経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

待ち受け理論について

2006年05月23日 | Weblog
  こうした流れの速い時代は、追いかけるのではなく、待ち伏せする。(「待ち受け理論」)、ということを、4年前、「羊たちの探しもの」に書いた。その前段階として待ち伏せ理論があるが、詳細は読んでいただくとして、ここで簡単に触れると、たとえば「3年経ったら、こうなる」と具体的に想定し(仮説)をたて、そこに先回りし、時代が来るのを、待ち伏せしなければ、ということである。
 経営では、タノウエ式経営計画でこの考え方を。すでに活用している。
 営業・販売戦略では、実務的にこの手法を展開するフォーマットで展開している。

以下、ITに関連して、この待ち受けについて、触れてみたい。

ITの変化のスピードは速い。それも直線的ではない変化で、そこに法則性を見つけることは困難である。だからなおさらのこと。今までみたいに、先行く人を追いかけては追いつかないだけではなく、その先を行く人と共に、間違った方向へ行くことにもなりかねないのである。上に触れたように、今迄みたいに右型上がり一直線に、走るとは限らないからである。

 当利前のことだが、待ち伏せしたからそこへ時代がのこのこやってくるとは限らない。先回りし待ち伏せしたところへ、時代がきてくれる確度を、高めるまで繰り返す以外に術がない。そうしてこそ次のステップの「待ち受け」が可能になるのである。

具体的には「待ち伏せ」での遭遇確率を高めるには、仮説の練習をやることである。仮説を繰り返し、試みることだ。難しそうだが、これは子供の頃、やった自転車乗りの練習と同じことと思ってもらったらいい。但し、後ろの荷台に手をかけて、押してくれた父も、案じつつ見守るは母もいない。孤独の繰り返しといえる。リスクも当然多い。
 安全な道は、これまでが安全という証にはなるが、これから、という早い変化の道においては、逆に危険なのだから。 逃げずやるしかない。

 その結果、100%とはいわない。60%も当たるようになったらしめたもの。ここに至れば、「チャレンジ心と実践力、そしてねばり。この3つがキーワードになる」、なんて言うことも、言われることもない。こうしたセリフこそ時代錯誤になろう。

 待ち受け理論を、簡単なたとえで言えば、蟻、100匹集めるのに、追いかけることもない。待ち伏せすることもない。新聞紙を広げ、真ん中に砂糖を置いておけばいい。これが待ち受け理論である。