経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

この種の経営革新ゼミを辞した理由

2006年02月27日 | Weblog
夢は伸びやか。ここでは私は飛べます。思うこと何でもやれる。かなえられる。しかしその夢も「現実」に制約され、ときには現実と等身大に成ってしまう。
 計画もまた同じではなかろうか、過去にとらわれ、過去と現実の延長先に線を引いてしまう。さらに実施となると、計画に制約され拘束を受けている。
 この点、どう考えても、私には腑が落ちず考え込んでしまうことでした。組織や人の可能性、行動の伸びやかさや柔軟性を、発揮する以前から縛ってしまう。
 「あなたは、お父さんとお母さんの子だから、お父さん、お母さん以上の言うとおりやればいい」と「俺の言うとおりやれば問題ない」とどう違うのか。
 経営革新で、未来への可能性を叫びながら、その後、パソコンのはき出すソフトのフォーマットに、せっかく膨らんだ夢を、また元の現実に還元し、チマチマ記入している受講生を見ながら、私の気持ちは複雑でした。
 
 革新に夢を語るのは私、フォーマットにインプットさせるのは、別の講師。
これが、この経営革新ゼミの分担です。しかし受講生にとっては、一貫した流れでなければならない。
 それぞれの専門の講師が、分担で、というのは、あくまで思想的に一貫していてでのこと。
 経営革新には、理念と戦略の浸透と共有が不可欠、といいながら、この経営セミナーのあり方には、それがない。

 「理想が広がれば、現実は狭まる」。
 「現実を固守すれば理想が狭まる」。

 どちらかを選択して生きて行かざるを得ないとしたら、私は、理想の伸びやかさに引き込まれ、前者を選ぶことにした。
 
 以上が、この事前にすり合わせのないこの種の経営革新ゼミを辞した理由である。

 そういうことです。