経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

少数精鋭、ありか?

2011年05月18日 | Weblog
「少数精鋭主義」という言葉がある。

最近、経営者が人減らしするときに、よく使われる。
そこから垣間見えてくるものは、
人の力を量、質とも低下させつつ、
さらに、なんらかのがんばりで売上を上げようと
果敢に取り組む、涙ぐましい姿である。

こみ上げてくる同情心を一切無視し、
冷めた言い方をするならばそれはまさに

「マッチ&ポンプ」。


人の力が量、質とも低下させる決断、
そのことはその少ない量で、その低下した質で、
やっていく、あるいはやっていけるという考え
これが彼らの言う「少数精鋭主義」と言うことになる。

では、問いたい。
その根拠は?
その勝算は?

あるのか。ないのか。


すべからく戦略的に、かつ科学的計算性に基づいて
行われるはずの戦に、一か八か、当たって砕けろ、
いざとなれば神風が吹く、といった
愚かな軍人幹部達の虚しい粋がりが、
この国を戦いに引き込み、この国を敗戦に追い込んだ。


私には、そのことと同じ論理が、
彼らのいう「少数精鋭主義」のように思えて
仕方がないのである。
たしかにマクロ的には消費量の拡大に
限界が見られる今、付加価値追求のためには、
質への転換は必須課題になる。
人の問題もその例外はなく、従業員の質が問われる
これも急がれる重要命題になる。

しかし、そのことと人を減らすこととは、
話は別なのだ。

少数だから、精鋭であるということはあり得ない。
少数だから、精鋭でいこう、いうことはあり得ない。
精鋭であるから、少数で良し、も疑問である。


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