くっしーとかのんの環境レポート2014

市民のための環境公開講座レポート -日本環境教育フォーラム インターン生2人が環境について考えます-

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CSOラーニング制度2015の募集が開始されました

2015-03-27 15:34:28 | 市民講座

串田くん&森さんのインターンコンビが無事に修了式を迎え、CSOラーニング制度2014が終了しました。
こちらのブログや「市民のための環境公開講座」でふたりを応援してくださった皆さん、ありがとうございました。 
これからも彼らの活躍にご期待ください。


※(公財)損保ジャパン日本興亜環境財団より

 

さて、2015年度のCSOラーニング制度が募集を開始されたそうです!
JEEFでも毎年2名、受入を行い、「市民のための環境公開講座」を中心に、多岐にわたる環境教育の活動にスタッフ側で参加してもらっています。
ぜひ、お知り合いの学生さんに紹介してあげてくださいませ。

▼詳細はこちら
CSOラーニング制度2015 

 

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市民のための環境公開講座2014を振り返って (森)

2015-01-14 17:22:10 | 市民講座

遅くなってしまいましたが、明けましておめでとうございます!インターン生の森です。

昨年11月にて、市民講座全てが終了いたしました。受講された方、このブログを通して講座の内容を知っていただいた方、ありがとうございました。
同じインターン生の串田くんが素敵な振り返りをした後で恐縮ですが、ここで、市民講座を通じて得られた私なりの気づきについて書きたいと思います。


初回の記事でも書いたのですが、私は現在、大学で異文化コミュニケーションと言語教育について学んでいます。
一見、「環境」とはかけ離れた分野であるために、この1年は、「どうしてJEEFでインターンをしているの?」「どうして環境に興味を持ったの?」などと聞かれることが多く、私自身もずっと、その関連性を模索していました。

そんな私のWhyに答えるヒントをくれたのが、この市民講座です。

 

まず、10月25日(土)に行われた、野外講座「食べる自然体験」で感じた、「体験することの大切さ」

ワークショップの最後に、皆で円になって感想を共有したときのこと。

参加者の皆さんの、「普段の生活の中で切り離されてしまっている、採ることと食べることの両方を体験し、改めて自然の恵みをいただいているという実感と、ありがたみを認識できた」「図鑑で見て知っていたことが、今回の体験を通じて本物の知識に変わった」といった様々な気づきや想いを聞きながら、
受身の学びではなく、自分の目で見て、身体で感じて、考えて、それを周りと共有するというプロセスが、「教育・学習」の根本である、一人ひとりが新しい価値を創造することにつながっていると実感しました。

そして、その学びや体験を自分の中だけに留めるのではなく、周りに伝え、広げていくことこそが、新たな価値観に出会うことだと感じました。

これは、異文化コミュニケーションにおいても同じです。
机上の学びにはやはり限界があって、沢山の資料を読み、そのケースについて十分に理解したと思っていても、本当の意味での「異文化」の理解は、実際自らフィールドに出て、自分の持っている言語・文化・習慣・考え方とは異なるものに出会った時に初めて起ります。

広い視点で見れば、我々人間にとって「環境」というのは「異文化」。しかし、「環境」と人は、様々な場面で互いに関わり合っており、その関係を切り離して考えることはできないのです。

その点で、実際に体験するということは、両者の理解のための非常に大きな助けとなるものだと思いました。 

 

次に、「本当の豊かさとはなにか」ということ。

11月25日(火)のパート3第3回阿部治先生による「持続可能な社会を目指す人づくり」の講座の中で出てきた地域の事例があります。

高齢化や、地方交付税の大幅削減などの問題を抱えた島根県海士町
そこで、町の自立をかけて大幅な財政改革と産業振興、定住対策を実施したところ、人口約2400人のうち、島外からのIターン者は1割に及び、その多くが20代から40代の働き盛りだそうです。

このように、島の人たちは、「ないものはない」と現状を受け止めたうえで、島民とIターン者が上手く協力して、自らの力で地域再生をしました。

"Want”ではなく"Need”への意識転換、お金にならずとも身の回りにも眠っている素敵な資源。
地元信州では知らず知らずにやっていたこと、思っていたことが、東京に来てから「普通」ではなくなってしまっていたことに気付かされ、はっとしました。
そして、「多くを求めないけれど幸せ」な暮らし方をしたいと強く思いました。

