「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~「羽毛による吸音材」~

2009年08月28日 | オーディオ談義

オーディオ関係の記事を投稿すると、どうも”マニアック”すぎてよく分からないというご指摘をよく受けるが今回も相変わらずで「どうか、あしからず~」。

タンノイのスピーカー・ウェストミンスターに「アキシオム80」(以下、「アキシオム」)を取り付けてから約3週間あまり、いまだに裏蓋の中に入れる吸音材の調整に悩んでいる。といっても、もっと
”いい音”にならないかという贅沢な悩みの方に属する話。

そもそもスピーカー(SP)の中に入れる吸音材の役割は何かというと一義的には音の内部反射を抑えるためで、理論的にはいろいろあるのだろうが、とにかくその素材と量によって音質がクルクル変化するので現象面からのアプローチとしていろんな試行錯誤が欠かせない。

「アキシオム」という50年ほど前の時代物のユニットをわざわざ使っている以上、定評のあるヴァイオリンの音色をより生かしたいのでグリュミオーが弾くストラディバリウスの音色を基準に調整しているが、時折り突き刺すように高音が響くのでこれをもっと
”ふんわり”と、そして”しっとり”とした感じにしたいというのが主たる狙い。

そう、「アキシオム」はエッジレスという特異な構造のため音楽信号に対する応答性が抜群で極めて繊細な再生に長けているものの、その分、高域にややクセがあるのでこれをいかに穏やかに鳴らすかが一つのポイントなのである。

吸音材の材質については、インド綿の厚手の敷物を使ってみたり真綿を使ってみたりしてみたが、上述のようにもっと音響空間にヴァイオリンの音色がふわっと漂うような雰囲気が欲しいところ。とにかく試行回数が多ければ多いほど当たる確率も高くなるので”こまめ”なチャレンジが欠かせない。

その一環での話だが、オーディオ仲間のM崎さんによると以前から吸音材のベストは
「羽毛」だと主張されている。

その理由は鳥の羽根は億年単位という気の遠くなるような時間を経て進化してきたもので強い風や空気抵抗に対処するため
「丈夫で軽く」という二律相反する問題を見事に解決している類稀(たぐいまれ)な自然素材。

つまり羽根の強度を保ちながら、何とか軽くするために人間の目では見えないほどの無数の穴が空いており、そこが吸音材には最適というわけ。通常、吸音材として使われているグラスウールなんてのは所詮、人間の作ったもので羽毛と比べれば性能的に”段違い”という説。

たしかに、この理論は「成る程」と頷かせるものがある。因みにM崎さんによると羽毛を吸音材として使っているネットのオーディオ情報はこれまで見かけたことが無いそうである。

「よし、自分がパイオニアとなって羽毛にチャレンジしてみよう」と決心。以前、「羽毛布団」を購入してそっくりそのままウェストミンスター(以前のJBL130A ユニット付き)の裏蓋の中にブチ込んでいたのだが、カバーが分厚いポリエステルのまま使っていたので大いに反省して今回は直に羽毛を引っ張り出して使ってみることにした。

当然、羽毛を入れる物が必要なので26日(木)の午後、クルマで15分ほどの大きな100円ショップを覗いてみた。広い店内をウロウロと2~3回ほど巡回してようやく見つけたのが商品名「ランドリーネット角型」。

洗濯機に汚れた衣類を入れる際に小物類などをまとめるファスナー付きのネットである。「これこれ!」と小躍りして10枚ほどまとめ買いした。もちろん1枚100円だから全部で1050円なり。

自宅に戻ると、早速「羽毛による吸音材」作りを開始。

                 
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 「ランドリーネット角型」で横33cm×縦48cmのファスナー付き。

