見もの・読みもの日記

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2019年夏@東京展覧会拾遺:円山応挙(藝大)、原三渓(横浜)ほか

2019-08-25 21:32:24 | 行ったもの(美術館・見仏)

※この「展覧会拾遺」のカテゴリーは5月以来、書いていなかった。とりあえず、「書いていない」ことを覚えている展覧会だけ記録しておく。最近行ったものから。

国立歴史民俗博物館 特集展示『もののけの夏―江戸文化の中の幽霊・妖怪―』(2019年7月30日~9月8日)

 中世絵巻物の模写本、玩具絵、歌舞伎、盛り場(見世物や寄席)、武者絵、世相風刺画など江戸文化の中の妖怪を紹介する。 会場入口のディスプレイで、歴博所蔵の狩野洞雲益信筆『百鬼夜行図』の全体画像を右から左へスクロール式で流しており、絵巻物鑑賞そのままのようで楽しい。真珠庵本と同じく最後に太陽らしきものが登場するのだが、その直前に、真珠庵本にはいない、ヘンな火の鳥のようなものが飛んでいる。妖怪絵といえば国芳か芳年と思ってたが、豊国もいいと見直した。化け猫の絵がよかった。一緒に見てきた総合展示「先史・古代」リニューアルの話題は別稿で。

東京藝大大学美術館 『円山応挙から近代京都画壇へ』(2019年8月3日~9月29日)

 あーまた円山応挙をやるのか、くらいに思っていたら、なかなか大変な展覧会だった。まず兵庫県香美町の応挙寺こと大乗寺の襖絵の主要なものが再現展示される。東京と京都で半分ずつだが、広くて天井も高い会場の中央に金地に墨画の応挙筆『松に孔雀図』8面が悠然と飾られたところは見栄えがしてとてもよかった。隣りに応挙っぽい孔雀の彩色画があったが、なんかヘンと思ったら芦雪の作品だった。この展覧会、応挙に連なる円山派・四条派の画家の作品がたくさん出ているだけでなく、近代の竹内栖鳳、山元春挙、上村松園までその水脈をたどる構成になっている。ああ、「奇想」もいいけど、やっぱり円山四条派は居心地がいいなあ、と感じてしまった。

根津美術館 企画展『優しいほとけ・怖いほとけ』(2019年7月25日~8月25日)

 飛鳥時代から江戸時代に至る仏教絵画・彫刻の優品約35件を展示し、ほとけの表情を「おごそか」「やさしい」「きびしい」「おそろしい」に分類してその意味を考える。銅造観音菩薩立像(飛鳥時代と奈良時代)、増長天立像(平安時代)、愛染明王坐像(江戸時代)など、立体もの(全て同館コレクション)が珍しく多かった。愛染明王は、左(向かって右)第三手の持ちものによって、何を目的とする祈祷に使われたかが分かるのだそうだ。拳にしておくと何でも使えるというのも合理的で面白かった。

横浜美術館 横浜美術館開館30周年記念、生誕150年・没後80年記念企画展『原三溪の美術 伝説の大コレクション』(2019年7月13日〜9月1日)

 横浜において生糸貿易や製糸業などで財をなし、三渓園に名前を残す実業家・原三溪(富太郎、1868-1939)の文化人としての業績を「コレクター」「茶人」「アーティスト」「パトロン」の四つの面から探りながら、三溪旧蔵の美術品や茶道具約150件を過去最大規模で展観する。始まって早々に見に行ったのだが、ちょっとガッカリした。展示室の環境がよくないのだ。せっかく国宝・重文級の書画が集まっているのに、展示ケースのガラスが反射して見えにくかったり、平台のケースに天井の照明が映っていたりする。横浜で開催することに意味があるのは分かるのだけど、別の会場を選んだほうがよかったのではないか。

日本民藝館 特別展『食の器』(2019年6月25日~9月1日)

 特別展といっても、特にいつもの展示との違いが分からなかったが、大展示室は柳宗悦が実際に使用していた器を中心に構成しているとのことだった。日常の使用品とコレクションの間に差がないのが面白い。特集のうち「朝鮮の膳」は、一時期、本気で欲しいと思っていたもの。でも最近は椅子とテーブル生活に慣れて探すことをやめてしまった。「諸国の土瓶」は個性豊かで面白かったが、そういえば土瓶も、家でも職場でも使わなくなってしまったなあ。


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