巴里の中心で、ワンとさけぶ

笑いながら一気に読んでください! 愛犬・ラブラドールとのドタバタ巴里暮らし

気弱なボディガード犬

2006年06月06日 17時34分20秒 | Weblog
 お友だち犬の三匹目は、“エンジェル” です。名前はかわいらしい“天使ちゃん”ですが、ご覧通り、かなりの強面。犬種はボルドー・ブルドック。そう、あのワインで有名なフランス・ボルドー地方出身の大型ブルドックです。体重は40~50キロもあって、のっしのっしと歩く姿は、毛色からしても、まるでライオンみたい。
 ウチのジュエルが三ヶ月の子犬のときに、ドッグランではじめて会ったときは、正直ビビリました。が、飼い主のマダム・アニックが「大丈夫、大丈夫、ウチの子はやさしいから……」ってニコやかに言ってきました。でも、エンジェルが大きな口を開けて、その中にチビラブの頭をすっぽり入ったときには「キャー!」っと思わず叫んでしまいました。でも、よーく観察してたら、歯を立てないように、子犬をペロペロなめて遊んでてくれたんです。
 その最初の出会い以来、エンジェルはジュエルのことを守るべき妹と思ったようで、いつもボディガードのようにそばに付いていてくれるようになりました。が、しかし、ボルドー・ブルドックはブルドックの中でも性格がとても穏やかなので、気性の激しい犬がジュエルに近づいてくると「ウ~! ウォン!」と、一応、唸っては吠えるんですが腰が引けてしまうんですね、これが……。
 ところで、フランスではウチのような雌犬を飼った場合、九割の人が子犬の時に避妊手術を受けさせます。日本とは比べられないくらいにいっぱいワンちゃんがいる国ですから、発情期の雌犬なんか連れてたら、後ろは雄犬たちの大行進になってしまいますもん。だからジュエルも六ヶ月のときに卵巣摘出手術を受けました。なので、ボディガードのエンジェルとも、ず~っとプラトニックな関係が続いています。
 さて、八歳のエンジェル、去年の夏から心臓があんまりよくありません。ごくたま~に、避妊手術してない雌犬がドッグランに入ってくると、エンジェルも雄の本能としてコーフンしてしまいます。でも、それがいちばん心臓に悪いことを獣医さんから言われてますから、マダム・アニックは大慌て。エンジェルの巨体を押さえ込みながら叫びます。「エンジェル! あなたにはジュエルがいるでしょ! プラトニック・ラブの彼女がいちばんいいのよ!」と。で、そのそばで、気ままなジュエルは、我関せずって感じでボール遊びに熱中しちゃってるんですけどね。