 

最後に、市民講座のレポートを書く中で、考えていることを実際に言葉にしてみることがいかに難しく、でも、いかに重要なことなのかを痛感しました。

大学で通訳の勉強をしている中でも、常に言語化することの大変さ、面白さを感じていますが、この「環境問題」に関しては、特に知識不足のため、その作業に苦労しました。
しかし、この機会がなければ、これほど深く広く環境について学び考えることもできなかったと思います。今はこの「学びの機会」を得られたことに非常に感謝しています。

 

このように、今まで自分の大学での専攻との繋がりはないと思っていた「環境」が、実は多くの点でベースとなり、関連付けることができると感じました。
また、いつの間にか忘れてしまっていた価値観を思い起こさせてくれ、これからどこで何をするにしても、自分の軸は曲げずにいたいと思うようになりました。

私があらゆることにおいて意識しているのは、「点と点を繋げること」
以下は、私が大切にしている、スティーブ・ジョブズの言葉です。(2005年のスタンフォード大学の卒業式)

"You can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.”

今年、私はまた「新たなフィールド」に挑戦しようと思っています。新しいとは言っても、ここでの経験を通じて実感したように、全ての物事はどこかで関わり、繋がっているはずです。
自分の直感を信じて、繋がるかも知れない点を集めていき、あるとき振り返った時には、それらの点が繋がって、私自身を作る線になればいいなと思います。

 

この講座は、私のような「環境問題に興味はあるけれど、何をしたらいいか分からない」という方でも、気軽に参加することができます。
講座では、講師の方々が様々な情報提供や問題提起をしてくださりますが、環境問題は「地球市民」である皆さんひとりひとりが考えるべき問題

この講座がきっかけとなり、刺激となり、より多くの方が自分の周りに意識や行動の輪を広げていってくだされば嬉しいです。 

拙い文章ではありましたが、精一杯レポートさせていただきました。
半年間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。

来年度また、市民講座で皆様にお会いできることを願って♪

2014年度 JEEFインターン生 森 花音

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市民のための環境公開講座2014を振り返って~串田Ver~

2015-01-06 14:18:18 | 市民講座


こんにちは!JEEFインターン生の串田です。

新年あけましておめでとうございます。
JEEFインターン生としてはこの1月で最後になりますが、どうぞよろしくお願い致します。 
 

さて、11月25日(火)に市民のための環境公開講座2014の全パートが終わりました。
今回は一年を通じて私が感じたこと、学んだことを書いていこうと思います。
 

環境問題は本当に大きな問題だな、と再度感じました。
というのも、地球規模であり、環境という分野は幅が広いと今回の講座を通して痛感させられました。

地球温暖化、森林伐採やインフラ整備による景観破壊、生物種の減少…現代では様々な問題が騒がれています。
果たして、これらの問題は誰か1人の力で解決することができる問題なのでしょうか。答えはNOです。

1人の力では解決できない問題。つまり他の人を巻き込んだり共通認識を持ってもらったり、ということが必要になってくると感じています。
 

そんな中、今回の講座で印象に残っているエピソードが2つあります。
 

◆広がる想い、今あるものに魅力を

1つ目は10月11日(土)に開催された特別講座「シゴト・ワークショップ」の中で小沼大地さんがお話ししてくださった留職プログラムでのエピソードです。
(※留職とは国内企業の人材を新興国へと派遣し、本業のスキルを活かして現地の課題解決に挑むことを指します。)

ベトナムに留職されたPanasonicの方は太陽光を活用した調理器具の生産等を目的に活動されましたが、初めは上手くいかず、日本にいるPanasonicの若手社員で構成された留職リモートチームとSkepeを繋いで会議をしていたそうです。

どのようにしたら低コストで調理器具の生産ができるかと会議を進めていたある日、解決策の案出しに行き詰まっていたところ、「若者だけには任せておけない。」と4名のベテラン社員が会議に加わりました。
ベトナムで留職されている方の熱い想いが日本まで伝播した、というエピソードでした。


若者だけに任せておけない。俺たちにも手伝わせてくれ!
自分のやる活動に熱い想いを抱いていれば、その熱は他の人へと伝わっていきます。

環境活動も“地球環境を改善したい!”と強く思えばその熱は広がっていくと思います。

人をも動かす熱い想い。情熱を持って取り組むことが大切だと感じました。

 

