日々雑感

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立場が違うと意見が異なる あなたはどっち?

2019-10-23 20:34:42 | 政治
 19号の台風被害をめぐって、堤防やダムの効果や必要性について様々意見が飛び交っている。しかし、正反対の意見が対立しているように思える。それを、理性的にどう考えるのか?単に合理性や科学性だけでなく、背景や裏に社会の反映があることを見ないといけないと思う。以下の文章は、私が初歩の哲学をみんなと学ぶときに参考にする文章です。大変示唆に富んでいると思います。 出典・「知のエッセンス」(牧野広義著)

「・・・現代社会では対立した主張も少なくありません。たとえば、労働者の雇用には期限を付けた方が、労働力が流動化し、労働者が自由に働けるという主張があります。それに対して、雇用に期限が付けられると、期限がくるたびにいつ失業するかもしれず、雇用が不安定になる。期限の定めのない雇用を原則とすべきだという主張があります。皆さんはどちらの主張に賛成でしょうか。
 前者は、日本の経営者がよく言うことです。経営者の立場では、労働者を雇いたいときに雇い、解雇したいときに解雇できた方が、人件費の節約になるでしょう。それに対して、労働者の立場では、雇用が安定しないと生活が成り立たず、将来の人生設計もできないでしょう。このように、雇用のあり方をめぐっても、経営者の立場と労働者の立場では、違った考え方になることがあります。
 また、現在の日本ではいまだに「過労死・過労自殺」がなくなりません。他方では、働いても貧しい「ワーキング・プア」が多数にのぼっています。これらの問題について、経営者は、それは労働者の「自己責任」だと言います。「過労死・過労自殺」も、それを労働災害として認めることに反対します。それに対して、労働者は「過労死・過労自殺」するほど働かせるのは「経営者の責任」だと言います。また「ワーキング・プア」はけっして労働者の「自己責任」ではなく、低賃金と不安定雇用を押しつけている「企業の社会的責任」だと言います。ここでも、考え方の違いが現れます。・・・」