with my Cobby

趣味の写真・カメラを中心にした雑記、愛犬Cobbyとの散歩撮を中心にオールドレンズ記事もプラスしてアップしています。

GAZOOムラ体験記【料亭稲穂にて】    あきたTABIYORI企画

2013年07月11日 | 14. 角館・田沢湖

​今回の秋田旅行にてお世話になったGAZOOムラ“あきたTABIYORI”さん、

2つのプランを体験させていただきました。

「ブロガー後藤さんとまち歩き」そして今回紹介する「味噌たんぽづくり体験」です。

角館最終日6/15日(土)午前11:30からということで料亭稲穂さんへおじゃましました。

両プランともこちらの後藤さんのプランでしたが、これは偶然でした。

旅行近くになって角館のことをいろいろ調べていいたら、「角館紀行」の後藤さん=「料亭稲穂のご主人」後藤さんということがわかりました。

こういう運命みたいな(ご縁というか)出会いというのが実際あるのですね・・・。

時刻になったので稲穂へお伺いしたら、店先に後藤さんがいらっしゃいました。

DSCN1083_料亭稲穂.jpg 

少し暗いですが、奥に後藤さんの後ろ姿が見えます。

土曜日の書き入れ時でもあるのですが、私達以外に1グループのお客様がいらっしゃいましたが

店先には「本日はご予約のお客様に限らせていただきます」の看板が出ておりました。

先日の角館案内のお礼などを含めご挨拶をすると、さっそくお部屋に案内されました、

するといきなりエプロンを選ぶことから始まります。

地味目の「緑」を選んだ私に女将さんが「こういう時は普段着られない派手なものを着ましょう!」といって

選んでもらったのがこちら・・・、

DSCN1084_エプロン付けて.jpg 

“はずかしい~!”って言ったら、女将さん「それでいいんです」ときっぱり(笑)。

さあ、「味噌たんぽづくり体験」の始まりです、調理場へ移動して手をしっかり洗ってからスタートです、

まずはすり鉢にスリコギが出てきて、あきたこまち2合が入れられます。

出来立てのご飯を食べさせていただきましたが、これが旨い!私好みの炊き加減でもある。

見本を見せてもらってから二人で交互にご飯をすりつぶします、

DSCN1090_体験.jpg 

ご飯粒が半分潰して半分残す「半殺し」という状態を目指します。

DSCN1093_体験.jpg 

最近はすり鉢なども家庭は置いてない所も多いですよね、うちもそうなのですが・・・、

これ後半になるとスリコギに米がまとわりついてけっこう重くなるんです。

右上にお顔がすこし見えている素敵な秋田美人が「料亭稲穂」の女将さんです。

女将さんのOKが出ると、「棒っこ」の出番です、秋田杉でできた少し太めのお箸ぐらいの長さでしょうか、

手に水をつけながら棒に巻きつけていきます、こんな感じで出来上がり。

DSCN1102_体験.jpg 

私のはちょっとまのびしたアイスクリームみたいになっておりますが、妻のは「さすが」というところ。

女将さんが見本を作るのですが、全然それには及びません・・・(笑)。

出来たものを両面焦げ目ができるくらいに焼きます、ちょっと時間がかかるのでその間「だまこ」を作ります。

だまこはちょうど月見だんごくらいの大きさに手で丸めて作り、やはり後で焼きを入れます。

DSCN1113_体験.jpg 

出来上がってきた先ほどのきりたんぽへ今度は稲穂特製の「たまご味噌」を片面に塗ります。

これがまたコツが要るんですよね、パンにバターを塗るようにはいきません(笑)。

DSCN1119_体験.jpg 

自分ではけっこう器用な方だと思うのですが、やはりこうした料理になると妻にはとてもかないません。

なんとか形になったかなという感じです・・・トホホ。

あとはさきほどのだまこと一緒にもう一度味噌が少し焦げ目がつくくらいに焼いて完成です。

この間、ご主人の後藤さんはずっと私のカメラで上のような写真をずっと撮っていただきました。

申し訳ないというか、とても恐縮しちゃいます、

ほかにスタッフのかたもけっこういらっしゃるのですが、私達二人のために女将さんとご主人が

それはもうつきっきりという状態でしたから・・・、でもほんとにとても楽しかったですよ!

さあお座敷に戻って、いよいよ作品をいただきます、それもこんなに素敵なお部屋でです!!