2つ目はパート2第3回の“美しき日本を求めて”というテーマでアレックス・カーさんがお話ししてくださった講座です。その中でも「明珠在掌」という言葉が強く印象に残っています。

とある人が、世界一光っている宝物を探し求め歩くが、最終的には最初から自分の手のなかにあったことに気づく、というものです。

日本には素晴らしい風景や歴史的建造物が数多くあります。しかし無意味に道路を作ったり古い街を壊したりして、その素晴らしい景観を壊してきました。
すでにある自然や歴史的建造物という素晴らしい景観がある、ということの再認識、そしてその景観をどう活かしていくか、ということが今後の日本に必要なことなのではないかと感じました。

 

☆熱い想いを持って活動することでその想いは広がっていくということ

☆掌にあるものの大切さ、重要性を再認識すること

この2点が私の印象に残ったエピソードです。

 

◆市民講座スタッフを通して今後活かしたいこと

インターン生である私は、聞いた講座の内容をブログに書き発信する、という業務を行いました。ご都合により市民講座に参加することができなかったり、講座の内容を学生目線からもう一度振り返りたい、そう思ってこのブログを見てくださっている方に、いかにして講座の内容を上手く伝えられるかということを意識してきました。(稚拙な文章でしたが、私は意識したつもりです…。)

そこで学んだことは

・講座の中でどの部分が重要か

・講師が一番伝えたい内容はなにか

をきちんと拾うことです。

講師が繰り返す単語は何か、強調して話すのはどの部分か、結論部分でどのような終わり方をするか。そんなところに着目すると、講座のポイントを押さえることができると学びました。

残り約1年間の大学の授業では講義内のポイントはどこか、社会人になったら社内セミナーや会議において重要な点はどこか、そんな場面で活かしていきたいです。

 

◆ブログを見てくださっている方へのメッセージ

このブログが始まって約半年が経ちました。
先日、大学で所属しているISO学生委員会の後輩に「先輩のブログ見てますよ!」と言われました。
多くの方にこのブログを見ていただいて大変嬉しく思います。

終わりに私からのメッセージとして3つ伝えさせていただきます。
 

1つ目は市民講座を、皆様がより環境に興味をもってもらう「きっかけ」にして欲しいと言うことです。

“環境”というのは多角的な視点があります。今回の市民講座でもパート1は気候変動、パート2は生活、パート3は社会づくりというように、様々な視点から環境問題を捉えてきました。「この内容はおもしろかったからもっと調べてみよう!」この講座を聞いて、皆様の環境に対する興味の範囲がより広がればなと思います。

 

2つ目は「今の自分にできることは何かを考える」ということです。

JEEFインターン生である私の役割は市民のための環境公開講座のブログを書いて皆様に発信をすることで、講座に参加できなかった方にも内容をお届けし、環境問題に関する行動のきっかけ作りになればという役割を果たしてきました。

“環境問題は、自分問題。”

市民講座のキャッチフレーズのように身近なところに環境問題は転がっています。環境問題はいきなり改善されるということはなく、小さな活動を積み上げてこそ改善の方向へと繋がると思います。だからこそ、身近なところで自分にできることは何かを考える、ということが重要になってくるのかなと思っています。

 

最後になりましたが「来年度のご参加お待ちしております!」
これが一番伝えたいメッセージです。市民のための環境公開講座が始まってから22年が経ちました。それだけ市民の皆様に愛されてきたからこそ、これだけ続く講座になったのだと思います。

来年度も講座を開催する予定です。ぜひとも参加していただき、様々な知識を得ていただければなと思います。
 

長くなりましたが、このブログを読んでいただき、誠にありがとうございました。
 

(文責:串田)

 

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パート3第3回「持続可能な社会を目指す人づくり」レポート

2014-12-17 17:30:37 | 市民講座

こんにちは、森です!
ついに、市民講座のレポートも最後となってしまいました。

11月25日(火)、今年度最終回にあたる、パート3第3回が開かれました。講師は、立教大学ESD研究所所長・持続可能な開発のための教育10年推進会議(ESD-J)代表理事を務めていらっしゃる阿部治先生「持続可能な社会を目指す人づくり」のタイトルでお話を伺いました。

本年は、持続可能な社会の担い手を育てる活動として、国際的に取り組まれてきた国連持続可能な開発のための教育(ESD)の10年の最終年。日本政府とNGOが2002年のヨハネスブルグサミットで提案した国連ESDの10年の成果と課題について、国内外の動きをもとに検証し、ポストESDの10年を展望するとともに、持続可能な社会の実現に果たすコミュニケーションや教育の可能性についてお話しいただきました。

※そもそも「ESD」って何?

