経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

動く知事と金魚のふん

2006年02月02日 | Weblog
世の中は,目立つものと目立たないものとで成り立っている。ところが、その目立つもの、目立たないものは、人によって変わる。

 時と場合によっても変わる。車で国道を走っていて、トイレに行きたくて我慢にならないときとお腹が空いてたまらないときに目に入る看板は、違う。
 黒板はチョークよりはるかに大きいが、生徒が見ているのは先生の書くチョークの決して大きくない目立たない文字の方だ。
 もっとも今の子達はそのどちらでもないかもしれない。
そこで先生は言う。「黒板を見なさい」。
黒板を見ていたのでは、窓の外を見ているのと変わらないはずだが、それは置いておく。
 カメラを持って、鹿児島の城山観光ホテルでの工業倶楽部の集まりへ出かけた。京セラの元社長伊藤さん、それに知事の伊藤さんを迎えての新年大会である。
 伊藤知事は、参加する会は、始まる前に到着、懇親会の最後までいる。これだけでも稀有。多くの経営者の鏡にもなる人だ。しかも自分の言葉。巻紙を持たずに話をする。(少々長いが)

 懇親会は、この二人の伊藤さんを中心に動く。普通、県知事になると上座のテーブルで動かず、人が近寄るのを受ける、というスタイルだが、この知事は各テーブルを動いて回る。おかしいのはその後ろを、名刺交換しょうと、ぞろぞろついて回る金魚のふんがいることだ。

 知事が動いているのだから、こちらはじっとしていればいい。知事が動かないときはこちらが動けばいい。つまり、金魚のふんたちは、相手の動きに、対応することができない人たちだ。情勢をみて、対応できない。

 これまでのふんぞりかえって挨拶に来る人を動かず迎える知事たち、という思いこみが、彼らを金魚のふんにしている。

 昔は、私も各テーブルを回り、名刺交換していたが、この楽しみに気づいてから、全体が見えるテーブルに位置し、動かない。なぜならそうした会での人の動きを見るのが、最高の楽しみだからだ。

 そういいながら、帰ってデジカメをみてみると、だれでも気が引かれる目立つものだけを写している。以前、散歩の時目立つものを移さず、見落としそうなものだけを写してみようと試みたことがあるが、これが難しく、唖然としたことがある。
 動かない背景があるから動くものが、とらえられる。陰のおかげで日向が認識できる。お陰様だ。あんおに、私たちは動くものだけをとらえ、それで、考える。
 このことはもう少し、考えてみたい。