JF4CADの運用日誌2.5

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室生寺&長谷寺御朱印巡り②

2020-09-13 | 御朱印めぐり
大野寺から室生口大野駅までは徒歩5分です。電車は1時間に3本あります。

2つ先の長谷寺駅に到着。

室生口大野駅は無人でしたがこちらは駅員さんがいます。近鉄もかなりの駅で無人化が進んでいて、郊外では無人の駅が増えてきました。

このような石柱が立っていますが、長谷寺は大和川の谷を挟んで反対側。一旦下ってまた上ることになります。

大和川にかかる参急橋を渡ります。「参急」とは「参宮急行電鉄」の略称で、近鉄の母体となった大阪電気軌道(大軌)の姉妹会社として桜井-宇治山田間を建設した会社です。恐らく長谷寺駅設置(1929年)の際に長谷寺への参詣客のために架けられた橋なのでしょうね。その後1941年に大軌は参急と合同、一連の系列会社は最終的に1944年に南海と戦時合同して近畿日本鉄道となります。1914年に大軌が奈良線を開通させてから僅か30年で巨大鉄道会社に成長したことになります。

かつては賑わった門前町もひっそりしています。


長谷寺の手前に法起院があります。

この看板が目印です。見落とさないようにしてください。

長谷寺の塔頭であり、西国三十三所を開いた徳道上人の墓所も法起院にあります。このため西国に3カ所存在する番外札所の一つになっています。

徳道上人は718年に62歳で亡くなるものの、閻魔大王から観音信仰を広めるよう宝印を授けられて現世に戻され西国三十三所を創設したとされます。しかしながら結果的に徳道上人による普及は叶わず宝印を宝塚の中山寺に埋め、80歳のときに法起院で亡くなります。その270年後に花山法皇が中山寺で宝印を発見し西国三十三所を広めたことになっています。

現在西国三十三所では1300年記念の事業を展開していますが、徳道上人が宝印を授けられた時点から1300年なのだそうです。ただし二十番札所の善峯寺は1029年創建で花山法皇の存命中(968-1008)にすらお寺がなかったとされており矛盾が生じます。恐らく京を中心に広まった観音信仰が平安後期に三十三所として広まったのではないかと考えられています。

小さな本堂と徳道上人の墓所、納経所があるくらいの小さなお寺ですがよく整備されています。白洲次郎の妻・正子の文中には「寂れたお堂」と出てきますがその後手が入れられたのでしょうね。

法起院の御朱印です。徳道上人が押印を授かるイラストの西国1300年記念の肩判が押されています。番外霊場では法起院のみで、山科の元慶寺や三田の菩提寺にはないそうです。この2カ寺は徳道上人の270年後に活躍する花山法皇所縁のお寺だからで、徳道上人に縁のある法起院だけが番外で肩判があるとのこと。

もちろん御詠歌もあります。


それでは長谷寺に。西国の八番札所で真言宗豊山派の総本山です。

686年に道明上人が創建、727年に徳道上人が本尊の十一面観音像を祀りその後の観音信仰の拡大で以来観音道場として信仰を集めました。1588年に秀吉によって根来を追われた信徒が長谷寺に入り豊山派が形成されてゆきます。

他の主要宗派と同様に真言宗も長い歴史の中で教義解釈などの違いによりいくつもの宗派に分かれ、現在は16もの宗派が存在しています。もちろん空海を宗祖とすることに変わりはなく、豊山派の信者が高野山を参詣しても構わないそうです。豊山派は東京の護国寺や西新井大師なども属しており、特に関東地方で末寺が多く逆に中国地方や九州にはほとんどないと言われています。

仁王門からは長い石段を登ります。室生寺の奥の院でいい加減上っているので相当にきついです。西国の札所って石段が長いところが多いので苦労させられます。

ようやく長い長い石段がおしまい。本堂の前に出ます。こちらも崖につくられたお堂で1650年に徳川家光の寄進で建てられたもので国宝に指定されています。ユニークなのは本堂のほぼ中央を東西に横切ることができること。なのでご本尊を目の前で拝むことができます。

ご本尊は1538年に造られた十一面観音像で高さ10mあまりの大きな仏像です。西国の観音像は秘仏となっているところが多いのですが長谷寺は常時公開されお姿を拝見できます。お世話になっていたTKMさんが先日亡くなられましたので観音様にご冥福をお祈りしました。

本堂の近くに納経所があります。

どんな御朱印が頂けるかは看板が出ており分かりやすいです。

こちらは江戸時代の印を復刻した御朱印です。西国1300年記念事業として壺阪寺・岡寺・長谷寺・興福寺南円堂・総持寺・穴太寺の6つのお寺で今年いっぱいの予定で授与されます。「和州 長谷寺」とあります。

こちらは現在の西国の御朱印と御詠歌です。


やっと終わった・・・と思ったらこちらが目に入りました。

塔頭の能満院です。1713年に宥仲と寛海が創建、現在は日限地蔵で知られています。看板にある通りこちらでも御朱印が頂けるようです。お堂に行くと何と御詠歌も頂けるとのこと。

能満院の御朱印と御詠歌です。能満院のお堂も風が通るので心地いいです。


これで引き上げましょう。

お昼は「与喜饂飩」へ。三輪そうめんのお膝元であえて讃岐うどんというお店ですが地元のお客さんで賑わっていました。食べている間に麺が売り切れで終了となりました。

長谷寺駅までの長い上りが恨めしいです。疲れ果て寝ながら急行で帰りました。

近鉄の「おでかけ1dayきっぷ」は当初9月末までの予定でしたが好評のため期間が延長され11/29までとなっています。これまで使える割引きっぷが少なかった近鉄では破格の切符です。うまく使ってみてください。


最後に今回の御朱印情報です。
室生寺仁王門 8種を納経所で授与。オリジナル御朱印帳あり。
室生寺本堂  3種を本堂内で授与。
室生寺奥の院 2種を授与所で授与。
大野寺    1種を庫裏で授与。
法起院    3種を納経所で授与。
長谷寺    6種を納経所で授与。オリジナル御朱印帳あり。
能満寺    2種を授与所で授与。

室生寺は同じ御朱印を複数の授与所でもらえるケースがあるため注意してください。
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