経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

どこから。閉塞感

2010年07月17日 | Weblog

タブレット型コンピュータiPad(アイパッド)の例に代表されるように、
常に技術革新の最先端を走っていた日本が、どうも追従型に落ちたと言われる。

それはなぜか。私はこの閉塞感は単にテクノロジーの問題、
技術者の問題ばかりではない、と考えている。
以下、そのことを考えてみたい。


インターネットは戦略的ツールである。
汎用性の高いツールである。
しかもどちらが発信者、どちらが受信者といった
区分のない双方通信型である。

それも過去や現在ではなく未来に向かって
新しい価値と機会を創造する進化するチャレンジャーといってよい。
             
インターネットの世界では、
「最初にビジネスモデルを作り上げた者が成功者となる」
といわれてきた。
その伝説が今なお続いているのである。

これは「創業者利益」という言葉に置き換えられるから、
なにもインターネットビジネス固有のことではない。

しかし違いがある。
それはスピードが速く、その受益期間が短いことである。
だからそのノウハウを真似して二番煎じを狙っても無駄になる。
この点が、追従グループもそれ相応に利益を得てきたという
従来型のノウハウやツールと違う。

これは他の業界では進歩発展、進化とよばれるものが、
それがあまりにもスピードが速く、その受益期間が短いことから、
新たなものが出現するたびに、これまでのものの否定、
あるいは廃棄せざるを得ない、といったことが当然の如く発生している。
この点、革命と言われる所以である。

こうしたことはインターネット固有の世界といってよい。

ところで傾向的に、日本人はすぐノウハウやモデルを
アメリカや過去の成功者などを先進地、先進者として求める。
著名経営者が主催する塾や囲む会が盛況だそうだ。

少年少女の親衛隊もどきに信望する経営者を
追っかけまわしている中小企業経営者も少なくないという。

しかし本来ノウハウとは真似ることではなくて、
「自ら創り出すこと」であり、独自性が求められるものである。

独自性とは、演繹ではなく帰納的であり、
「机上の理論と議論」から生まれるものではなく、
「現場の発想と決断」の産物である。

インターネット時代に入った時点から、
先進地、先進者、先例優先主義が、役に立たないだけではなく、
むしろ足枷になってきた、と私はみている。

未来は、この今に向かって流れ込み、やがて過去となる。
その過去の成功事例の展示場である先進地、過去での成功者、
に学んで、未来に活かせるものを創造することは難しい。

このことは過去から学ぶものがない、ということではない。

学ぶべきものを間違えている、といいたいのである。
過去から学ぶべきものは、人間の生き方といった、
過去も今もこれからも変わらぬ普遍性あるものである。
 念のため。                  

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