ESDEducation for Sustainable Developmentの略で、日本語では「持続可能な開発のための教育」と訳されます。
これは、現代社会の抱える課題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組むことにより、それらの課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出すこと、そしてそれによって持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動です。
関連する様々な分野を“持続可能な社会の構築”の観点からつなげ、総合的に取り組み「持続可能な社会づくりの担い手」を育む教育、それがESDです。

2002年の国連総会において、日本の提案により、2005年から2014年までの10年間を「国連持続可能な発展のための教育(ESD)の10年」とすることが決議され、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)がその推進機関に指名されました。日本では、日本ユネスコ国内委員会や関係省庁が協力し、ESDの推進のため取り組んできました。

参照:日本ユネスコ国内委員会(文部科学省ホームページ)


~講座のおさらい~

Sustainable Development(持続可能な開発)とは

現代社会は、環境・開発、資源・エネルギー、人口・食料、貧困、人権・ジェンダー、平和、民主主義といった国際的課題、そして、原発事故・エネルギー問題、震災復興・再生、少子高齢化・過疎化、経済格差の拡大、低い食料自給率、高い自殺率、孤立化・無縁社会、里山の崩壊などの国内的課題に直面しています。
こうした諸問題に対して今、我々に求められていることは、問題をトータルに見ていく視点であり、持続可能な社会への転換なのです。そして、これが後の章で取り上げるESDの概念と重なります。

Sustainable Development(持続可能な開発)とは、将来の世代のニーズを満たしつつ、現在の世代のニーズをも満たせるような開発のこと。これは、無限にある“WANTS(欲しい物)”から、有限である “NEEDS(必要なもの)”へ意識を転換することで、3つの公正(自然・他者・未来の人々との関係)の課題に気づいたり、想像したりできるようになるということです。しかし日本では、D=Development(開発・発展・発達)の意味が、誤って捉えられがちです。

持続可能な開発においては、社会(生活・文化)の持続性と経済の持続性のベースとなるのが、環境の生態学的持続性なのです。

 

フォアキャスティング方式とバックキャスティング方式

国連ミレニアム開発目標(MDGs)では、2015年までに達成すべき8つの課題を挙げています。目標7「環境の保全」に関して、2014年現在のプログレス・チャートでは、目標達成が不可能とされる地域が多く見られました。また、国連SDGsの目標4には、教育と生涯学習「持続可能なライフスタイルやESDを通じて、SDの推進に必要な知識と技能の習得を推進する」とあります。しかし、残念ながら日本にはSDのビジョンがありません。

そこで用いられたのが、スウェーデンのバックキャスティングという考え方。
それまで未来の社会の想像図を描くのに用いられてきた考え方は、現在の社会や状態よりも望ましい方向にもちあげるために、目標を特に設定せず、差し当たりの到達点を決め、将来を予測するというフォアキャスティング(Forecasting)

それに対して、 持続可能な社会・共生社会という目標を想定したうえで現在を振り返り、望ましい方向に向かってステップごとにPDCAサイクルをまわし、着実にステップをのぼるのがバックキャスティング(Backcasting)
これは、1997年にスウェーデンの環境保護省が“Sustainable Sweden 2021(2021年の持続可能性目標)”というレポートをまとめる際に使用したことで知られるようになり、日本でも長期ビジョン策定に活用されました。

 

狭義の環境教育からESD(持続可能な開発のための教育)へ

持続可能な社会のために必要となる、技術開発・法制度の整備・意識改革。この意識改革の面で、環境教育をはじめとするESDが重要だと言います。

環境教育の目的は、持続可能な社会の実現に主体的に参画する人材の育成、つまり、人と自然、人と人、人と社会の「つながり、関係性」の再構築であり、持続可能な社会構築に向けた2つの「そうぞうりょく」(想像力と創造力)を育むことを目標としています。

日本の環境教育は、時代とともに、自然環境の保全といった狭義のものから、諸問題における人と人の関係といった広義のもの(ESD)へ移り変わってきました。個別の課題教育から、多様な主題を総合的に捉え、互いに学び合うESDへ。
先生は「誰もが参加・関与できる社会、そしてその関与する力を持っていること」「答えのない社会を学ぶこと」がESDだと仰っていました。

