見もの・読みもの日記

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秘仏のたのしみ/正明寺(滋賀県蒲生郡日野町)

2010-11-21 11:49:32 | 行ったもの(美術館・見仏)
正明寺(滋賀県蒲生郡日野町):本尊・千手観音菩薩立像御開帳(2010年10月17日~11月23日)

 秘仏ご本尊は「33年に1度のご開帳」だという。10月に行ってきた友人からは「とにかく不便」と聞いていたが、覚悟を決めて行くことにした。近江八幡駅の南口から1時間に1本のバスに乗る。「横町(よこまち)」というバス停で下りるという情報しか持っていなかったので、バス停の名前を聴き逃してはいけないと思い、40分以上、ずっと緊張しっぱなしだった。バスを下りると、幸い、停留所に観光ルート図が貼ってあったので、これをデジカメに撮って、参照しながら15分ほど歩く。やがて、近江(滋賀県)らしい里山にひっそりと抱かれた古刹、正明寺に到着した。

 紅葉に彩られた、感じのよい参道を進み、山門をくぐると、低い植え込みできっちりと区分けし、白い砂利を敷きつめた境内が広がる。禅寺らしい清浄な雰囲気。桧皮葺の本堂は御所の一部を移した桃山建築だというが、威丈高な感じがなくて、すっきりしている。本堂と棟続きの方丈には、近在の方々(?)が集まってなごやかに談笑されていた。

 本堂に上がり、拝観。みやこぶりの、均整のとれた千手観音だった。お寺の方らしいおばあちゃんが「御所から持ってきはった観音さんやで」とおっしゃっていたのも、なるほどとうなずけた。脇侍は毘沙門天と不動明王。塔を掲げる毘沙門天が、また鎌倉彫刻らしい顔をしている。33年ぶりの開扉ということで、おばあちゃんがお連れの方に説明して「23日を過ぎたら、もう何があっても開けまへん」と強く断言したあと、「教育委員会の人に言われたら別やけどな」と言ってるのが聞こえて、可笑しかった。

 三尊をおさめた厨子の左側には中国服の小さな坐像。伽藍神かなと思ったが、むしろ宇治の万福寺の華光菩薩像を写したものではないかと思う。同じ黄檗宗だし。”伽藍菩薩”という札が立っていた。右側には剣を倒して合掌するかたちの韋駄天像。韋駄天像の前に「水陸一切男女孤魂等」と記した位牌が置かれていた。調べたら、同じ滋賀県の黄檗宗寺院・永明寺のサイトがヒットして、施餓鬼法要に用いると書いてあったが、大陸の水陸会の影響を残していると思う。たぶん。

 本堂の右の禅堂では、鎌倉時代の大日如来像などの文化財を展示。左の庫裏の土間(室内に大きな魚板が下がっている)、斉堂、台所などは開けっぱなしで立ち入り自由。参拝客のために、湯茶と一緒に、山盛りの煎餅が用意されていて、なごむ。拝観受付で、ご朱印はもちろんいただいたが、気になったのは『近江の祈りと美』という立派なハードカバーの図書が数冊、積まれていたこと。本堂内にも1冊置いてあって、自由に閲覧できるようになっていたが、なかなかいい。サンライズ出版って、聞いたことのない出版社だし、東京に戻ると入手できないかもしれない…と思い、値段も聞かずに、買い求めることを決意。税込み9,450円だった。これも御縁。内容はまた詳しく。

 再び近江八幡に戻ったときは、もう4時過ぎ。1箇所くらい札所に寄れるかと思ったが、あきらめる。大好きな秋の近江路の風景は、バスの車窓からたっぷり楽しんだのでいいとするか。もう1泊遊んできたかったんだけど、仕事が片付いてないので、今回は帰京。

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