DSCN1129_部屋からの庭.jpg 

年配の方にもゆったりしてもらえるようにと、畳にテーブルが置かれたお部屋です。

庭の素敵な景色を眺めながらいただけます、とてもリラックスできるそして品のあるお部屋でした。

出来てきましたよ、私達の作品がど~ンと中央に置かれて。

DSCN1125_手作り味噌たんぽ膳.jpg 

おしながきには後藤さんが撮ったばかりの写真と私たちの名前がきっちり入っております、

そして手前の敷紙には稲穂のキャッチフレーズとともにあの後藤さんお気に入りの「ポスト」の写真が!

素敵な演出ですね、女将さんからテーブルの食材の説明を聞いてからさっそくいただきました。

ミズやワラビ、そして秋田名物「じゅんさい」にいぶりがっこなど、

山菜が採れはじめる時期でどれもとても美味しかったですねえ。

続いてはやはり棒っ子に作った人の名前のついた味噌たんぽをいただく、

美味しいです!田沢湖でいただいた「元祖みそたんぽ」も美味しかったが、

自分で作ったものはいっそう美味しいですね、そして味噌がとてもいい味を出しております。

たまごが入っているとおっしゃっていましたが、たしかにマイルドな美味しさです。

続いては「八杯(はちへい)豆腐」、

DSCN1126_八杯(はちへい)豆腐.jpg 

トロッとした口当たりと、何でしょうかこの美味しい出汁は。

名前の由来が美味しくて八杯食べられるところからというが、美味しくてスルスル喉を通って行きます。

DSCN1128_ばっけ(フキノトウ)天ぷら.jpg 

美味しい天ぷらも出て来ました、これバッケ(フキノトウ)だけ乗ってますが、

この他に珍しいきりたんぽやいぶりがっこの天ぷらなどもあり、大変美味しくいただきました。

私は女将さんの作った味噌たんぽもいただきましたのでけっこうお腹が膨れてきましたね(笑)、

そこに一緒に作っただまこを入れた「だまこ汁」が出てまいりました。

DSCN1131_だまこ.jpg 

この器がまた一際素敵でした、樺細工です。

普段使いにしてこそ伝統工芸も生きてくるという感じでしょうか、醤油ベースの出汁で

味噌たんぽとまた違った美味しい食べ方で楽しめました。

もうお腹いっぱいです(笑)。

料亭稲穂の素敵なお部屋で至れり尽くせりで、季節の旬をいただきながら素敵な昼食となりました。

ほぼ1時間半「楽しく、美味しく」とても素敵な「あきたTABIYORIさん企画」のプランでした。

帰りにおみやげに「棒っこ」「特製味噌」そして樺細工「八柳」さんとのコラボ「リップ・ミラー」など

いろいろ買い求めて来ました。

後藤さんとの写真がなかったので、最後に記念写真を撮っていただきました。

DSCN1134_稲穂ご主人と.jpg 

稲穂の玄関あがったところです、後藤さんといい女将さんといいお心遣い、お気遣いをたくさんいただき

とても楽しい時間を過ごすことができました、ありがとうございました。

皆さんも角館へ行く機会がありましたら、ぜひ体験してみて下さい。

 


角館の魅力⑥【西宮家の粋】

2013年07月09日 | 14. 角館・田沢湖

​6/15(土)午前中にゆっくりと安藤家を拝見してから、

料亭稲穂さんへ11:30より「味噌たんぽづくり体験」をお願いしておりました。

ちょっと時間があったので新潮社記念文学館のある図書館へ寄ってみた、

年配の方がロビーに何組かいらっしゃいましたが妻曰く・・・

「何をしゃべっているのか全然わからない」だそうです(笑)。

若い方はほとんど標準語でしたが、やはり年配の方は秋田弁が強いですね。

図書館前に建てられた佐藤義亮胸像。

角館出身で新潮社を創立した人物だ、

DSC_5986_佐藤義亮胸像.jpg 

図書館と並んで新潮社記念文学館がある、その通りに面した壁面には立派なオブジェがある、

DSC_5989_新潮社記念文学館雪国.jpg 

戦後に発刊された新潮文庫第1号が「雪国」だったことにちなんで造られたそうだ、

また図書館の壁面には様々な作家の書いた色紙がオブジェとして並んでいた。

DSC_5990_新潮社記念文学館壁面.jpg 

実はこのあと料亭稲穂さん(ここからすぐ)へ行き、味噌たんぽづくり体験と昼食を済ませてきている。

(その様子はまた次に「あきたTABIYORIさん企画」として詳細を書いてみます)