ESDの“E”は、“CEPA”(広報/教育/普及・啓発)といった幅広い内容を含んでいます。
そして、「教育」は学校だけで行われるものではなく、家庭・企業・行政・地域といった多様な機会や場があります。先生は、ESDは持続可能性のためのあらゆる主体や活動、場などを時間・空間を超えてつなぐ装置だと言います。

最後に、日本がESDを推進する意義についてもお話し下さいました。日本は、持続可能な開発(SD)の生みの親であり、ESDの提案国。この立場から、最大級の国際貢献としての日本のイニシアティブへの期待は大きいのです。そして、ESDこそが、「課題先進国」と言われる日本が進むべき持続可能な社会の構築のカギでもあります。何より、こうした地域再生・復興につながるESDは、日本発の世界モデルとなり、日本の国際的プレゼンスを高めることもできるのです。

ESDの更なる推進により、日本、そして世界における持続可能な社会の実現をリードする人材の育成が進んでいけばよいと強く思います。

*詳細のレポートはこちらからご覧になれます。

 

~感想~

持続可能な社会に向けた地域の取り組み

講座の中で出てきた地域の事例があります。高齢化や、地方交付税の大幅削減などの問題を抱えた島根県海士町。そこで、町の自立をかけて大幅な財政改革と産業振興、定住対策を実施したところ、人口約2400人のうち、島外からのIターン者は1割に及び、その多くが20代から40代の働き盛り。

島の人たちは、「ないものはない」と現状を受け止めたうえで、地域再生のために島民とIターン者が上手く協力して、自らの力で「持続可能性」を生み出そうとしていました。地域の人同士が繋がりを大切にし、多くを求めず、自分たちの思う幸せのもとに生活するという暮らし方は、私には「真の豊かさ」として映りました。

また、水俣市アサザプロジェクト(茨城県霞ヶ浦周辺)岡山市のESDも、学びをベースにして、地域の環境・社会・文化・経済の統合が行われているそうです。
持続可能な地域づくりとしてのESDの役割は、地域の多様な資源の再確認・再評価をし、地域の誇り・愛着・自治力といった自己肯定感を育むことで、地域のレジリエンス(回復力)を強化すること。

先生は、これを多様な資源の「見える化・つなぐ化」と仰っていましたが、どの地域にも、独自の地域的課題や特色があり、単独では不可能でもトータルで取り組むことで実現できる物事が多くあると思います。しかし、これを実現するには、多くの市民が地域コミュニティに参加し、興味を持ち、考え、行動しようとしなければ難しいとも思います。
多様なステイクホルダーを巻き込むためにやはり不可欠なのがESDであり、国連のESDの10年以降も、継続して行われていくべきだと強く感じました。

 

グローカルの視点

先生が言及されていた「グローカル」、つまり、ローカルからグローバルまで一貫した視点・取組の必要性。地域をベースに、地域のレジリエンス(回復力)を高めるESDや、里山・地域再生などを通して、日本の課題の弱みを強みに転換すること、ここには地球環境問題や国際協力といったグローバルな視点と行動も不可欠なのです。
先生は、ローカル×グローバル=グローカルな視点で活躍できる人材は、「日本発の生きる力」を備えた人材だとも仰っていました。

グローカルな物の考え方は、“Think Globally, Act Locally.”(地球規模で考え、身近に行動する)の前提として不可欠な認識だと思います。地球環境問題に国境はなく、地球全体でその原因と影響を捉える必要がありますが、解決には自分の生活の場を通して、地道な活動を続けることが大切です。逆に、自分たちの身の回りに起きている物事のなかにも、地球環境問題が潜んでいることを意識しなければなりません。

私自身は今年、CSOラーニング生として様々なことを学ばせていただきましたが、これをきっかけで終わらせず、今後も、グローカルな視点を持って、考え、行動していきたいと思いました。

(文責:森)

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パート3第2回『「自然と向き合う心」を育む経験 ~自然学校の体験から登山家へ~』レポート

