経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

感じてこそ、動く

2007年07月24日 | Weblog
感動を 感じることなくば、動かず、と、こじつけの解をしてみた。

 もし、高齢化による五感の衰えが、マクロにあるとしたら、それに対して売る側は、手をこまねかず、対策を講じる必要がある、と思うからだ。

 もし、画一化、均一化、合理化といったことで、消費者が五感を通じて、ワクワク、ドキドキといった感動をすることが少なくなっているとしたら、それに対して売る側は、手をこまねかず、対策を講じる必要がある、と思うからだ。

  次の2つのことを確認しておきたい
 感動の感。 感じることは、五感の役割であろう。
 感動の動。 これは、手と足と口、体の各部位の役割。


 うなぎの蒲焼きの匂いをおかずに、飯を食って、金を貯めた話が落語にある。これを頭にイメージしながら、話を展開してみたい。

この主人公は、鰻は見えなくても、過去の記憶に蒲焼きのことは、記憶されている。それは食べたことがある、という体験がある、ということである。
 
 その体験を分解する。
 五感の1、 聴覚
  久しぶりに訪れた主人が、「お土産に鰻、かってきたよ」とかいいながら、お妾さんい声をかけた。その声が、主人公に聞こえたのかも知れない。
 この落語の時代背景は、多分に江戸時代。舞台は長屋かも。鰻を焼いているという人が住んでいるのだから、根岸あたりかもしれない。それも焼く音が聞こえたのであれば、この男の家は、お囲いさんの家の近くかな。

 五感の2,嗅覚
 匂いを感じる嗅覚が、飯をのどに駆け込むという動きを促進した、といえなくもない。
人が求めているものは、鰻というモノ(ハード)ではなく、唾液など消化促進の効用といったソフトだ、と解することもできる。

 五感の3,視覚
 この男。間違いなく鰻を見たことがある。でなければ、見てもいないものの匂いから鰻だ、と思い出すはずがない。それも昔、長屋仲間と遠州に旅をした折り、いけすでうようよの生きている鰻をみた、といったことではない。通りすがりの飯屋で、鰻丼の並でも食った客体験を持っていると思われる。


五感の4,触覚

 「ヌル、ヌル、って感じだよね。鰻は」と言った人がいるとしたら、それは、1に鰻をさわったことがあり、その触感を実際に体感した人である。または鰻以外で何かヌル、ヌルとしたものを、実際に体感した経験をもっている人なのかも知れない。
 触感は、実際に触れたときの感じである。さわったことのない人には、触感力はあっても。それがどんなものなのか、表現は出来ないからである。
 
 
五感の5 味覚
食ったことのないものの味は、わからない。いや食わないと味はわからない。だから、落語の主人公は間違いなく鰻の味を知っている。だから匂いで、それを再現し、飯を書き込んだのであろう

 よって、五感は、いずれにしても実際体験が伴うものであり、これをもって「感動」と言える。

 だから、、「言葉」が、その言葉を発した人の、自らの行動から創出されたもの(体験からでたもの)ではないと、人は感動しない。動かない、ということが出来る。人の感動の下請けでも、孫請けでも、コピーでは感動しない。

 感じる方もまた、「言葉」に込められた、人それぞれの過去の思いがないと、その言葉は感動とはならない。

 となると、底には作り手・売り手と、買い手に、共通する体験がある、ということが理解できる。これ、共感という。共感とは

 「おいしいね」、「ウン、おいしいよ」
といった感じか。
 
それで、あなたのお店の、接客を点検してみよう。・・・・どうだろう、
それで、あなたのお店の、チラシを点検してみよう。・・・・どうだろう、
 それで、あなたの会社の企画書などを点検してみよう。・・・・どうだろう、
 
「まぁ」、この鯛は、おいしそうたいね」と、思わず人が感動するのは、どういうときなのか。これは自分がいっぱい感動した経験を持っている人がわかるはずである。

 鮮魚売り場のテープレコーダーに、「トレトレだよ。感動の旨さだよ」といわれても、それに感じ(共感し)て、動く(購買する)はずがないのだ。だから、購買に結びつける役割をこのレコーダーに期待しているとしたら、それは全くのムダ。投資対効果はゼロ。
 明日、すぐ外し、どうしたら感動してもらうか、考えてみよう。 

 アパートで、インスタントラーメンばかり食っている生活体験の乏しい若い男が、青果や精肉、鮮魚といった食品売場の責任者をやっているようなお店は売れない。
 明日、早速配置換え。主婦の経験豊富な、パートのAさんに、やっもらおう。


五感を使っての実際感動経験のない人が、感動を作れるはずがない。テープレーコーダが感動を作れないのと同じだ。

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