午後は稲穂さんからまたこちらへ戻り、お向かいの「西宮家」へおじゃましました。

ご覧のように情報センター入り口から撮った写真だが、すぐ目と鼻の先だ。

DSC_5992_西宮家.jpg 

安藤家といいこの西宮家といい、私はこの外町の雰囲気は大変気に入りました。

こちらの区域は武家屋敷通り(内町)のように国指定の区域ではないので、昔ながらの雰囲気が

無くなりつつあるという、確かにここから少し南に下るだけで大きな病院がけっこうあったりと今時の生活感があふれる。

※生活圏で思い出したことが・・・

先日の「角館紀行」に“武家屋敷はまるでタイムスリップをしたみたいでとても素晴らしい体験ができるが、屋敷を出るとガッカリだ、道路の舗装や白線は何とかならないか”というようなコメントがあった。

それに対し後藤さんは、申し訳ないとは思いますが、ここも「生活圏」なのです、小・中学生も通ればお年寄りも通る道なので・・・、と理解を求めていらした。

まさに「生活圏であること」そこが角館を活き活きとさせているんですよね!と思いました。

先のコメントされた方などにに早朝の5時過ぎに武家屋敷を散策してみて欲しいと思います、ご近所さんが一所懸命ゴミひとつ残らず清掃され、まさにボランティアです。だからこそ実際に生活されていない屋敷周りでさえきれいに維持でき、気持よく散策できるんだと思います。

多分先のコメントの主旨は「せっかく綺麗な写真に舗装道路が写って似合わない、もしくは写真に白線まで写ってしまって興ざめになってしまうということがほとんどではないのでしょうか・・、

すべてを含め角館を楽しんで欲しいと思いますが、残念です。

でもこの生活感がいいんじゃないでしょうか、普通の民家がそれでも景観には気を使い生垣や茶色い塀を立て、

その間に昔ながらの黒塀のお屋敷が残っていたり、シダレザクラやモミジ・楓など木々の数も負けていない。

前に紹介したように見過ごしてしまいそうな路地に素敵な蔵もたくさんある、とてもいいと思います。

この西宮家もまたいいのです、アプローチも素敵です。

DSC_5996_西宮家アプローチ.jpg 

こちらは前日朝に後藤さんと一緒にスタートした際も写真を撮った片開きの蔵の窓、

上の写真左側にある蔵です。

ちょっと前まで小雨が降っておりましたのでしっとり濡れて落ち着いた雰囲気がまた前日とは違う雰囲気です。

DSC_5999_西宮家片開きの窓の蔵.jpg 

母屋に入るとまたいい景色です、やはり座敷からの庭の眺めというのは日本人の原点かもですね。

DSC_6003_西宮家座敷.jpg 

ガラスの嵌められた障子越しの庭もまた情緒がありますよね、雪のある冬は想像出来ませんが・・・。

これに高い天井からの囲炉裏へ鍋を下げる筒があれば、まさに私の田舎での祖母との情景が浮かんできます。

こちらの母屋では春以降は座敷にてお茶もできるとうかがっておりました、

この日はまだどなたも居らっしゃらなかったですね。

DSC_6005_西宮家和室(休憩室).jpg 

ガラスに映る庭の景色もまたオツなものです・・・、右の方には秋田蕗も見えます。

文庫蔵や米蔵とたくさんの蔵がありますが、そうしたなかでいろいろなものが拝見出来ます。

DSC_6011_西宮文庫蔵.jpg 

こちらは上の文庫蔵でお目にかかった土人形。

DSC_6016_西宮家土人形.jpg 

確か何処かで見たことが、と思いましたが「角館紀行」で目にしていたんです。

こちらの押絵も年代物みたいですね。

けっこう細かい造作がとてもきれいに作られており、活き活きとしておりました。

DSC_6019_西宮家押絵.jpg 

その見学の後、米蔵の隣にある北蔵レストランのテラスにてCoffee Breakさせていただきました。

テラスといってもサンルームのような感じです。

こちらはテラス席から見た北蔵レストラン、いい雰囲気でしたね。

蔵をこうしたレストランやカフェにするのをいろんな場所で見て来ましたが、あまりハズレはないですよね。

DSC_6024_北蔵レストラン.jpg 

こちらは窓際に設置された「水出しコーヒー」を作る背の高い器具。

この時も「ポトッ・ポトッ」と点滴のようにゆっくり珈琲が抽出されていました。

DSC_6023_水出しコーヒー器具.jpg 

もちろん私たち夫婦もこの珈琲(ダッチコーヒー)をいただきました、

DSC_6026_ダッチコーヒー.jpg 

雑味のない、スッキリした苦味は後味もよく、大変美味しくいただきました。

器も一つ一つ違うものを、私はこの青いカップ&ソーサーで妻はピンクの花がらのものでした。

店の方がお客を見て選んでいるのでしょうか、するとこれが「私」のイメージ?

