「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

昔の道具で出ています

2020年05月07日 | オーディオ談義

その昔、大ヒットした歌謡曲に「昔の名前で出ています」というタイトルがあった。

各地の酒場を渡り歩くホステスが忘れられない昔の男性の面影を求めて、「昔の名前で出ているのでどうか私に気が付いて」という趣旨の歌詞である。

我が家のオーディオもこのところ、昔購入した道具の出番がやたらに多くなった。

つまり「昔の道具で出ています」(笑)。

その活躍ぶりを2点ほど挙げてみよう。以下、やや専門的な内容になるので興味のない方は素通りしてくださいね。

✰ 古いオイルコンデンサー



JBLの「LE8T(口径20センチ)」(低音域)と「AXIOM80」(復刻版:中高音域)との組み合わせが巧くいったので「JBLとAXIOM80」は相性がいいとばかり、このほど「D123(口径30センチ)+AXIOM80」に挑戦してみた。

な~に、拙けりゃ元に戻すだけさ(笑)。



おお、これはなかなかいけるじゃないか!(笑)

きっちり締まった音の質感は「LE8T」側に優位性があり、音のスケール感ではこちらが上。

もし、どうしてもどちらかを選べと言われれば「LE8T」側に軍配を上げたくなるが、差はごく僅かだしわざわざ戻すほどのこともないのでしばらくこれで聴いてみることにした。

そして、このシステムでAXIOM80のローカット用に使ったのがずっと昔に購入したオイルコンデンサーだった。



ウェスタン(10μF)+サンガモ(10μF)+DUBILIER(12μF)を3個パラって「計32μF」にし、およそ300ヘルツあたりをローカット。

幸いにも低音域との繋がりに不自然感は無いようでまずはひと安心。

昔の道具が今頃になって急に出番が来るなんて、これだからうかつに小道具は処分できない(笑)。

次は、

✰ 「SOLO」の銅箔コイル

前述のように「AXIOM80」を失った「LE8T」だが、さてどう料理しようかと、一考した挙句に「我が家に一つぐらいはオールJBLの組み合わせがあってもいいだろう」に落ち着いた。

4系統のSPとも英国系の音ではつまんない(笑)。

そこで遊んでいた「175ドライバー」(小型蜂の巣ホーン付き)を「LE8T」の上に乗っけてみた。これら二つのユニットを2台の真空管アンプで鳴らそうという算段である。



「175」(8Ω)の基本的仕様は周知のとおりクロスオーヴァーが1000ヘルツになっているので、その数値に見合ったローカット用のコンデンサーが要るが、これには先日紹介したように「業務用の大型コンデンサー22μF」によりおよそ「900ヘルツ」あたりでカット(-6db/oct)出来てピッタリ。



問題は「LE8T」のためのハイカット用コイルである。昔購入した「銅箔コイル」(SOLO)があったはずだがと倉庫を探してみると片隅でようやく見つけた。



数値は「2.7mh(ミリヘンリー)」となっている。「クロスオーバーネットワーク早見表」によると、「LE8T」のインピーダンスは16Ωなので「950ヘルツ」あたりでハイカット(-6db/oct)出来る計算になる。

ハイカット値、ローカット値ともに理論上の話なので実際に聴いてみないと何とも言えないが目安としてはこれで十分だろう。

次に「175」を駆動するアンプだが、「108db」と非常に能率が高いので我が家では小出力の71系アンプの絶好の出番となる。



前段管は「A411」(独ヴァルボ:バリウム昇華型フィラメント)、出力管は「171」(トリタンフィラメント)、整流管は「OK-X213」(メッシュプレート)の組み合わせ。

持ち主が言うのは何だが、いずれも1940年代前後に製造されためったに手に入らない希少管ばかりですぞ(笑)。

この3本柱により、音の「トルク感+スピード感+静粛性の3拍子が揃ってますよ」と古典管の専門家から折り紙が付いたほど。

これで音出ししてみると、スピード感に溢れた見事な「JBLサウンド」に思わず鳥肌が立つほどだった(笑)。

これまで「175」を聴くときはいつも最高音域の不足を感じていたのだが、今回のようにコンデンサーでローカットしてやると、スッキリ爽やかでまったく「ツィーター」の必要性を感じないのがたいへんよろしい。

「叩けば叩くほどよくなる法華の太鼓」という言葉があるが、我が家の場合は試行錯誤の連続によって「弄れば弄るほどよくなるオーディオシステム」と言ってもよさそうだ。

まあ勝手に独りで悦に入っていれば「世話がない」ですがね(笑)。

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