見もの・読みもの日記

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古文書いろいろ/金沢文庫

2006-06-20 22:56:38 | 行ったもの(美術館・見仏)
○神奈川県立金沢文庫 企画展『金沢文庫古文書への誘い』

http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm

 この金沢文庫では、仏像・絵画・工芸など、さまざまな文化財を扱っているが、こうした古文書の展示こそ、本来の面目をあらわすものだ。とは言え、無地の料紙に墨書ばかりで、しかも古筆のような美しさもないので、誰でも楽しめるとは言い難い。しかし、見慣れてくると、これはこれで、味わい深い世界である。

 金沢文庫の特徴は、残す意図のなかった文書が全体の8割以上を占めることだという。紙は貴重品だったから、オモテ面の案件を処理したあと、ウラ面は仏典の書写に再利用されることが多かった。中には「読んだら燃やしてくれ」と書いてあるのに、そのまま残ってしまったものもある。現代でもありそうな話だ。

 当時、「厚礼」の書状には5枚の料紙を用いた。(1)本紙、(2)裏紙には用件を書くが、(3)礼紙、(4)(5)立紙2枚は、差出人と受取人を記すだけだったから、たっぷり余白があった。そこで、高級料紙の場合は、ウラ面を使うだけでなく、うまく裁断して余白を活用したり、経典のブックカバーに用いたものもあった。

 なお、太寧寺の日光・月光菩薩立像が、おまけ(修理記念特別公開)で公開されている。小ぶり(身長45cmほど)だが、神経のゆきとどいた優品である。昨年、『祈りの美-奈良国立博物館の名宝-』で見た、大きな薬師如来と小さな十二神将たちを思い出す。いつか一緒に台上に並ぶことができるといいのだけど。

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