どうでしょうかね(笑)、でも面白い趣向ですね。

コーヒータイムのあとは米蔵でおみやげなど物色していると妻が何かに捕まってしまいました、

これは仙北TICさんのガイドブック「ぶらから」にも載っていたのですが、創作履物「角館草履」です。

DSC_6022_西宮家健康草履.jpg 

スリッパ代わりに室内で履く草履です、「沙佳屋(さけいや)草履工房」さんの品です、

また職人さんが実演しており、この方がお話がうまくとても気さくな方なんです(笑)。

妻も気に入り履いてみたらとても「履き心地が良い」と言いながら私を見てくるのです、

もうしょうがないですよね、記念日でもあるのでプレゼントさせていただきました(・・・内心:トホホ)。

家でも台所で大活躍しております、妻も快適のようで良かった、良かった。

こちらは道路からではなく北蔵側からみた米蔵の素敵な窓。

DSC_6021_西宮家米蔵窓.jpg 

白一色で造られた蔵窓、蝶番と外・内の引き手だけが黒、施された漆喰の匠の技が見て取れる

とても素敵なものでしたねえ、こんな狭い路地に面しているのがもったいないと思いました。

これで二日間の角館内町・外町巡りは最後となりました、

このあともスイーツ巡りは続いているのですが、次のコーナーでまとめてご紹介したいと思います。

この素敵な外町散策を終えて「安藤家」「西宮家」の感慨深い見学ができたことと、

内町の同じような施設となっている「青柳家」、中身が違うというか、感じが違うんですよね。

お屋敷、母屋、様々な蔵を使って「資料館」「おみやげ」「レストラン」と商いもしているのですが、

500円取って入る「青柳家」がどうしてもしっくりこない、歴史的背景の違い?

安藤家や西宮家のように「家」の歴史・引き継がれる感性などが伝わってこないんです、

わからないですが、蔵や屋敷を使っての資料展示や商売の<センス>が全然違うということだけは

わかった気がするのです、難しいですね。

 


