JF4CADの運用日誌2.5

アマチュア無線局JF4CADの活動内容紹介ブログです。

沖縄移動運用報告④

2015-06-02 | 移動運用結果報告
5/24(日)那覇→運天港→伊平屋→野甫島→伊平屋
いよいよ伊平屋に向け出発です。

伊平屋村は沖縄県北部にあり、人口は約1,300人。有人島の伊平屋島と野甫島がありサトウキビや米の栽培、モズクを中心とした水産が主産業です。那覇からの交通アクセスが悪いため訪れる観光客は少ないようです。

この伊平屋村とお隣の伊是名村は北部にあるのですが、国頭郡ではなく島尻郡となります。これは琉球王朝第二尚氏の祖である尚円が伊是名(当時は伊平屋の一部)の出身であり、王府の直轄地であったことに由来するようです。

尚氏は明治以降華族に列せられ、琉球新報や桃原農園などの創業者である尚順男爵などを輩出しています。ちなみに現在の琉球新報は尚順男爵の興した会社とは別会社で、戦後のどさくさに紛れて題字と号数を引き継いだとされています。


伊平屋島へは今帰仁村の運天港から村営フェリーが1日2往復あります。また野甫島へは伊平屋島からの村営バスがあります。船の到着後割といい時間にバスがあるのであわせて野甫島に行くつもりにしています。

運天港へは那覇からやんばる急行バスを利用すると乗り換えなしで行くことができます。やんばる急行バスの1便目が運天港で伊平屋行きに接続していますのでこれを利用します。やんばる急行バスは昨年伊江島へ行く際に利用しましたが案外快適でした。


いったん定宿を引き払いゆいレールで古島駅に向かいます。古島駅前から7時10分発のバスに乗車。2人掛けの座席を1人で使ってほぼ席が埋まる盛況です。バスはバイパス(国道330号)から西原ICで沖縄道に入ります。

周りを見るとどうも中国人や台湾人乗客が多いようです。彼らはレンタカーを沖縄で運転できないため、北部の水族館を見て回るにはこのバスが経済的な手段なのでしょう。

途中の伊芸SAでトイレ休憩です。雨なので出口を屋根に近づけて停車させていました。

伊芸SAを出ると終点の許田ICで沖縄道を出ます。バスは名護市役所前から本部港、水族館と海岸沿いに過ぎてゆきます。


たまたま当日JQ1TMC 藍さんが名護に宿泊されており、途中の名護市役所前から運天港まで送って頂けることになりました。藍さんと合流。まさか沖縄でお会いするとは思いませんでした。

バスは本部半島を大回りするため名護市役所から運天港まで1時間近くかかる一方、藍さんは最短距離で運転されたため20分ほどで到着しました。ということで何とバスより早く着いてしまいました。

TMC局に機材一式を見て頂きました。皆さん驚かれるのはこれだけコンパクトな設備でやっているのか、ってことのようです。もちろんそうしないと体力的に辛いので、無駄を削るだけ削って軽くしてきました。

TMC局はこのあと東海岸(辺野古方面)から那覇に向けてQRVしながら戻られるようです。ありがとうございました。


伊平屋行きの運天港出航は所定11時ですが伊平屋側のバースが工事で使用できず伊是名のバースを借りるため11時30分出航に変更されています。船の出発が遅れて運天港で時間が取れますし、港の公園にはいい具合に東屋がありますから港から出てみましょう。

短時間なので当日twitterで案内するだけでいいかな、と思っていましたがフェリーの出航が繰り下げられたため出発直前に告知に加えました。

運天港のある今帰仁村は人口約9千人。農業がさかんで、名産のスイカはちょうど今が最盛期です。今帰仁もミドルアワードの対象ですよね。


小雨ですので港の前にある東屋に機材を置いてQRVします。雨で伸縮ポールを高く上げることができず、こんな感じになりました。

こんな貧相な状態で9時20分に18MHzでスタートです。アンテナを十分に高く上げることができないことに加えてあまりCondxがよくないようで、本土には弱いSでしか届いていないみたいです。ほぼ全国開いているのにSが弱いようです。ということで局数も伸びてきません。

そういや途中でやんばる急行バスが2便ほど運天港まで着くはずですが、とうとう来ませんでした。運天港まで来る乗客がおらず途中で運転を打ち切ったのでしょうね。

ずっと小雨が降り続きますし、Condxも上がってきません。なんか悔しいですよね。10時40分で打ち切りました。今帰仁村からは48局でした。


運天港でのQRVを終了し船に乗りましょう。こちらの切符売り場で乗船券を購入します。

運天港という変わった名前は伊豆大島を追われた源為朝が船で脱出し運を天に任せたところこの地にたどり着いたという伝承が由来だそうです。為朝は伊豆大島に流されたものの大島で反乱を企てたとして朝廷からの追っ手に攻められて自害したとされています。当時の航海技術で黒潮の流れとは逆の沖縄にたどり着きますかね・・・

運天港は沖縄の瀬戸内海とも呼ばれる羽地内海に面しており、小さいながらも良港とされています。伊平屋・伊是名のフェリーは1990年頃に相次いで発着港を本部港から運天港に移転、移転当時のターミナルが老朽化したため建て替えられ割と新しいターミナルがあります。というか回りはこのターミナルくらいしかない場所です。本部よりも島に近いものの観光客には交通の便が悪すぎ、伊平屋・伊是名への観光客が伸びない原因だとも言われます。

ターミナルに売店がありますから弁当を買っておきました。出航時刻が繰り下げられたため伊平屋で食べる余裕がなくなり船内で弁当を食べることにしました。この売店、弁当や飲み物のほか今帰仁や伊平屋・伊是名の特産品も置いていて面白いです。