 羽毛を詰め込んだところ。ネットの細かい穴に羽毛がところどころ刺さっているのであちこちズレないのがいい。

 これまで吸音材として使ってきた羽毛布団だが、今回はカバーを切り破って中身の羽毛を直接引っ張り出した。

約1時間ほどの作業で2のような吸音材が10個分出来上がった。なにしろ
安物の羽毛なので粒が大きく空中にふわふわと飛び散らないので作業がやりやすかった。

早速、ウェストミンスターの裏蓋を開けて取り付け作業開始。裏蓋はご丁寧にも16個のネジ止めがされているがここ3週間のうちに本当にどのくらい開け閉めしたことだろう。因みにこの裏蓋はネジを取っ払っただけでは簡単に開かない。この工作精度の高い密封状態を打開するには
”ちょっとしたコツ”が要るが文章では表現が難しい。

さて、片チャンネルで丁度5個分ということで上下左右の内壁に1個ずつと裏蓋にも直接1個取り付けたのでSPの中はもうまるで羽毛だらけ。押しピンと小さな釘打ち作業によるものだったが、苦労したのはランドリーネットからこぼれ落ちる細かい羽毛で、
「しまった、ランドリーネットを二重にすればよかったのに」と思ったがもう後の祭り。

左右両チャンネルの取り付け作業が完成したのがもう夕方の5時近く。高鳴る胸を抑えながら早速グリュミオーの弾くヴァイオリンを鳴らしてみる。

「凄い!」の一言だった。SN比が良くなったというか、静けさの中から音がスット出てくる印象。

時折りキンキンするような鋭い表情を見せていたヴァイオリンも艶やかでむせび泣くような音色に一変。なんだか胸が切なくなって涙がこぼれ落ちそうになるほどの素晴らしさで「こんな音でずっと聴けるのならこれからの毎日が随分と楽しくなりそうで幸せの極み」といったところ。

もし吸音材にお悩みの方があれば「羽毛」は一度試してみる価値のあるお薦め品である。音色が一変すること間違い無しでそれも良い方に改善される。「自分がこれまで使ってきた吸音材のうちでベスト」だったのはいうまでもない。それこそSP内部以外にも部屋のあちこちに置いて使用するのも部屋全体の音響改善に寄与すると思う。

自分もあと1枚羽毛布団が残っているのでランドリーネットを追加購入してせっせと作り、天井など部屋の要所に置くことにした。

さて、夕食前のひととき、ルンルン気分で芋焼酎にカボスをギュッと絞り込んでお湯わりで”ちびりちびり”とやっていたら玄関先のチャイムがピンポーン。こんな至福の時間に何だと出てみたら朝日新聞の集金屋さん。

朝刊代だけなので3007円を支払ったところ、部屋から漏れ出てくる音を聴いて「すごく澄んだ音が出てますね~」とおっしゃるではないか。年恰好が自分と同じぐらいの方だったが「エッ、貴方分かるの」といっぺんに楽しくなった。訊いてみるとジャズがお好きでそれも「コルトレーン」のファンだそう。

「コルトレーンなら4~5枚CD盤を持ってますよ、ちょっと聴いていきませんか」「いやあ仕事中なので」「それならオーディオ装置を見るだけでも」「それではちょっと拝見」「・・・・・・」。

「近いうちに焼酎をぶら下げてきますのでゆっくり聴かせてください」「いつでもどうぞ~」。

これまではいつも2年おきに朝日新聞と読売新聞を交替させていたが、カミサンがどう言おうとこれからはずっと朝日新聞を購読することに決めた。                           

PS(8月29日)

これには後日談があって、28日の午後に話題を合わせたように読売新聞が勧誘にやってきた。「9月で朝日との契約が切れるようですが次は読売にしていただけませんか」「ダメダメ、縁のある人が出来たから朝日を継続することにしました」と丁重にお断り。

ところが、夕食時にこの話をしたところ「巨人の記事が多いので次は読売にしようと楽しみにしていたのに」と大の巨人ファンである家内が猛反対。とうとう「巨人なんかのどこがいいのか」と、論争に発展。挙句の果てには「朝日新聞の購読料は貴方が支払ってください」なんて言い出す始末。

この「バトル」とても一筋縄ではいかず、どうやら長引きそうな気配である。

                        

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