「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

ジャズ「Somethin’ Else」を聴く

2019年10月11日 | 音楽談義

先日搭載した「読者に占めるジャズファンの割合」で、このブログでは極めて珍しいジャズの話題を取り上げたところ、アクセスがぐ~んと好調でジャズファンの多さが実証できた。

さらに、別のジャズファン(仮に「K」さんとしておこう)からも新たなメールをいただいたのは大きな収穫だった。ありがたく、ご了解を得たので以下のとおり紹介させてもらおう。

今回メールさせてもらったのは、貴ブログのJAZZファンのメールに共感を持ったからです。

そこで、私の知り合いのクラシックファンの方に、JAZZのCDを貸してあげた時、輸入盤だった為、解説書代わりにメモを添付しました。

よろしければ、その文書を一読して下さい。これは、私のJAZZの聴き方、感じ方を書いたものです。一笑に付されても構いません。」

さっそく拝読させていただいたところ、一笑に付すどころか、大いに感心の至りでしたよ!

全部で4枚のアルバムについてお見事な解説をいただいたが、そのうち紙数の都合で1枚だけ紹介させていただこう。

まずはじめに、個人的に名録音を選択した条件を挙げておくと、

・予め別個に録音したトラックを後で合成するデジタル録音ではなく、一発同時のアナログ録音であること。1950年代の録音にとどめを刺す。

・測定器による信号音の評価ではないから、必要条件として繰り返しに耐えうる名演でなくてはならない。

● Somethin’ Else

    

実質的にはマイルスがリーダーの、キャノンボール名義の1958年のアルバム。

麻薬禍で不遇時代のマイルスに、レコーディングの機会を与えてくれたのがブルーノートのアルフレッド・ライオンだった。マイルスの体調を診ながら年1回のペースで録音することにしていたのが、麻薬を断ち切って回復し大手のCBSと契約を交わしたのだ。

その後、配下のキャノンボール名義のアルバムにすることで、ライオンの恩義に応えてブルーノートに録音したと言われている。

白眉はシャンソンの「枯葉」で、ジャズマンに採りあげられる端緒となった。

ここでのマイルスは、鼓舞する他のメンバーの人選も良く、饒舌をそぎ落とした散文詩のようなミニマムのアドリブを展開し、知性を感じさせる不朽の演奏となった。

厳かな導入部のトランペットの短い高音のアクセントからして、マイルスのオリジナルな楽曲に聴こえてくる。この「枯葉」があまりに素晴らしいので、何回もこればかり聴いてしまい他の曲の印象が薄くなるのが欠点。

録音は、ルディ・ヴァン・ゲルダー。本来は検眼師なのだが、アマチュア録音が高じてブルーノート以外にもマイナーレーベルの録音を手がけた。

特徴は、いかにも黒人のエネルギッシュなガッツを感じさせる、東のニューヨークを代表するサウンドである。

マイクのセッティングは楽器に近づけるオン・マイクで、かつ各楽器を1本づつのマルチ・モノ・マイクで飽和レベルすれすれの音で収録。全体の空気感より、個別楽器のダイナミズムが優先されている。

唯一の欠点、問題はピアノの録音で、共鳴感がなくコロコロしていて残念でならない。直接音重視で、反響する間接音を排除している為か?

ビル・エヴァンスも、ヴァーブ時代にヴァンゲルダーの録音があるが嫌ったと言う。使用マイクは、ノイマンU-47、テープレコーダーはAMPEX 300で、本人共々ドイツ系。

以上のとおりで「K」さん、どうもありがとうございました。

この記事に大いに触発されて我が家でも「サムシン・エルス」を2系統のシステムで聴いてみた。

 JBLの「D123+075」の2ウェイシステム(クロス8000ヘルツ)。

 ウェストミンスター(改)の「ワーフェデールのスーパー12+JBLの175」の2ウェイシステム(クロス800ヘルツ)。

はトランペットの音がまるで唾が飛んでくるみたいに迫力があった。頭がクラクラッときたが、やはりこういう音は075の独壇場だ!改めて底力に唸った。これが「ステンレス削り出しホーン付き」の075。

   

その点
はまるでネクタイを締めてかしこまって聴いているみたいだった。

1に比べるとベースの豊かな響きと、ピアノにコロコロした感じが無かったのは良しとするがトランペットについてはまったく物足りなかった。全体的にも生き生き、伸び伸び感が足りない。

総じてジャズらしいといえば1のシステムで、おそらく生粋のジャズファンは圧倒的にを支持することだろう。

問題はだ!

いくらクラシック用のシステムとはいえ、これでは絶対にダメ(笑)。

何とかしなければと「沈思黙考することしばし」だったが、「窮すれば通ず」で名案(?)を思い付いた!

以下、続く。

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