角館の魅力⑤【安藤家の広い心】

2013年07月09日 | 14. 角館・田沢湖

​角館散策二日目、またもや日の出とともに目が覚める。

カーテンを開けて外を見ると民家の屋根が濡れているではなか、

DSC_5891_ホテルにて(夜明け).jpg 

今日は雨か?と普通はがっかりだが、そこは深緑の角館・・・

緑のいきいきとした写真が撮れそうではないかと小雨模様に感謝。

前の日の5時からとこの日の6時から1時間弱それぞれ早朝の散策へ出かけた、

その時の模様はまた次の時にまとめて紹介したい、早朝の角館は最高である・・・。

この日は朝7:30に朝食をとり、夕方の新幹線で帰る日でもあるので荷物をまとめ

フロントにて家におみやげと一緒に宅急便に任せた。

ゆっくりとチェックアウトし、小雨模様の中「今日は外町とスイーツ食べ歩きだね」と妻に伝える。

ホテルからの道順でほんとはたてつ家、八柳さんなどを周る予定だったが、

昨晩夕食に出かけたおり、たまたま両店舗がまだ開いており、お店の方とお話方々

おみやげも仕入れてしまっていたので、ここはパスした。

まず向かったのはぐっと町を南下して南の武家屋敷通りという感じの佇まいを見ながら

こちらの安藤家(安藤醸造本店)を訪ねた。

実際この日の安藤家~西宮家はとても見応えがあり、楽しい訪問となりました。

DSC_5955_安藤家と水飲み場.jpg 

天気は「小雨曇り」、もしかしたら角館はこのくらいが観光日和かもしれない、

どの方角からもしっとりとした木々、建物がきれいに撮れる。

東北で一番古い煉瓦蔵の手前に見える水飲み場(右下)だが、

これは年がら年中出ているものではないそうだ、

雪のシーズンには仕舞い、、春になるとこうしてセットされるのだそうだ。

DSC_5956_安藤家向い八重紅枝垂桜とサツキ.jpg 

こちらのお向かい(太田家)も八重紅枝垂桜の青々した葉がここまで垂れ下がっております、

とても絵になる景色です、というかこの外町の黒塀通り?もとても情緒があって良いです。

北に位置する武家町(内町)と比べると肩のこらないお屋敷町とでもいうか、

こちらこそが小京都というリラックスできる空気があふれています。

やはり商人が多かったというせいでしょうか、私は好きですねえ。

ついでに八重紅枝垂桜ごしに安藤家を撮る、桜の季節は絵になりそうです(笑)。

DSC_5958_八重紅枝垂桜越しの安藤家.jpg 

ここに来て雨が若干降り出しました、傘をさしている方もいましたが私の方はしてやったり(笑)。

ただし中に入る頃には蒸し暑くなりました・・・トホホ。

入るとすぐ目に飛び込んでくるみごとな蔵の扉、

DSC_5961_安藤家蔵前.jpg 

扉前には商売ですから当たり前のようにたくさんの味噌、醤油などが並んでいます。

この重厚感はすごかったですね、中央に見えるのは滝の写真。

季節ごとイベント事にそれに見合う写真や画を飾られるそうですが、見応えのある場所です。

前日に武家屋敷の「花上庵」で出汁や醤油を買ったのですが、

美味しそうで思わずおみやげに「おかず味噌」を買いました(笑)。

店の女性の勧めもあり、さっそく見学できる蔵座敷を拝見しました、これがまたすごいんです。

DSC_5970_安藤家蔵座敷扉.jpg 

赤い毛氈敷の廊下を伝ってこの立派な扉を入ると・・・、

この景観が目に飛び込んできます、

DSC_5973_安藤家蔵座敷.jpg 

好きですねえ、こういう座敷。

すべての襖(ふすま)に”繊細にして且つ大胆”という感じの素晴らしい絵が描かれております。

正面から右にかけては「曲水の宴」という中国の歌会を表わしたものだそうです、

西宮禮和という平福穂庵に師事した角館の日本画家の作だという、みごとですよ。

中央の梁にも横長の素晴らしい絵が掛けられています、奥の床の間まで進むと一対の掛け軸がある。

DSC_5976_安藤家蔵座敷1対の掛け軸.jpg 

一対だと思います、詳細に見てもひとつの景色を左右に分けてかいたわけでなく、

似たような橋があり、かといって樹木はバラバラ、建物も似て非なるもの。

まさに違う対象を構図を左右対称して描かれた掛け軸とお見受けするが、いかがなものか。

何れにしても見方によってはだまし絵のようで面白いのです。

そして面白いというか気になるものを発見しました、何でしょうか・・・、

DSC_5977_安藤家鴨居の蝶.jpg 

これは中央の梁のほぼセンターに付けられていたのですが、部屋の壁面襖の上にも

規則的に付けられていました、とても綺麗な作りです。

蝶をデザインしたものでしょうか、係の方にお聞きしたのですが、詳細はわからず・・・。

ただ傷めば修理・取替はしても、昔から付いているものだそうです。

これを書きながら「角館紀行」で調べました(笑)、

「蝶の鋲」で昔は羽が動くように作られていたそうです、それが心無い観光客に持ち去られ

新たに作ると羽が動かない現在のものになったそうです(残念な話ですね)、

いわばこれも昔の匠の技の一話になりますね。

それにしてもそんな被害が出ながらもいまだにこうして蔵座敷を「何のガードもなく」公開している

安藤家の広い心を称えるべきかもですね。

その座敷を出る間際、上に何かあると見上げると・・・、弓がたくさんかけてありました。

DSC_5978_安藤家蔵天井の弓.jpg 

これもすべて年代モノなのでしょうねえ、ガラス越しではなく見られるところがまさに安藤家!

蔵座敷見学を済ませると、「どうぞどうぞ」と休憩室へ案内されました、

人もいないせいかとても落ち着いた雰囲気で、お洒落なレストランという風情。

DSC_5980_安藤家ロビー.jpg 

さすが贅を尽くし、匠の技の安藤家という印象ですね。

こちらの壁面の現代作家さん(もしかして角館の?)の作品が展示されていました。

DSC_5981_安藤家ロビー壁.jpg 

このセンスは「味噌・醤油」の感覚ではないですよね、芸術・技術への敬意・追求というものが

安藤家の血の中に延々と引き継がれているのでしょうか・・・。

来て良かったなとつくづく思いましたねえ。

いくつかおみやげを追加して帰り支度をしていると目に入ってきた懐かしい素敵な情景、

DSC_5964_安藤家座敷.jpg 

広々とした座敷、そして奥に見える庭の大きな形の良い植木。

こちらでももうしばらく休憩させていただきたくなりますね、味噌汁ではなく日本茶で(笑)。

玄関に一番近い座敷からの景色がまた素晴らしい!

