JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

50MHzのEsでパイル時にやってはいけないこと

2017-06-16 | シャック便り
この時期Esによる伝搬が楽しめ、50MHzでは多くの珍しい移動局が出ます。

そんな中で数は少ないのですが50MHzのマナーを守っていない・理解されていない方が目立ちます。具体的には

(1)50MHzのEsでパイルになっていれば呼び倒さない
(2)50MHzのEsでパイルになっていればコールサインを確認してから呼ぶ
(3)50MHzのEsでパイルになっていれば「漢字解釈」「JCCコード」は不要です


という3点です。大きなパイルになっている時にこの3つをなぜやってはダメなのかご紹介したいと思います。


(1)50MHzのEsでパイルになっていれば呼び倒さない
50MHzのEsはQSBが短周期で大きいのが特徴です。時には59のSが5秒後には全く聞こえなくなるなど変化が激しいこともあります。逆にS9が+40dBあたりまで急に上がることもあります。

そんな中で呼び倒しをしてしまうと他局とのQSO中に急にSが上がりQSOの妨害になるケースがあります。そういう場合はっきり聞こえますので「この局は邪魔するからピックアップしてやらない」と相手から思われるでしょう。呼び倒しは自ら首を絞めてあなたを不利にします。


(2)50MHzのEsでパイルになっていればコールサインを確認してから呼ぶ
これは50MHzのパイル時に限ったことではなく当たり前のことですが、平気でやってくる局がいます。パイルになってるDXペディションでも平気でやっている局もいるようです。

以前KH2だったかKH0だったかへの日本人の移動運用で国内がオープンしコールサインのピックアップできてない局を「コールサインが確認できてから再度お呼びください」とまさに無双状態で次々と切り捨てていたケースもありました。

大パイルになった場合、手慣れた局はコールサインの送出間隔を法令に反しない範囲で延ばす傾向があります。毎回コールサインを送出するよりも効率が上がりますし、コールサインが確認できるまで新規の局が呼ぶのを控えてくれるため現在パイルに参加している局を救う確率が高まるからです。こういうオペレーションをしている場合はそれだけ大きなパイルになっていると理解された方がいいです。

だから少しだけ待ってみてください。ビッグガンならまだしも並の設備でしたら一発でパイルを抜く可能性は低いはずですから。


(3)50MHzのEsでパイルになっていれば「漢字解釈」「JCCコード」は不要です
パイルになっているのにもかかわらずダラダラ長いQSOをされる方がいます。

実際にあった例を元にJA3QRA 田中さんという架空の方とのQSOだとして書き起こしてみますね。

「ピップアップありがとうございます。こちらはジュリエット アルファ スリー ケベック ロメオ アルファ JA3QRAです。QTHは大阪府××市、JCCコードは25××、名前はタナカ、タバコのタ、名古屋のナ、為替のカ、漢字解釈は田んぼの田に真ん中の中です。えーっと、コールサイン分かりません。次回送ってください。どーぞー」

長いですよね・・・文字に起こすだけでもかなりの分量でした。この例ですと(2)のコールサインがコピーできていないことに加え(3)の「漢字解釈」「JCCコード」など冗長すぎる内容です。元ネタとなった局は「コールサインをコピーできてから再度お願いします」とさせて頂きました。


一方50MHzのパイルをご理解頂けている方からはこんな感じで頂いています。

「JA1ケベック タンゴ ホテル 59 東京都府中市のスズキです ありがとうございました」

これでQSOは成立していますし、こういう風に簡潔にしてもらえれば上の例の間に何局QSOできるでしょうか?たぶんその後も「QSLカードはジェ- エ- アール エル JARLビューローにてご交換よろしくお願いします(何で繰り返すのでしょうか?)」なんてモタモタ繰り返すでしょうからそのうちに3~4局QSOできています。それだけ多くの局をパイルから拾うことができるのです。


また「漢字解釈」をやっている間にQSBで落ちちゃったらどうなるでしょうか?コールサインをコピーできてないので当然QSOは不成立ですよね。他局のチャンスを奪うだけでなく自らのQSO不成立のリスクも高めている、と言えるかも知れません。

さらには「そちらの漢字解釈を教えてください」「ホームQTHはどこですか?」など大きなパイルになっているときに頭を抱えたくなるような冗長なQSOをする局がいるのも事実です。


もちろん多くの局が「50MHzのEsは短時間勝負」と分かっていて簡潔なQSOをやっています。私なんかもフォーンで100QSO/hとか普通あり得ないようなペースでパイルをさばいていますが、それでもずっと呼ばれ続けます。こんな極限の中では上に挙げた「信念を曲げない局・状況によって変化できない局」というのはごく少数ながら余計に目立ってしまいます。

QSBがあっても緩やかな7MHzとは違いますし、同じ50MHzでもSの安定したローカルQSOとは全く違って刻々とCondxが変わります。どんな場合でも「JCCコードは~ 漢字解釈は~」と繰り返すのではなく局面局面を判断し最適な形が何なのかを考えて頂きたいです。
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