経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

2つの問題

2013年01月03日 | Weblog
長く企業活動を診てきて、

総じて、あるいは共通する課題が

2つあることに気がついた。



1つは戦略に関わる問題である。



企業の戦略は、個々の消費者が自社・自店を選択する

意志決定と行動をなさしめるシクミを構築し、

それにもとづき実践する、といったことである。



ここで「シクミ」とは、

自社・自店を選択する意志決定と行動を起こさせるという

戦略に基づく、あれこれの戦術が有機的に結合された

システム概念であり、一つ一つの戦術のことではない。



ところが現実は、この点で大きく3つの問題が指摘されるのである。

(1)戦略がないか、上に挙げた戦略とはことなる戦略を採っている。

(2)戦略がないか、あってもそれを無視、あるいはそれに先行し、

戦術がどんどん出てきて論議されているといったこと。

(3)戦略にも基づく戦術がバラバラである。



ということである。

以上3つの問題があるために、

時間経過とともに方針がコロコロと変り、

そのためこれまでのやってきたこと(戦術)が無駄になる

といったことが起き、結局小田原評定の末路に至る、ということ。



2つに、強みに関わる問題である。

通常、経営者たちが「自社の強みは、第一に○△、第二に×◎」

といった言い方をしているが、

それらは同業他社に対しての相対的優位点に過ぎない。

これがなぜ問題かというと、

これらは必ずしも消費者に対する絶対優位点とは一致しないし、

逆に消費者の利益に反することすらあるからである。

以降、このことを考えてみたい。