DSC_5982_安藤家座敷からの眺め.jpg 

石黒家でもそうだったが、雪深い地方ならではの縁側が家の中にある構造、

そして2面からゆったり広々と楽しめる庭の景色、素敵ですねえ。

春を迎え「桜」をここから眺める楽しみが伝わってきます。

実に楽しい見学でした、ここ安藤家は絶対のオススメですね。

DSC_5984_安藤家煉瓦蔵.jpg 

こうして安藤家を拝見させていただくと、このレンガ一つ一つにまで安藤家のそして匠たちの

心意気を感じてしまうのは私だけでしょうか・・・。 

こちらにいらしたら、商品も素晴らしいですが安藤家のすべてを賞味し尽くしてみたいですね。

 


角館の魅力④【伝承館~One-Mint】

2013年07月06日 | 14. 角館・田沢湖

​角館散策初日は非常に天気が良く、いや良すぎるくらい、

湿度が低いとはいえやはり東北に来た実感がわかないくらいだ(笑)。

松本家を出てから伝承館へ向かったのだが、時刻はちょうど昼の12時

暑い!

伝承館への道すがら、大輪の花を咲かせているクレマチスを発見、

日陰でひっそりときれいな花を見せてくれていた。

DSC_5849_伝承歌への道クレマチス.jpg 

一番最初に入った平福記念美術館とこの樺細工伝承館は泊まったところが

「ぶらから」のサービス該当ホテルでで2館共通無料券をもらえました。

すでに初日の「乳頭温泉郷で日帰り入浴(500円)」無料を享受しているので

これ以降はホントの意味で“ぶらから”によるお得な恩恵が続くのです。

DSC_5850_伝承館の正門.jpg 

立派な造りの正門?から綺麗なアプローチを通って角館樺細工伝承館の建物へ入ります、

中は多少涼しかったかな。

この日はやはりそれほど人の数は多くなく、ゆっくりと見学できた、というよりちょっと寂しいくらい。

DSC_5851_伝承館入口.jpg 

実は中で樺細工の実演が見られるということで期待してきたのだが、この時は作業場に人はいなかった

時間もお昼だし、タイミングが悪かったですかね・・・残念でした。

ひと通り展示を拝見してきたが、樺細工でできた大きなの絵画(?)ですか・・・これがすごかった。

山桜の皮でここまで絵を描けるのかとびっくりです、もちろん額装も素晴らしいです。

これは一見の価値ありですね。

こちらから次の青柳家へ移動途中、朝きれいに撮れなかった「過去へのポスト」がクッキリと見えました。

DSC_5852_ポスト.jpg 

こちらのアングルは後藤さんの料亭で後日立派な「お品書き」となってご対面します・・・、

ご覧のように人通りは少し寂しいくらいです(笑)。

青柳家です、

DSC_5856_青柳家母屋.jpg 

屋根を見ると「曲り家」のようになってますね、下屋根?の設えも素敵です。

こちらでも蔵の中(武器蔵)で刀剣・鎧兜・古銭・古文書などいろいろ見られます、

DSC_5861_青柳家鎧刀.jpg 

このデザインは秀逸、私の好みですね。立ててある刀の鞘に施された柄も非常に豪華絢爛、巧みな作りです。

刀も随分とありました、

DSC_5864_青柳家刀剣.jpg 

どの刀もピカピカで、この維持管理は大変だろうなと要らぬ心配をしてしまうくらい(笑)。

もう何度目かの蔵見学ですが、いいですねえ、時代の空気が伝わってきますね。DSC_5867_青柳家武器庫の古銭.jpg

一つ一つ大事に箱にしまわれた古銭たち。

時を重ね、それぞれの時代の空気を吸っていい色になってます。

こちらは「神明水」・・・、

DSC_5869_青柳家神明水.jpg 

過去何百年と源太寺山から園内の池に流れこむ沢水だそうです、

とても綺麗な水でした。

近くで見つけたきれいな花・・・、

DSC_5870_青柳家庭の花.jpg 

ただこの青柳家、たくさんの展示場所(蔵など)があるのだが、写真展とか飲食・おみやげなどが

多く、いまひとつゆっくり拝見する武家屋敷とは随分とイメージが違っていた。

建物(母屋や蔵)などは非常に興味深いものばかりだったが、

せっかくの蔵の壁に大きな商売品(敷物など)を立てかけたり商業施設の匂いが強すぎる。

一番高額な見学料を取っている(500円)のに、非常に残念な感じが強かった、

後藤さんと外から眺めていたイメージがちょっと「興冷め」という感じか。

この日は後藤さんとの散策の後に武家屋敷エリアに限定してそれぞれを時間をかけて見て回ったが、

この雲を見て下さい、もう夏の空を見ているようです(岩橋家向かいの広場から伝承館を望む)。

DSC_5872_伝承館前の広場からの空.jpg 

このあと岩橋家~河原田・小田野家、そして素敵な「非公開」の庭を外から眺めたり・・・、

さすがにこちらは早朝の散策でも入園可能(無料)なので美味しいところは後藤さんと見学済み

というものが多い。(岩橋家向かいの広場から岩橋家の門を望む)

