので11時30分で切り上げとしました。



お昼は夜久野マルシェのそばにします。以前からここのそばはおいしいと定評で、今日は冷たいそばがぴったりでしょう。時間がややかかるのが難点ですので早めのQRV切り上げとなりました。

頼んだのがおろしそばセット。10分くらいかかって出てきました。そばもさることながら炊き込みご飯もおいしいので気に入っています。

そばで涼しく過ごせたものの、外に出ればまた厳しい暑さです。上夜久野までの帰り道が暑かったです。福知山駅経由の行きと同じルートで帰宅しました。帰宅直後に激しい雷と雨となり、ギリギリだったみたいです。


本日は18MHzで10局、21MHzで13局の計23局でした。ありがとうございました。
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8/8 京都府福知山市移動

2015-08-06 | 移動運用予定
以下の日程で京都府福知山市(JCC 2202)に移動します。


日時:8/8(土) 午前9時45分頃~午前11時過ぎ頃まで

場所:京都府福知山市からQRVの予定です。
    雨の場合は中止します。

バンド:18/21MHz帯(SSB)
 

※当局の移動運用についてはこちらもご覧下さい。
※QSLカードについてはこちらをご覧下さい。
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移動耳より情報

2015-08-05 | シャック便り
[まりん あわじが就航]
明石-岩屋(淡路市)の航路に新造船「まりん あわじ」が就航しました。この船は淡路市が常石造船で建造しジェノバラインに貸し与えたもので、原付バイク8台を載せることができます。明石側の浮き桟橋整備工事が遅れており、バイクの搭載は9/23以降となる予定です。

明石-岩屋間では2010年にたこフェリーが経営難で撤退して以降明石海峡大橋を渡ることができない125cc以下の原付バイクは渡島手段がなくなっていただけに朗報だと思います。


[第一航空のDHC-6-400が就航]
第一航空のヴァイキングDHC-6-400が8/2より那覇-粟国線で就航しました。これまでのBN2アイランダーよりも定員が増えフェリー欠航時の交通手段として信頼性が増すことになります。

初号機は粟国線専用で、今後導入される2号機は石垣をハブに波照間や多良間への路線に投入される予定です。また現在計画中の伊平屋空港が完成すれば3号機の投入も構想されています。


[スカイマークが足下の広いシートを発売へ]
スカイマークが8/10から全路線で通常より足下の広いシートを「足のばシート」として発売することになりました。

最前列席と非常口座席がこれに該当し、これら座席の指定に加え優先搭乗や1ドリンクサービス、手荷物の優先タグ(ただし優先返却は保証しない)を付けて追加料金1,000円で販売するとのことです。

何のことはない非常口座席の指定販売であって同じ1,000円の追加料金を取るJALのクラスJみたいに前後だけでなく横幅も広い専用座席を設置するのではないようです。LCCの座席指定オプションみたいな感じでしょうか。

コメント (2)
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