「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

二件の訃報

2023年01月19日 | 独り言

☆ 作家「加賀乙彦」氏

昨日(18日)のネットで次のような訃報が目に入った。

「宣告」などの小説で知られる作家で精神科医の加賀乙彦(かが・おとひこ、本名小木貞孝=こぎ・さだたか)さんが12日、老衰のため死去したことが17日分かった。93歳。東京都出身。葬儀は近親者で行った。

 陸軍幼年学校在学中に敗戦を迎え、戦後、東京大医学部を卒業。東京拘置所医務部技官などを経て、1967年に「フランドルの冬」を刊行した。

死刑囚の心理を描き、信仰と人間の救済を見つめた「宣告」で日本文学大賞、「帰らざる夏」で谷崎潤一郎賞、自伝的な大河小説「永遠の都」で芸術選奨文部大臣賞を受賞。日本ペンクラブ副会長などを務めた。日本芸術院会員、文化功労者。

「加賀乙彦」さんといえば、「小説家が読むドストエフスキー」を題材に15年前にブログに搭載した覚えがある。



以下、要約すると、


本書で解説されている作品は「死の家の記録」「罪と罰」「白痴」「悪霊」「カラマーゾフの兄弟」の5作品となっている。いずれも実に懇切丁寧に読者に分かりやすい内容になっており、著者のドストエフスキーに対する畏敬の念もしっかりと伝わってきた。

さらに著者が精神医学の専門家の視点から癲癇(てんかん)の病気もちだったドストエフスキーの「死」に対する人間の描き方、宗教的な主題に独自の分析をしているところに本書の最大の特色があると思った。

断片的になるが印象に残った語句を紹介。

・世界の全ての小説の中で「白痴」が一番の傑作(72頁)

・「白痴」が分かると「悪霊」が分かりやすくなり「悪霊」がわかってくると最後の大作「カラマーゾフの兄弟」が分かりやすい。(102頁)

・20世紀の作家は全てドストエフスキーの肩の上に乗っている。ドストエフスキーを読まずに小説を書きはじめた人は私の周辺を見回してもいない。(116頁)

・ロシア的なキリスト教の形のもとで、いずれの作品ともに犯罪、殺人が主題になっており、罪の極点を描くことで逆に神の愛が描かれている。罪も愛も無限定で極端で途方もないエネルギーに満ちていて、この作品群の究極の姿、総決算が「カラマーゾフの兄弟」です。「カラマーゾフ万歳!」(212頁)

合掌

☆ 女優「ジーナ・ロロブリジーダ」

昨日(18日)の読売新聞に訃報が載っていた。





当時「世界で一番美しい女優」と呼ばれていたが、往年の洋画ファンにとっては「官能的で妖艶」というイメージのもと、強く記憶に残っている方もきっと多いに違いない。

たしか「ジョージ・ペパード」(名作「ティファニーで朝食を」の主役)だったと思うが、記者から「100万ドルあったとしたら何に使いますか」の問いに対して「そうだな、ジーナと一晩でいいから遊びたいな」と答えて、物議を醸したことがあった。

享年95歳といえば天寿を全うしたといえよう。

合掌


この内容に共感された方は励ましのクリックを →     

この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「JBLとヴァイオリン」 ... | トップ | ウィスキーとバラの日々 »
最新の画像もっと見る

独り言」カテゴリの最新記事