観るミステリー小説:相棒Ⅴ第8話『赤いリボンと刑事』

あの第3話『犯人はスズキ』と共通する観終わった後にすごく余韻の残る話。

・・・と思ったら

脚本:岩下悠子

やっぱり同じ人だったか!

時効まであと1ヵ月という女子大生殺人事件の
犯人と思われる男性がラジオのリクエスト番組で自供を始めた・・・

(※あらすじはこちらの【相棒公式サイト】で)

まず『ラジオのリクエスト番組で犯人が自供を始める』という
ドラマの導入部のアイディアに脱帽。

今回はストーリーのミステリーでは定番の『時効モノ』

そのありふれた素材を、匠の技ともいえる展開の組み合わせで構成された
今回の物語は時効ではなく人生という時間を描いていた。

『時間』がこの話の主軸だったと思う。
それを事件の『時効』という形と、その『時効』までに
なんとか解決したいという執念を持つ不治の病に侵された刑事の『寿命』という
対極する二つの迫り来る期限のある時間の方向から物語が進む。

そして時間が主軸ならもう一方の副軸ともいえるものが
『家族』だったと思う。
これも犯人側と刑事、両方の家庭の抱えた問題から結末へと話を展開させる。

そして見事にこの二つの話がリンクするラストへ向う展開も
1時間という枠の中だからぽんぽんと進んでいった感はあるものの
不自然な感じはなかったように思う。

被害者の婚約者だった男性が殺された彼女を想い、
時効まで犯人を見つけられない警察に対し
苛立ちから狂言をするのも理解できる。

そのラジオを聞いて駆けつけた犯人の父親の心情・・・
その犯人である息子はすでに死んでいるという事実が驚愕だった。
この時点で単なる時効モノではなくなる・・・この展開は意外性があった。

そこから死んでいる犯人を家庭を犠牲にしてまで
15年も追い続けていた刑事とその娘のドラマへ話を続けるあたりが
いかにも女性らしいというか岩下さんらしい脚本だ。

さらに屋上に残された『赤いリボン』・・・
小説と違い視覚に訴えるテレビでは、この風にゆれる赤いリボンが
とても事件の虚しさや切なさを際立たせる演出として
効果を与えていて、計算されてるな~と感心。

そして何より最後の薫と右京のついた『嘘』がこのドラマを仕上げる素晴らしいスパイスだった。
それも薫がいてもたってもいられずにとっさについたところがいい。
さらにそれをしっかりとフォローする右京の嘘。

たまきさんの小料理屋で静に終わるラスト・・・
観終わった後に感じる『優しさ』と『切なさ』が
とても絶妙ないい割合で混じったこの余韻こそが岩下脚本の真骨頂だと思う。

すごいベタな展開なんだけど、相棒は他のサスペンス物と違って
そこにいやらしさがない。

たとえば音楽でいえば演歌ではなく
あのビートルズの「and I love Her」のメロディのような哀愁感。

これが岩下脚本にオレが惹きつけられている最大の魅力。
そして相棒の世界と一体になった時にすごいクオリティの高い作品になる。

岩下さんの脚本、今回も十分に堪能させてもらいました。




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