オーディオは音の入り口から出口まで、はたまた電源や機器同士を繋ぐケーブルでさえも、どこをどう代えても音は変わる。
しかも厄介なことに機器同士の相互の相性というのがあって、組み合わせともなるとほぼ無限大に近い。
その中から気に入った音を見つけ出すとなると、砂漠の中から一粒の砂粒を拾うようなものでもう溜息をつくしかないが、それでも終着駅の見えないゴールを目指して一歩一歩進んでいくのがオーディオ愛好家の「業」というものだろう。
今回は、この程我が家に到着した「新しいSPケーブル」について取り上げてみよう。
現在、我が家のSPケールは3種類ある。
「ウェスタン製の単線」「銀製の単線」「LANケーブル」で、いずれも甲乙つけ難しでそれぞれの個性に応じて使い分けている。
たとえば、「銀製」は低音域の解像力に威力を発揮するので「低音専用」に、そしてアンプからスピーカーの距離が「2m」以内ならウェスタン製を、そして2m以上の距離になるときは音の劣化がまったく感じられない「LANケーブル」の出番といった具合で、現状にほぼ満足している。
ところが、オーディオ仲間のYさんから新しいSPケーブル(長さ:2m)の情報がもたらされた。
Yさんは「オーディオアクセサリー」について、とてもこまめに情報を拾う方で、これまでの経験上その信憑度はかなり高いと踏んでいる(笑)。
実は、ネット上で、この商品のレヴューが1件あるが、それはYさんが書いたものだ。以下の通り、ご紹介しよう。
「これはいい!
今まで使ったスピーカーケーブルの中で最高のパフォーマンスでした。繊細で、情報量多く、今まで聴いたことの無い音が聞こえます。滲みがなく、クリアーで膨大な情報。単線の良さが全開です。
これで私のケーブル遍歴終わりです。
D-On Cu5 なる導体のもう少しの説明があると、より納得できるのですが。導電率110って本当なのでしょうね。という音でした。」
とまあ、絶賛としか言いようがないが、この”おまけ”としてメーカー側から「ポイント」をいただかれたようで、まずはご同慶の至り(笑)。
あの耳のいいYさんがこれほどまでにとなると、つい心を揺り動かされた。しかも、(Yさんの)友人に数十万円もする銀製のケーブルなどと合わせて3本ほど貸し出したところ、「このケーブルが一番です」との回答があったとのこと。
さらに、お値段が信じられないほど安かった!
いっちょう、試してみっか・・。
ネットで注文して一昨日(12日)の夕方に我が家に到着。
ケーブルの芯を剥いて「バナナプラグ」を装着したが、直径がかなり大きい単線なので処理に手間がかかった。しかもアンプやスピーカーに接続する時もケーブルが硬くて一苦労。けっして万人向きではなさそう。
何はともあれ、「2A3シングル」アンプとSP「AXIOM80」との間を接続して聴いてみた。
ウ~ム、成る程・・・、これは聞きしに勝る音ですなあ!
「AXIOM80」を聴くときはこれまで常に「サブウーファー」(-6db/oct:100ヘルツ以下)を使っているのだが、このケーブルだと曲目によっては使わない方がいいケースも出てくるようだ。
「サブウーファー」なんか使わないで済むに越したことはないので大いに助かる(笑)。
想像以上に良かったので、あれこれ実験してみたくなった。
まずはアンプの交換。
「2A3シングル」にまったく不満はないが、日頃から出番の少ない「371シングル」だとどういう音が出るんだろう・・。
前段管は「A411」(独ヴァルボ:バリウム昇華型フィラメント)、出力管は「371」(トリタンフィラメント)、整流管は「80」(BRIMAR=STC)。
当初は整流管に「ナス管」を使っていたのだが、高音域が張り出したときに濁った音が出たのでほぼ新品同様の「BRIMAR」に代えたところ、見事に収まった。
いずれにしても、このアンプで聴いてみたところ、「2A3シングル」よりも生々しい音が出るように思えて、予想以上の結果に思わず胸が震えた(笑)。
で、さっそくYさんに「到着しましたよ」との連絡をしてみると「あのSPケーブルで繊細なAXIOM80がどう変わるか、メチャ楽しみです。今度の土日にぜひ聴かせてください」
「ハイ、どうぞ、どうぞ、ついでにアンプテストをしてみるのでご意見を聞かせてください」
今年は、新年早々から面白い本(「米澤屋書店」)に出くわすし、コスパに優れた「SPケーブル」に恵まれるわで、これから先もとてもいいことがありそうだ。
とはいえ「好事魔多し」という言葉もあるのだが(笑)。
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