2014-12-12 15:54:56 | 市民講座

 こんにちは、森です!
12月も中旬、寒さが厳しくなってきましたね。「東京も早く雪が降らないかな?」と密かに願っている今日この頃です。

11月18日(火)に「市民のための環境公開講座」のパート3第2回が開かれました。
講師にヒマラヤ8000m峰14座完全登頂を果たされた、プロ登山家の竹内洋岳氏をお招きし『「自然と向き合う心」を育む経験 ~自然学校の体験から登山家へ~』のタイトルでお話を伺いました。


「私が登山家としてここに立った時点で今日の講演は終わったようなものです」という竹内さんの言葉で始まった講座。
これは、まさに絶滅したと思われていた存在が再発見された「クニマス」と同じように、年々減少し、いなくなってしまったと思われていた日本の登山家も、ここにまだ存在していることを示すことができたという意味でした。


※世界には、標高8,000mを超える頂きが14あります。

エベレスト(8,848m)、K2(8,611M)、カンチェンジュンガ(8,586m)、ローツェ(8,516m)、マカルー(8,485m)、チョー・オユー(8,201m)、ダウラギリ(8,167m)、マナスル(8,163m)、ナンガパルパット(8,126m)、アンナプルナ(8,091m)、ガッシャブルムⅠ峰(8,080m)、ブロードピーク(8,051m)、ガッシャブルムⅡ峰(8,034m)、シシャパンマ(8,027m) これらを称して「14座」と言います。


~講座のおさらい~

幼少時代~初めてのヒマラヤ

幼い頃は、幼稚園・学校にほとんど行けないほどの虚弱体質で、走る・泳ぐ・ボールを扱う学校の体育の授業が嫌いだったそうです。そんな竹内さんにとって、登山を知るきっかけとなったのが、千代田区の「こども自然体験教室」。小学校3年生から高校まで参加し、大学生からはカウンセラー(学生スタッフ)として関わったようです。
そして、部活を奨励している高校で仕方なく入った山岳部で、顧問の先生が繰り返し話してくれた岩登り・雪山の面白さを体験すべく、大学でも山岳部へ。

初めてのヒマラヤでは、登頂できなかったものの、悔しさを感じるよりも、ヒマラヤの立ち姿、その環境を目の当たりにし、「また来そうだな、また来よう」と思ったと言います。


ヒマラヤ登山の魅力

1つの会社のような大登山隊で、先輩から学べる面白さを感じながら、誘われる登山隊に参加することでヒマラヤに登ってきた竹内さん。しかし2000年になってからは誘いがなくなってしまったそう。そこで初めて、「自分はヒマラヤの登り方は知っているが、行き方は知らない」ということに気づいたと言います。
そんなとき運よく、英語のできる日本人の友達から国際公募隊参加の誘いが来て、語学面の不安を感じることなく参加を決めた竹内さん。しかし、出発の1週間前に誘ってくれた友達が、病気になり行けないというトラブルが発生。覚悟を決めて、単独参加をしました。


仲間との出会い

ドイツ人登山家のラルフ・ドゥイモビッツ氏が募っていた国際公募隊には、様々な国からの参加者がいました。そこで竹内さんは、共通の目標があれば英語が通じなくても大丈夫ということ、山の中にいることを楽しむ登山隊の中で、仲間の優しさを感じたと言います。
しかし、登山の途中、嵐により3日間足止めされ、隊内で今後について議論したとき。竹内さんは、今まで自分が経験してきた日本の登山隊のやり方のように、チームを2つに分けたらどうかと提案すると、他の隊員から非難されてしまいます。
ここで、自分が新しい山に登るときに思っていた「新しい山登りの始まり」は、本当は「新しい山登りの仕方の始まり」だったということに気づかされたそうです。それは、スタートからゴールまでいくつ旗を立てられるかということと同じであり、この気づきにより、その後体勢を立て直し、皆で無事登頂することができたそうです。

その登山をきっかけとして、毎年、ラルフ氏とオーストリアの女性登山家とチームを組んで登山するように。1つの登山が終わると「次はどこへ登ろうか」という話から、あるときラルフ氏の「私たちは次に登る山を見つけるために今の山に登っているのでは?」という言葉に、それならば今度は次だけではなく、もう少し先の目標を持とうという話になったそうです。
それぞれドイツ人初、女性初、日本人初となる14座登頂を、最後まで1人も死なずに達成しようと決意したそうです。


