JF4CADの運用日誌2.5

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続・AIJ問題

2012-03-23 | シャック便り

本日AIJ投資顧問に対し、証券取引等監視委員会が強制調査に踏み切りました。相変わらず検索エンジン等でこの問題に対しアクセスしてくる方がいますので、Q&A形式で補足説明をしたいと思います。

※「AIJ 被害企業名」という検索ワードで検索エンジンから何度も来られている方がいますが、全てを網羅して公開している資料やサイトは一切ありません。以下に書いてある方法により心当たりのある会社に対しご自身で問い合わせてください。

 

[厚生年金や国民年金はAIJの被害がありますか?]
国が運営する厚生年金や国民年金の資産運用は「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が行っています。GPIFの運用は日本の国債を中心としており業界でも非常に保守的で安全志向とされ、AIJ投資顧問はおろかヘッジファンドには一切手を出していません。なにせ個人投資家や企業年金の多くが投資をしているインドやブラジルなど新興国の株式や債券運用すら行っていないとされます。従ってAIJの被害は一切ありません

被害が出ているのは「厚生年金基金」です。国の「厚生年金」の一部を「引き受けメリットがある」として民間企業が自分たちで引き受けて運営しているもので、厚生年金とは異なります。この2つを混同しないようにお願いします。

 
[国民年金基金はAIJの被害がありますか?]
国民年金基金は自営業者などが国民年金にプラスして掛け金を払うことで老後の年金額を増やす制度です。こちらもAIJの被害はありません

 
[私の会社がAIJの被害を受けたか知りたいです]
AIJに資金を委託していた厚生年金基金の名前は明らかになっていますが、その基金にどこの会社が加入していたかは公開されていません。所属会社の人事担当に確認をされた方が早くて確実だと思います。

 
[私が退職した会社の基金がAIJの被害を受けたか分かりません]
退職した会社の人事担当に電話して聞いてみて下さい。退職後に会社が倒産したなどの理由で聞くことができない場合は以下の方法で確認できます。

(1)手元に厚生年金基金の加入員証がある場合
加入していた厚生年金基金が判明しますので、その基金に直接電話で聞いてみて下さい。

(2)手元に厚生年金基金の加入員証がなく、基金名も分からない場合
日本年金機構に行って過去の記録を確認するか、機構のサイトで過去の所属履歴を調べることができます(要ID取得)。郵送されてくる「ねんきん定期便」でも確認できます。厚生年金基金の名前が判明したら(1)と同じです。

いずれの場合でも会社を短期で退職した場合には基金から企業年金連合会に支給義務が移管されている場合があります。企業年金連合会はAIJ投資顧問の被害がありませんので、連合会に支給義務が移管されていればAIJ投資顧問の被害を受けた基金に過去加入していた場合でも影響はありません。(このような場合は年金の受け取り申請も連合会に申請することになります)

 
[AIJに投資していたら年金はもらえないのですか?]
マスコミのミスリードと煽りでそう思うかも知れませんが、AIJの被害=基金の破綻かと言えば必ずしもそうではないです。年金資産のうちAIJにどれくらいの割合を委託していたかによって変わります。

ですから、厚生年金基金に問い合わせをする際にAIJに委託していたことが分かったなら必ず「自分の年金の支給義務がこの基金にあるのか」と「年金資産の何%をAIJに投資していたか」の確認を取って下さい。

 
全体の5%以下ならば他の運用で取り返せますから基金の破綻にはつながりません。これが30%を越えるような状態ですと基金独自のプラス部分は今後受けられなくなる・あるいは減額される可能性もあるでしょう。

委託割合にかかわらず国から引き受けている厚生年金の部分は支給義務がありますのでもらえると思って下さい。

 
[厚生年金基金から脱退できますか?]
会社単位であれば可能ですが、個人単位で厚生年金基金を脱退することはできません。

 
[AIJは一見しただけで詐欺だったのですか?]
あくまで詐欺という事実を知ってから見ちゃうと詐欺でしょう。しかしながら何の予見もなく安定してこつこつプラスのリターンを稼ぐヘッジファンドとして見れば魅力的だったと思います。

一般的にヘッジファンドの報告書は信託銀行などのプロが読んでも複雑で分かりません。加えてAIJの場合ロンドンのG会計事務所による監査も受けていたと説明したようですから信じちゃってもおかしくないと思います。円天とか未公開株詐欺とかの個人が引っかかる詐欺の場合、まず監査なんて受けてはいませんからその点は違うと思います。

繰り返して強調していますが、1つのヘッジファンドに委託している額が基金資産の5%未満なら分散投資のルールが守られており、このパフォーマンスなら委託することもあり得たと思います。いくら成績がいいからと30%とか40%とか突っ込んだ基金は分散投資という基本ルールを守らなかったという点でアホと言われても仕方ないと思います。

その後始末は加入企業が全面的に背負うべきで、税金で補填する筋合いのものではありません。今まで「国の厚生年金より掛け金が安い」という甘い汁を吸い、放漫財政を続けてきたツケなのです。

  
[AIJ問題の不都合な真実]
なぜかマスコミが取り上げない事実があります。それは全国の民放(ラジオ局含む キー局除く)が加入している民間放送厚生年金基金がAIJに49.5億円という多額の資金を委託していたという事実です。これはAIJへの委託額では11位にあたります。しかし、民間放送厚生年金基金は厚生労働省が行った基金名の開示に同意した36の基金に入っていません。何かあると「情報公開」を強いるマスコミ業界の厚生年金基金が情報開示を拒否するという社会に示しが付かないような状態です。

まさかと思いますが、国民世論を操作して他の基金と一緒に民間放送厚生年金基金の損失を税金で補填してもらおうという魂胆はないでしょうね?と疑いたくもなります。

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