DSC_5873_広場の門から岩橋家.jpg 

角館スイーツの食べ歩きなどもこの日と次の日にかけて見学の合間に随分とさせていただきました、

どこかでまとめて紹介したいですね。

時々見かける「人力車」もさすがに暑そう・・・、

次に来たときはぜひゆっくり乗ってみたいものだ。

DSC_5875_人力車.jpg 

右奥を見るとわかりますが、皆さん日陰で休んでいます。

2時過ぎくらいにあまりの暑さにCoffee Breakをとりました、場所はカフェ「One-Mint」さん。

DSC_5879_One-Mint.jpg 

こちらは美味しいカレーも人気らしいのだが、下調べで気になったのがこのオーディオだった。

DSC_5880_One-Mint.jpg 

ALTEC,ortofon,そしてklipschというメーカーのスピーカーがズラリと並んでます、

着いたときは小さなortofonが鳴ってましたが、ALTECを指して「この素晴らしいもので聞けますか?」、

と聞くと奥さんがすぐに切り替えてくれ、音源もジャズボーカルのスタンダード“ヘレン・メリル”をかけてくれた。

1954年録音のアルバムだが、まさに「ニューヨークのため息」を納得させられてしまった、 

こんな手作りっぽいパワーアンプもありましたが・・・。

DSC_5883_One-Mint.jpg 

素晴らしいサウンドで気持よく聞いていたら妻がポツリと一言、「ここ来たのは、確信犯ね!」

はい、すいません私の趣味で選びました・・・(笑)。

DSC_5884_One-Mint.jpg 

それでもOne-Mintの奥さんと9月のお祭りの話で3人でしばらく盛り上がっておりました、

角館の人はどなたも気さくで、おしゃべりが好きですよねえ~とても楽し時間を過ごせました。

このOne-Mintさんを挟んでお土産選びでいろんな民芸品を目にしたり食べ歩きなども堪能し、

帰りの道すがら酒造店「五井家」を拝見し、宿へ向かった。

DSC_5886_五井家(五井酒造店).jpg 

ホテルへ戻ったのが5時少し前、朝8時からなのでほぼ9時間あまり歩きまわったことになる。

ホテルからの外の景色だが、このくらいおもいっきり夏の空である。

DSC_5888_ホテルからの空.jpg 

暑かったのでかなり体力を消耗しました、早めの夕食と「かくのだて温泉」へ向かった。

この日の夕食はかくのだて温泉となりの「土間人」、美味しいとのクチコミから選んでの来店。

人気のメニューを幾つかチョイスしていただいてきた、

量の多さにビックリの「シーザーサラダ・ハーフ」、思わずこれハーフですか?と聞いてしまった。

DSCN1074_サラダ.jpg 

まあ上にのっかってる稲庭うどん(揚げたもの)の歯ごたえも良く、美味しくてすごいボリューム。

そして妻がこれを食べたくてここに来た、安藤醸造元の味噌を使った「安藤さんちの味噌焼きピザ」。

DSCN1076_ピザ.jpg 

薄いクリスピー生地に味噌とチーズ、たくさんのネギ…軽い触感でいくらでも食べられそう。

美味しかったですねえ、ほんと味噌がいい味出してます。

そして美味しい「特製つくね」、

DSCN1077_つくね.jpg 

妻のリクエストで「出汁巻玉子」を頼んだのだが・・・、

DSCN1081_だし巻き卵.jpg 

こちらはちょっと甘さ加減が気に入らず「不合格」だったようだ(笑)。

最後は二人とも頼んだ「稲庭らうめん(醤油)」、これも美味しかったです。

DSCN1082_稲庭らうめん.jpg 

稲庭うどんの出汁に麺がラーメンという組み合わせの妙、味噌味もあり。

シーザーサラダのボリュームもあり、二人でこれだけ食べると相当腹一杯になります、

妻は後半白旗上げてました(笑)。

二人して満腹になっておとなりの「かくのだて温泉」へ向かったのだが6時過ぎではまだ外は明るい、

夏至(21日)の一週間前ですものね、まだまだ夕暮れには早い時間です。

暑いがゆえにまたこの「熱い温泉」が気持ちよかったです、出てからが違いますね。

DSCN1070_かくのだて温泉.jpg 

