経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

仕入れのおまじない

2007年03月04日 | Weblog
 買うお客がいるから売れる。売るために仕入れるのであるから、買うお客の存在とその確率を想定し、仕入れ、品揃えするのが本来である。

 だが、受注生産時代ならともかく、不特定多数に販売となると、それが甘くなる。だからといって、それを問屋が薦めたからといって、価格の折り合いがつけば無造作に仕入れる、といったことを正当化することにはならない。そもそもこれでは売れることが一種の掛けになる。

 夫婦2人の家庭がりんご六個入りパックでは食べきれず高い買い物になる。だからそんな店では買わない。個食の店時代といいながら、たとえば惣菜など、どの店もレギュラーパックが主力である。売り出し特売ではジャンボパックがずらりだ。かろうじてコンビニ(CVS)がミニパックを使っているがそれでもまだ量が多い。量が多いことで買わないお客や、三種類買う予定のお客が2種類で済ますといったことで機会ロスを発生させている。これは売る方が一点単価のアップを狙うため起こる押し付けの典型的例だ。

 このように消費者の欲しいものが売り手の身勝手な都合で、逆に売れないように工夫される可笑しな例だって少なくない。

 商人の意思決定は、「これは誰が買うのか、そして「このことはお客とってプラスになるのか」。

 仕入れの時、この2つの問い掛けをし、それに「イエス」のものを仕入れる。これが、売れることの博打性から脱却できる、売れるおまじないである。