乗船しましょう。船は「フェリーいへやIII」です。2014年に大分の三浦造船所で建造された756tの船です。この船に乗ってみたかったというのも伊平屋に決めた理由の一つです(伊是名も新しい船を建造中で、来年伊是名なら両方の新船に乗れるのです)。

私は座敷で寝てる方がいいので座敷で場所を確保し横になっておきます。内装はこんな感じ。うわっ。

「フェリーとかしき」などと同じく高島屋の子会社高島屋スペースクリエイツが手がけており、離島便のフェリーとは思えないほど洗練されています。高島屋スペースクリエイツは高島屋をはじめ商業施設の内装を手がけている一方、船舶の内装でも前身の高島屋工作所時代から定評があります。船の場合は揺れに耐えられる設計が求められるなど商業施設とは違った難しさがあるのですが、その点でも評価が高いらしいです。

最近鉄道業界の一部でやたらもてはやされている水戸岡デザインの数段上です。格調と居住性が違いすぎます。グリーン車やクルーズ列車を高島屋スペースクリエイツに任せる鉄道会社が出てこないかなぁと期待しています。


11時30分に出航。和室でお弁当を食べるのは申し訳ないくらいきれいなのでデッキでお昼にします。

運天港の売店で買ったご飯の上に鶏の唐揚げを乗せてオーロラソースをかけたお弁当で、ちゃんと野菜も敷き詰められており意外とバランスはいいです。

海上は3mの波ですがそんなに揺れません。フィンスタビライザ(魚の胸びれのような小さなフィンを海中に出して横揺れを減らす装置)がよく効いているようです。


12時50分に伊平屋の前泊港に到着。伊平屋島は南北方向に細長い島で、平坦な島の東側に集落が広がり島の真ん中付近に前泊港があります。目の前に「虎頭岩」が見えます。虎の頭に見えることからこの名がついている伊平屋のシンボルです。

直前に変更となった宿ですが、港から近い我喜屋集落にある「松金ホテル」です。ひとまず宿に着替えなどの荷物を預かってもらい野甫島に出かけます。

野甫島へは1日数本ながら村営バスがあります。前泊港から東海岸に沿って南下し新野甫大橋を渡って野甫島で折り返します。運賃はどこまで乗っても100円。利用しない手はないですね。前泊港13時7分発だそうです。

村営バスといってもマイクロバスで私しか乗りませんでした。バスはのんびり新野甫大橋を渡ります。「新」が付いている通り架け替えられた橋で、初代は海面からの高さがなく台風などで冠水してダメになったそうです。


新野甫大橋を渡ってすぐのハンタ毛前で下車しました。

丘の上の展望台でQRVします。これなら雨をよけられ地上高を確保してQRVできますよね。

まだ小雨なので展望台の上から21MHzのダイポールを地上に向け斜めに張ります。展望台の下にリグを置き13時45分にスタートです。7~2エリアあたりが開いており30分で20局のペースで呼ばれます。爆発的ではないものの開いている状態です。

雨が上がり少し晴れ間が出てきました。呼ばれなくなったタイミングで伸縮ポールを取り出しアンテナを張り替えます。これなら50MHzが開いても対応できます。

野甫の集落は小さくほぼ見えている範囲です。漁港の向こうは無人島の具志川島、右手奥の島が伊是名島です。

アンテナを伸縮ポールに張り替えると飛びが良くなるのか10~15分で20局のペースに上がりました。次第に8や6エリアも59で呼んでくるようになりました。


やっぱり気になるのは50MHz。QSOしながら片手間でアンテナを組み立てており、徐々に組み上がってきました。21MHzが15時30分で呼ばれなくなったので少しQRXして18と50のアンテナに変更しました。

50はまだオープンしておらず18で再スタート。こっちも10分で20局のペースです。雨も上がりハイペースとくれば有り難いです。


ん?50MHzで7エリアの局が聞こえてきます。あ、開いているんだとわかりtwitterでお知らせし16時10分に50にQSYしました。3エリアも開いていたようで、いつもお世話になっている3の方とQSOできました。

結局50MHzは僅かに開いただけでした。ワンチャンスでQSOできた方はラッキーだったかも知れませんね。


帰りのバスは17時台にあります。そろそろ撤収を意識しながら進めます。16時45分で終了。今帰仁で少し容量を使っていたバッテリは何とか持ってくれました。

野甫売店前からバスに乗り宿に戻ります。松金ホテルの前で下ろしてくれました。親切な運転手さんでよかったです。

松金ホテルは我喜屋地区の県道沿いにあります。お隣が松金商店なので比較的便利です。部屋は古いながら洋室です。

商店で缶コーヒーと島の泡盛を購入。我喜屋地区の外れにある伊平屋酒造が島唯一の蔵元で、ここの「芭蕉布」という古酒を買いました。普通酒の「照島」ならば探せば那覇でも何とか買えますが、芭蕉布は生産量が少なく島でないとなかなか買えません。

今夜泊まる客は私だけで夕食は用意できないそうで、徒歩3分の居酒屋「ふる里」で夕食としました。

定食が用意できるそうで島の泡盛「照島」も一緒に楽しみました。照島の仕込み水は山のわき水を使っておりおいしかったです。普通酒でこれだけおいしいので古酒は楽しみです。

また雨が降り出してきました。宿に帰ってもやることはなくバッテリを充電し寝ることにしました。


本日は今帰仁・野甫あわせて18MHzで99局、21MHzで112局、50MHzで7局の計218局でした。ありがとうございました。
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