経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

「商人考」

2006年04月19日 | Weblog
商品や人的サービス等の差別化により,まず一握りのお客が支持を死、自分の選択を区々他の消費者に伝えるという形で、さらに広がりを成す。その過程で、ごく一部がリピート。いわば固定客となる。こうしたプロセスの螺旋的繰り返しで、その企業なりお店、商品、サービスが他の消費者にクチコミを主媒体として伝わる、という善循環システムを構築する、これが私の仕事である。

 そうした25年で、学んだこと。いつも自問自答していることだが、「小さい店は大きくなることが目的であろうか。小は小のままでその存在価値を見出す。すなわち大と小の対比ではなく、また大を否定するのも小を否定するのでもなく、大は大なりの、そして小は小なりの社会的使命を果し得るところにこそ意義があるのでは」、と。

 そして、もう一度繰り返すが、大と小は社会というシステムを構築する上でのそれぞれの機能分担の関係であり、それを果たすことにお互いの存在価値がある。これが私の確信になり、持論になった。

 今、お客の生活を、それぞれの立場で、相互にハッピーにすることこそ、事業活動の命題である。賭するならば、規模の大中小もまた、1つの機能分担ではなかろうか。すなわち、小は小、中は中、大は大、区々の役割を果たすことが個々それぞれの経営者に求められているのではなかろうか。

 規模の大小は商人として共通の使命を果たす手段の違いに過ぎない、という理解をするならば、おおよそ競争、勝つの負けるのといった意識や嫉妬や不安は存在しないはずである。

 しかし誤解して欲しくない。こうした共生の形は決してもたれあいではない。
また共に生きると言う意味での競争は成長、発展の条件として不可欠であろう。
 しかし表面に見えるのは、ただひたすらお客の幸せを願い、淡々として商いの使命を果たす商人の姿だけ。それだけで良いはずである。

 今、こうしたことを書くのは、余計なこと、見せないで良いことをみせ、見せなければならないことを見せない、といった有り様を取る商人があまりにも多いことを、売れいているからである。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