プロとは

これを3人の約束ではなく「宣言」とするため、記者会見を開き、「プロ登山家」としてやっていくことを表明しました。そこで、改めて自分の肩書きを考えてみると、「登山家」のように、「○○家」に共通するのは、資格が要らず、誰にでもなれ、すぐに辞められることだと感じ、途中でやめない「覚悟」を示すために、「プロ登山家」としたそうです。

こうして、多国籍の登山家とともに登山をしていた竹内さんは、これまで日本の登山家が10座を目前に命を落としてきたことから囁かれてきた「10座の壁」というものも、あまり意識していなかったそうです。しかし、10座目となるガッシャブルムⅡ峰に10人の登山家とともに登り、雪崩に巻き込まれ、肋骨を折る重傷を負ってしまいます。


新しい登山の始まりと今後の展望

竹内さんは、多くの人に助けられたこの登山で、「新しい命」をもらったと言っています。『本来、登山とは、自分の足で登って降りてこなければ生きていないはず。だから、1年後同じ山を目指したのは、「下り直しに行った」のであり、「登り直しに行った」わけではない分を助けてくれた人たちへのお礼は、14座を登ることでしか返せない。』こうした思いを胸に、10座の壁を破り、14座登頂を果たされました。

14座を登り切った後、「次にどこに登るのか」と聞かれるたびに、「次の山に行きます」と答えているそうです。「14座」というのは、竹内さんがこれからどこまで山登りを続けられるかを試していると考えているそうです。
最後に、「これからも私の登山を見続け、見届けてほしい」という竹内さんのメッセージで、講座は幕を閉じました。 

*詳細のレポートはこちらからご覧になれます。

~感想~
8,000
mの世界

講座中、『「8,000m」という私には想像のつかないような高さの山に人間が登る、そしてその方が目の前にいる』ということに終始感動していました。これは、飛行機が飛ぶ高さ(2,900フィート)とちょうど同じくらいで、この高さでは地上の3分の1の酸素、つまり10%しかないため、「普通の人であれば5分で意識を失い、10分で死亡する」環境であり、アネハヅル・インドガン・イエティしか立ち入ることができない環境。
ならば、なぜ竹内さんは登山することができているのか。
医学的には、生命維持のため、末端の血液が身体の中央部に集まる「ブラッドシフト」が関係していると言われるものの、なぜこの能力が存在するのかは未だに解明されていないそうです。

これに関して竹内さんは、『私たちの祖先は、今より薄い空気の中で生きていたため、私たちの身体の中に、そうした環境で生きるための能力が潜んでいる。登山とは、祖先の順応の過程を再現し、潜在能力を呼び起こす作業である』と。

お話を伺うまでは、「なぜ苦しい思いまでして、苛酷な環境に何度も挑むのか」と思っていました。しかし、竹内さんにとってヒマラヤは、「自分がいかに、どこまで進化できるか試す場」であり、この気持ちが、どんなことがあっても常に前向きでいられる原動力になっているのだと感じました。
私も竹内さんのように、一見不可能と思える物事でも諦めず、自分なりの挑戦をしていこう、そうしたフィールドに早く出会いたい、と強く感じました。


持続可能な社会とは

パート3のテーマである『「持続可能な社会」は実現するか』。これについて竹内さんが、「持続可能な社会」とは、この社会を「続けられるのか」ではなく、「続けるつもりがあるのか」が大切なのだ、と仰っており、個人的に非常に印象に残りました。
竹内さんが、「14座登頂」という目標に対して、自分自身「プロ」として「続ける」という覚悟を持って挑戦し続け、毎回の登山の連鎖の結果として「14座登頂」を捉えている点に、その言葉の意味が見えた気がします。

この点について、私がこの夏にドイツで学んだこととも繋がる点がありました。
渡独前は、『「環境先進国」と言われるドイツに行けば、日本の環境問題を解決するための何か明確な、スゴイ方策があるのでは?』と思っていましたが、そのドイツでも、日常の小さなことを1つ1つ積み重ねていくことで、「サステナビリティ」が可能となっていることを実感しました。

誰かがやってくれるだろうではなく、社会を構成している市民一人ひとりが当事者意識を持って行動しなければ、「持続可能な社会」を実現することはできない。そして、竹内さんの「プロ」として挑んだ14座登頂のように、「覚悟」を持って起こした行動の責任は、個人だけではなく、集団にまで及ぶということ。
考え方、行動のとり方など、多くの面で非常に学びの多い講座でした。

(文責:森)

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