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見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

西南見仏旅行:2日目/大宰府

2004-07-17 02:24:23 | 行ったもの(美術館・見仏)
○九州歴史資料館→大宰府(宝物館)→観世音寺→戒壇院→玄の墓→都府楼跡→国分寺瓦窯跡→筑前国分寺→国分尼寺跡

 



■九州歴史資料館

 西鉄大宰府駅で自転車を借り、住宅地のはずれにある九州歴史資料館に向かう。9:30開館のところ、9:00過ぎに到着してしまったので、しばらく外で待っていたら、親切な館員の方が、少し早めに開けてくれた。

 この資料館は、福岡県の施設らしいが、なぜか無料で開放されている。古代の瓦、土器、鏡、埴輪、近隣の寺から預かったらしい仏像など、なかなかの名品揃いで、見応えがあるのだが、訪れる人はあまり多くない。ちょっと残念である。

 すぐ隣には、平成17年度開館予定の九州国立博物館(仮称)がもう姿を現しているはずだが、丘陵地の陰になるのか、見えなかった。

■大宰府天満宮

 それから、大宰府天満宮に参詣。小さな文化財(橋のたもとの志賀社など)をチェックし、宝物館を流す。昼時になってしまったので、参道の茶店に入り、梅が枝餅と抹茶のセットを賞味。

■観世音寺

 初めて観世音寺を訪れたのは冬だったと思う。体育館のようにだだっぴろい宝物殿に、暖房がなかったことが、妙に記憶に残っていたが、案の定、夏も冷房は入っていなかった。

 ここは、なんといっても、巨大な馬頭観世音と不空羂索観音の印象が強烈である。渋い表情をした痩身長躯の大黒天も忘れがたい。ほかの仏像が立派すぎるもので、隅に押しやられている感のある四天王も実はなかなかいい。怒りの表現に品があって、周防国分寺の四天王にも通じる。持っている武器が刀剣でなく、仏教の法具なのが典雅である。

 さらに、毘沙門天の単立像がものすごくいい。足元の小さな地天女と二匹の邪鬼が、ポーズも表情も演劇的で、いろいろな想像を掻き立てられる。主役の毘沙門天は、よく見ると不自然な体のひねりかたをしているのだが、不思議と誇張が目立たない。

 そのあと、人家の軒先にある玄の墓に立ち寄り、都府楼跡を遠目に眺めるなどして、サイクリングを続ける。路はだらだら坂である。自転車を漕いでいると向かい風が気持ちいいが、日差しが肌を刺すように痛い。

■筑前国分寺、国分尼寺跡

 筑前国分寺は大宰府から少し離れたところにある。私は大宰府は再訪になるが、同行者から、今回のサイクリングコースの提案を聞いたとき、自分は国分寺には行っていないと思い込んでいた。

 ところが、国分寺址が近づいて周囲の風景を見たとき、突如、「私はここに来たことがある!」ということを思い出した。道路より一段高い草地にある礎石に這い登りながら、同じ場所に同じように苦労して登った記憶がよみがえった。

 前回は古代の国分寺址を見て通り過ぎただけだったが、実はその隣に、今も国分寺の名前を伝えるお寺が残っている。今回初めて、こちらにも参詣した。平安後期の大きな薬師如来を拝観させていただける。

 国文尼寺址のほうは、案内板に「礎石が1つだけ残っている」とあったので、どこにあるのだろうと田んぼを覗き込んでいたら、近くで農作業をしていたおじさんが「道路の向こうに移されているよ」と教えてくれた。ありがとうございます。

■福岡市美術館

http://www.fukuoka-art-museum.jp/

 それから、博多に戻り、福岡市美術館を訪ねた。ここも同行者の希望によるもので、私は「来たことがない」と思って着いて来たのだが、大濠公園の風景を見たとたん「来たことがある!」と叫んでしまった。出張で初めて博多に来たとき、仕事のあと、九州大学の方にこの美術館を案内してもらい、美術館のカフェでお茶をご馳走になったのである。

 そのとき短時間で案内していただいたのは、一般受けする近代絵画や工芸品の部屋が中心だったので、古美術好きの私は、やや後ろ髪をひかれる思いだったことを思い出す。今回はもちろん古美術を主に堪能した。東光院仏教美術室は充実しているが、狭い空間にちょっと詰め込みすぎの感もある。

 このあと、福岡市博物館(夏は夜7:30まで開館中)に未練を残しながら、博多を後にする。今夜の宿泊先は大阪だ。(07/24記)
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