経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

自尊心のありどころ

2009年12月04日 | Weblog
昨日、ある会にでた。
偉い人の、挨拶は、どうしてかくもワンパターン化するのだろう。

経営者が真剣に考えなさねばならないことは、
世界経済や日本経済、地方格差や国民所得格差を論議したり、
その対策を講じたりすることではない。
それらは政治家の仕事である。

企業経営者の多くは、個々の消費者がどんなものを望んでいるのか、
欲しがっているのかといった本来のことより、
こうした政治・経済のこと、そして同業他社へ関心をよせ、
またひたすら自社内部の帳尻合わせに思考とエネルギーを集中する傾向にある。

そのため本来、経営者として関心持つべきことや
為さねばならないことへのエネルギーが枯渇する。
すなわち、その間、その分、消費者への関心が疎かになり、
そのため消費者との大きな乖離(かいり)が、さらに生じる、
というのが私の想いである。

そうしたことでこれまで失った、そして今後も失い続ける売上はけして少なくはない。
これは機会損失だから、見えないし定量化できない。
だから怖い。いつ致死量になるかわからない。


今日も開口一番、「地方経済、とりわけ我々中小企業は」と、
地方、中小企業を弱者、政治の被害者とおく在り方、
政権交代のその前とその後、お定まりのパターン化したご挨拶、
それも時にはおもむろに懐から巻紙を書いてお読み上げのご挨拶。

こうした人たちの多くは、様々な役柄、役職を自ら引き受け、
毎日をこうしたご挨拶で過ごしている。
そして市町村議員であったり嫌疑であったり。
彼らの風体、言動は小物の政治家もどきで、
とうてい経営者には見えないのである。
 
彼らは、常に「忙しい、忙しい」と忙しがり、
満面の笑みを浮かべながら、拍手の中を遅れて入場、
途中拍手に送られての退席を繰り返している。

役職を受ければ、役得もあるのかも知れないが、
そうした彼らを見ると自己顕示欲が強く、さらに自分の何かやかや、
あるいは自分の経営がうまくいかないことからの自己逃避
といったこともあるかな、と思ったりもするのである。

いずれにしろ拍手を観客にせがむ芸人同様、
例えお義理での拍手でもいい、他の人の媚びがなければ
自分の自尊心が保てないような人たち。
その人たちの経営がうまくいくとは、私には思えないのである。

なぜなら、他者から自店を選んでいただく、
そのことそのものに自分、自店の存在価値を認識、
自己充実感と自尊心、誇りを感じる、それが経営者だからである。