経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

群れから離れてみる決断が、

2006年04月12日 | Weblog
 価格競争は、比較対象になるモノに於いて発生し得る、ということを前提にするなら、まさにコピー、すなわち模倣社会の産物といってよい。
 当然としてお互いの類似度が高ければ高いほど競争度も高くなる。としたなら、どうしたら、価格競争で他が淘汰され、競争関係がなくなるまで生き残りの戦略か、価格競争の枠外で展開できる道を求めるかということになる。
 戦略は二者択一である。2つあるそのどちらかを選択しないと前進できないのだから、選ぶ。その場合、どちらが有利か、安全か、儲かるか、やりやすいか、性格に合うか、自社の得手が生かせるか等々、選択のための基準がある。その基準にも優先順位があることは当然だ。
 その中の「安全かどうか」、という基準は、企業の社会的意義とそれが及ぼす影響、ゴーイングコンサーン性を考えると、最優先・最重要基準と思われそうだが、ところが、現実採用されている基準は、結果から判断しそうではない事例が余りにも多いのである。
 先日述べた大手追従の廉価戦略の選択など、その最たるものである。
なぜか。答えは簡単である。前者の戦略は大資本、大手、多店舗展開しているところ、といったように明らかに規模の大きいほど有利なのである。 とりわけ差別力・特異性が乏しいモノやサービスをあつかっているところでは「類似同質化競争」に巻き込まれる。
 繰り返すが、ここうなれば価格が唯一の差別力になるから、ロープライスがディスカウント、そしてダンピングと激化し進み、チラシのコピーも、安価・廉売から、超激安、そして投げ売りと過激化。 こううなれば淘汰され消えていってしまうのは体力のない中小企業の方である。
 この結末は、努力不足のせいではない。戦略の誤りなのである。元来、大手より中小企業の方が、独自性・特異性を発揮しやすい。この路線を選択しなかった戦略の誤りなのだ。
戦略の誤りを、戦術で保管することは不可能と言って良い。
 たくさんの鼠が、これまで海中に飛び込んでいる。その群れ、集団から離れてみてみる。その冷厳さ、余裕,勇気が、あなたの企業とあなたを救う。


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