昨日と一緒でこちらの休憩所にて妻とコーヒー牛乳をいただく、

地元の方も随分と入っていらっしゃるようだが、この休憩所はいつもガランとしている。

夕食時だからみなさん家路を急ぐのでしょうかね・・・、浮世風呂とはいかないようです(笑)。

そして私はホテルに帰ると定位置のロビーでしばしくつろぎながら翌日の散策ルートを確認します、

DSCN1072_ホテルロビー.jpg 

妻と散策中に買ってきた“プチ・フレーズ”さんの「西明寺モンブラン(368円)」をいただいた、

たっぷりの栗の風味(大きさ日本一の西明寺栗)が口の中に広がりなんともいえない美味しさだった。

午後はcafé:One-Mint、予定外で寄った八柳さん、香月さんなどで地元の方とのおしゃべりが楽しく、

後藤さんのお話をすると皆さん口をそろえて「良い方といかれましたねえ」とおっしゃってました。

つくづく今回のプランニングでよかったと気持ち良く床に付けました。

 


角館の魅力③【松本家の門】

2013年07月03日 | 14. 角館・田沢湖

​角館散策初日の午後、そばきり長助で美味しい蕎麦をいただいたあと

「松本家」を訪ねた。

この松本家がとてもいい雰囲気で、「タイムスリップ」という言葉がぴったり。

DSC_5662_松本家.jpg 

この茅葺の屋根がとても素晴らしいです、おむすび型の下側の丸みはなんともいえない曲線です。

黒塀ではなく生垣で更に質素な中に「質実剛健」というような趣が感じられます。 

こちらが正面ですね、柴垣がとても情緒があります。

DSC_5834_松本家.jpg 

まだ吹替をしてそれぼど年月が経っていないのでしょうね、非常にきれいです。

松本家の特徴がこの下屋根、「皮葺屋根に川石」 というそうです。

DSC_5658_松本家皮葺屋根に川石.jpg 

棟飾りとあわせトレードマークですね、苔が見えますが後藤さんいわくこの苔が覆い尽くす時が

皮葺屋根の吹替え時なのだそうです。

門がまたさらに力強さを感じさせます、

DSC_5836_松本家イタヤ工芸.jpg 

少し太めの木がシンプルに2本立ててあるだけ!

「たそがれ清兵衛」の撮影に使われたそうですが、今にも刀を差した浪人が出てきそうですね。

しかし現在見えるのは写真のように若いお嬢さんが二人、イタヤ細工の実演をしておりました(^-^)。

それでもこの眺めは何十年か過去へタイムスリップした感じです。

また大きなモミジの木が横にあり、秋の紅葉時期にはとてもいい景色になるでしょうねえ。

松本家のこのアングルは秋のために「メモ」しておきます(笑)。

中で作業をされているところを見学させてもらいました、もちろん買い物もできます。

DSC_5841_松本家イタヤ細工(三色盛かご).jpg 

この幾何学模様が今風の「三色盛カゴ」きれいでしたよ(5,040円也:税込)。

左にはおなじみの「イタヤ馬」がありますね、とても可愛いですね。

イタヤ細工の「オエダラ蓑製作技術」が国の重要無形民俗文化財に指定されているそうです。

「オエダラ蓑」とは、昔の農作業で使われた米を選定する時のザルで、

前方に出し口があり三方が高く編みこんだものだそうです。

DSC_5842_松本家イタヤ細工実演.jpg 

若いお二人のそばにある沢山の細いもの(イヤヤカエデの若木の幹を裂いたもの)を器用に編み込んで

この時はお弁当箱のような箱を作っておりました。

こういう若い方へ伝統の技が引き継がれていくというのはとても素晴らしいことですね。

気さくにイタヤ細工についてレクチャーしていただきました、編む手を休めずにです、すごい!

さすがにいいなあと思うものもあるのですが、ちょっと手が出なかったです(笑)。

質実剛健、質素な中に力強さを感じさてくれる松本家、イタヤ細工含め良かったですねえ。

と、妻と一緒に門を出ると左に先ほど青柳家で見た「ハコネウツギ」がここにも咲いてました、

DSC_5835_松本家横ハコネウツギ.jpg 

またまた暑い日差しの中をこの時は「樺細工伝承館」へ歩き出しました。

次の思い出のシーンへ続く・・・、