経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

消費者の見返り

2011年02月27日 | Weblog
曰く、消費不振の時代とか。

そうしたこの今、いっそう「消費者は寂しがっている」
私は、その思いを強く感じるのです。


ものが売れな。このことは売り手から見たら、売上不振、消費の低迷
といったことになるのでしょうが、買い手である消費者から見たら、
買いたいものがない、買う気にならない、といったこと。
それは消費者にとって寂しいことです。

もちろんその結果、作り手、売り手側の懐も寂しくなるのですが。

寂しいとき、どうしたらいいのでしょう。

これを考えることが、曰く、消費不振の処方箋になる。
そこで、「寂しい」ということをキーワードに、
話を進めてみたいと思います。



消費者は、消費者の特権であり、本来は楽しいことのはず。
たとえば薬を趣味で買う人はいません。
風邪の熱を下げて、少しでも楽になりたい、
といったことで、投資をして、それを得る。
投資以上のリターンがあったら、嬉しい。

そうしたことは経営者と同じことではないでしょうか。

その意味で、適当な投資先が見当たらない。
投資に不安だ、ということで投資ができないことは、
寂しいことだと思うのです。

売れないということは、
消費者の購買する投資先として選択されていないということ。

なぜ選択されないかというと、消費者から見て、
投資に対するリターンが少ないため、と考えたら、
作り手、売り手として自分たちがどうしたら良いかの方向性は
見えてくると思うのです。


企業は、さまざまな意味で世間が狭い。世間とのズレがある。
業界、という「界」という垣根を作っているからです。
消費はその垣根の中ではなく、外で行われている。
だったら、いかに消費者として豊かな消費者が経験を積んでいるかどうか、
ということが経営の盛衰のキーになるのは当然なことです。

その当然のことに関心薄い経営をしているから、
またそれができていない、普通の消費者の生活体験画が乏しい人たちが
多い業界、企業は、苦しいに決まっています。

一日の大半を、工場とか本社といった檻の中で閉じ込められ、
過ごしている人には、ハンディがあるといえましょう。

時間に縛られている、規則などに縛られている人も然りです。
縛られているということは、閉じ込められていることと同じで、
日常生活を自由活発に謳歌できませんからね。