JF4CADの運用日誌2.5

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第55回京都非公開文化財特別公開を見てきました①

2019-11-04 | 御朱印めぐり
京都古文化保存協会の「第55回京都非公開文化財特別公開」を見てきました。

京都古文化保存協会の特別公開は毎年春と秋に開催されています。今年は「祝 天皇陛下御即位」と題して皇室ゆかりの寺社などの特別公開が組まれており、5月に行われた春の特別公開では長年非公開であった山科区の安祥寺や天皇陛下の即位時のみ本尊が公開される東山区の長楽寺などに多くのお客さんが集まりました。

秋の公開は11/1(金)~10(日)の10日間です。

今回の初公開は寺社ですと金台寺(嵐電等持院)、正覚庵(京阪鳥羽街道)、大雲寺(京阪深草)の3つです。特に金台寺と大雲寺は他の特別公開の実績もあるかないか分からないほどレアです。正覚庵は以前御朱印を頂きましたので時間があれば、とし残る2寺院にプラスし自主的に特別公開をしているお寺なども回ってみたいと思います。

京都非公開文化財特別公開のルールは以下の通りです。
・時間は9時~16時(一部例外あり)。
・拝観料は800円。


それではJR京都駅からスタートです。大雲寺はJR奈良線の稲荷駅からでも歩いてゆけますから稲荷駅に向かいます。京阪伏見稲荷駅とともに伏見稲荷の最寄り駅になっており外国人観光客が大勢利用しています。

伏見稲荷に行くのに絶対迷わないロケーションですね。

伏見稲荷はパスして京阪深草駅が見えたら左に折れてください。かなり分かりにくいけど「大雲寺」という道標が設置されています。

#深草駅は10/1に龍谷大前深草駅と改名していますが面倒なので以下旧駅名の深草にします。

要所要所には案内が出されていますが、迷いやすいのでご注意ください。もし迷ったときは「大雲寺」と言っても近所の住民でも分からないので「宝塔寺」と聞いてみるといいです。

しばらく歩くと宝塔寺があり、こちらの塔頭の一つが大雲寺です。

大雲寺をご紹介する前に宝塔寺について先に触れたいと思います。

宝塔寺は14世紀初めに真言宗の寺院であった極楽寺が日蓮宗に改宗して創建されています。日蓮から京での布教を託された日像が極楽寺の住職であった良桂との法論を通して帰依させたとされています。日像は妙顕寺を創建するなど日蓮の遺言を果たし1342年にこの宝塔寺で荼毘に付されています。


大雲寺は宝塔寺に6つある塔頭の中で最も格が高いとされています。

宝塔寺は1536年の天文法華の乱(日蓮宗の僧に論破された延暦寺が武力を使って攻撃、京にある日蓮宗の本山や主要寺院が焼き払われた事件)で焼き払われ、その後豊臣秀吉の家臣・平野権兵衛長泰の尽力で方広寺大仏殿建立の際に余った材料を融通してもらい大雲寺に宝塔寺の仮本堂を再建、1590年に宝塔寺が再建されるとこの仮本堂が大雲寺となっています。

境内には先に触れた日像菩薩像があります。

大雲寺では一塔両尊や明正天皇御即位行幸図屏風、狩野探幽の「真山水」を公開しています。一塔両尊は中心に「南無妙法蓮華経」の題目、左右に釈迦如来と多宝如来を配したもので日蓮宗での本尊にあたります(同じ日蓮宗でも宗派により解釈の違いがあるようです)。日蓮宗での仏の世界を表現したものです。

宝塔寺が妙顕寺の末寺であったため、大雲寺には妙顕寺(竜華)の上人による書が多く残っています。私はこっちの方が気になりました。

宝塔寺の御首題です。日蓮宗ですので御首題となります。


では宝塔寺にもお参りしてみましょう。

仁王門は1705年に完成したもので、仁王像は1670年の銘があるそうです。

本堂は1608年に完成したもので重要文化財に指定されています。大本山にも負けない大きなものです。

宝塔寺の御首題です。


お次は東福寺の塔頭・正覚庵です。こちらも古文化保存協会では初公開です。以前お参りしたことがありますが本堂は非公開だったので見に行きましょう。

最近はこの手のネーミングが流行しているようで、阪急も石橋を「石橋阪大前」に変更しましたし大阪モノレールも柴原を「柴原阪大前」に変更しています。首都圏でも「羽沢横浜国大」が新たにできるそうです。

鳥羽街道駅に到着。ここから稲荷山武田病院のそばを通って左に折れると正覚庵です。東福寺駅から行くよりも人が少なくスムースです。

正覚庵は1290年に伊達政依により創建された東福寺の塔頭です。独眼竜こと伊達政宗は政依の子孫にあたります。

撮影は玄関まで。本堂などは見えないところにあります。

本堂と茶室は1974年に兵庫県伊丹市にあった白洲屋敷を移築したものです。あの白洲次郎の父・文平が建てた屋敷で屋久杉を贅沢に使ったものです。文平は綿貿易会社の白洲商店を経営していましたが昭和初期に倒産、屋敷も人手に渡り戦後解体された屋敷が売りに出されていたのを買ったのだそうです。

塔屋みたいなものがありましたが、これは暖炉の煙突として使っていたとか。何とも贅沢というかマニアックな作りです。

本堂は特別公開でないとみることができない場所にあるのでぜひ見に行ってください。

正覚庵の御朱印です。以前頂いた通常のものとは印が違っています。


同じく東福寺の塔頭である一華院が自主的に特別公開をやっていますので見に行きましょう。普段非公開ですが毎年この時期のみ公開されています(今年は11/1~12/1)。

1382年に東漸が開創したお寺です。一時廃絶されますが1808年に天瑞により再興されています。ご本尊が室町時代の作とされる白衣観音座像です。

本堂の軒下に御朱印所があります。拝観料を払わなくても頂けるようです。

南の庭は室町時代に造られ、依稀松の庭と呼ばれています。長く伸びる見事な松が印象的です。

一方北の庭は重森三玲の孫にあたる重森千靑の作です。どちらもじっくり時間をかけて鑑賞できるようになっていますので一度は時間をかけじっくり鑑賞してみてください。

一華院の御朱印です。


JR東福寺駅に向かう道すがらにいくつか東福寺の塔頭がありますが多くが門を開けています。・・・がお寺を業者に貸してお茶を飲めたり食事が取れるようになっているみたいです。

こちらの明暗寺は虚無僧の「明暗」のルーツとされますが完全にお寺カフェ状態ですね。先ほどの一華院も特別公開しているとはいえ和カフェがメインのようでした。

観楓期はこうなるのか、と思いました。


前半はここまで。後半に続きます。御朱印情報は後半の最後にまとめてご紹介します。
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