長尾たかしの・・・未来へのメッセージ

自民党衆議院議員長尾たかしのブログ。平成11年からネット上で情報発信を継続。サラリーマン生活を経て政界へ。

零戦里帰りプロジェクト

2017-08-14 18:51:44 | 歴史・伝統・文化
8月6日は広島原爆の日、9日は長崎原爆の日。

この日が私たち日本人に対して、更には世界に対して発するメッセージについては、改めて語る必要もないと思います。 重要なことはこの悲惨な史実を後世にまで語り継ぎ、二度とこのような惨事が繰り返されぬようにすることだと思います。

そして明日、8月15日。 毎年この時期になると、生没者の魂に思いを馳せます。

彼らの生き様と、最期、残した思いに、私たちが何を感じ、何を学ぶのか。 単に「平和を誓う」というだけで言い尽くせる程、単純なものではないと思います。 もっと血生臭く、人間が持ちうるすべての醜さに触れながら、もがき苦しみ、凡ゆる困難を乗り越えて、ようやく辿り着ける平和という安らぎを、これからも恒久的に維持していくことだと心新たにするのです。

今、あることを考えています。 考えているだけなのですが、幾つかの壁を乗り越えれば実現可能ではあると思っています。

私の選挙区でもある八尾市には、八尾空港があります。 1934年に設置された阪神飛行学校の滑走路が前身。 陸軍の飛行場などを経て、1956年から八尾飛行場として供用され、1961年に第二種空港となりました。 定期便の就航はなく、主として航空宣伝・写真測量・操縦訓練などの事業用や自家用のセスナ、ヘリコプターの離発着、陸上自衛隊、消防、警察の航空隊に利用されています。

実は八尾空港で整備された零戦が鹿屋基地へ移動し、特攻隊として飛び立ったのです。

零戦は約1万機が作られましたが、現在飛べる状態で保存、つまり「動態保存」されているのは世界でたったの4機。 その一機が日本にあるのです。 この零戦、今年の6月3日に幕張で開かれたエアレースにて、デモンストレーション飛行をしたのです。

この零戦を、八尾空港に里帰りさせたい。 慰霊飛行をさせたいという思いです。


動態保存の年間維持経費は3000万~5000万円、飛行時に1500万~2000万円程の経費がかかります。 動態保存する為には常に飛ばしていなければなりません。 この循環を作る為に関係者一同、手弁当で頭を悩ませています。

「だったら、やればええやんっ、人は集まるやろっ」というお声が飛んできそうですが、はい、集まります。 とんでもなく大量に集まります。 少なくとも10万人は集まるのです。 零戦の人気は凄まじく、全国、全世界から熱狂的ファンが来場するのです。 人気があることは良いことです。 しかし、これが壁になっています。

例えば、警備の問題です。 八尾空港では毎年花火大会が開かれますが約1万人の来場があり、警察や消防、自衛隊が総出で交通整理、警備にあたります。 周辺道路は大渋滞。 それでも1時間程度で出入りは落ち着くのですが、この10倍ともなると、イベントの大成功は確信できるものの、安全な誘導と道路状況を考えると尋常ならぬ体制の検討が必要となるのです。

飛ばさずとも維持費はかかります。 動態保存に理解ある企業の数も圧倒的に足りません。 悩ましい限りです。

零戦を操縦できるパイロットも日本には一人しかいません。 決してお若くないので、次の世代のパイロットを養成する必要もあります。 その場合、飛行できる状態と飛行できる周辺環境が必要となります。

私もコックピットに座らせてもらいました。 操縦桿を握りこの無機質な景色を見ながら敵艦に突っ込んだ英霊たち。 その時と同じ空間がそこにあり、自分を包み込む。 思わず手を合わせ、合掌せざるを得なくなるのです。


この「零戦里帰りプロジェクト」は、常に崖っぷちです。 しかし、平和を考える為、命を落とした英霊たちへの鎮魂の為、絶対的に継続していかなければならない事業だと思っています。 皆さんのご理解とご賛同、そしていつの日か具体的なお手伝いをお願いできる様、取り組んで参ります。

明日の8月15日、今年も靖国神社にて、心静かに、穏やかに迎える予定です。そして、平和を噛み締め、戦争の中にあった人々の苦しみや悲しみを語り継いでいくことを誓うのです。
コメント (1)
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