エウアンゲリオン

新約聖書研究は四福音書と使徒言行録が完了しました。
新たに、ショート・メッセージで信仰を育み励ましを具えます。

一方的な契約

2024-09-23 | メッセージ
創世記9:8-15 
 
大洪水が過ぎました。ノアの家族8人は助かりました。箱舟から出よ、と神は言います。生き物たちは値に群がり、増えるように、と命じました。ノアが増やすわけではないのです。ノアはそれを促し、備えよ、という程度なのでしょう。ノアは命じられてもいないのに、祭壇を築き、いけにえを献げました。
 
清い動物や鳥は、七つがい箱舟に入れられていましたから、一部が献げられてしまったのです。主はこの香りを嗅ぎ、「人のゆえに地を呪うことはもう二度としない」(8:21)と「心の中で」言っています。このような打ち滅ぼし方はしないと誓ったのです。神は、ノアとその息子たち(妻たちは別!)を祝福しました(9:1)。
 
この後、肉食生活が始まった、と神学者たちは言います。人間の寿命も、次第に短くなってゆきます。血を飲むことはならぬ、との但し書きがありますが、「産めよ、増えよ」(9:1,7)を繰り返し、今日注目するのが、「私は今、あなたがたと、その後に続く子孫と契約を立てる」という言葉からです。いえ、そればかりではありません。
 
契約の対象は、人間と共にいるすべての生き物であるというのです。「箱舟から出たすべてのもの」と、契約を結ぶということらしい。神はまず、洪水が地を滅ぼすことはない、と約束します。神からの一方的な歩み寄りです。人間や動物の側に、条件はないのでしょうか。律法は、神から人間に、一方的に与え、守れ、と迫ったものです。
 
双方の条件を定める「契約」とは趣を異とする、という意見があります。しかしここで、神はノアに対して、契約の条件を実は提示していないのです。人間と生き物すべてとの間に、とこしえに立てる契約のしるしがあるのだといいます。そう、虹です。神の虹を、雲の中に置いたのです。いまも私たちが見ることのできる、あの虹がそうなのです。
 
虹を見て、神はこの契約を思い起こすのだ、と言っています。もはや、大洪水により人間や生き物が滅ぶことはないのだそうです。終末の預言とはまたずいぶん異なりますが、イエスを通じての契約についても、このように一方的に恵みの中に引き入れられたことに気づかされます。神から与えられる契約は、いつでも私たちにとって恵みなのです。




私は雲の中に私の虹を置いた。
これが私と地との契約のしるしとなる。
私が地の上に雲を起こすとき、雲に虹が現れる。
その時、私は、あなたがたと、
またすべての肉なる生き物と立てた契約を思い起こす。
大洪水がすべての肉なるものを滅ぼすことはもはやない。(創世記9:13-15)

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