きょうの日本民話 gooブログ編

47都道府県の日本民話をイラスト付きで毎日配信。

1月27日の日本民話 カッパと殿さま

2009-01-27 06:49:47 | Weblog

福娘童話集 > きょうの日本民話 > 1月の日本民話


1月27日の日本民話


カッパと殿さま



カッパと殿さま
熊本県の民話熊本県情報


 むかしむかし、カッパは遠い中国大陸の奥から、日本にやってきたといわれています。
 日本へやってきたカッパの大将は、九千坊(くぜんぼう)というカッパで、九千匹の子分(こぶん)をひきつれて海をわたり、九州の球磨川(くまがわ→熊本県南部の川で、長さ115キロメートル。富士川・最上川と共に日本三急流の一つ)にたどりついたのです。
 ある時、殿さまがかわいがっていたお付きの者が、カッパに川の中へひきずりこまれて死んでしまいました。
 殿さまは、はげしく怒って、
「カッパを一匹残らずつかまえて、みな殺しにしてやれ! 焼き殺そうが、煮てカッパ汁にしようが、さおにつるして干物にしようがかまわん!」
 殿さまの言葉をきいたカッパたちは、ふるえあがりました。
 殿さまはカッパがほかの地へ逃げないように、お坊さんにカッパ封じのお経を読ませて、川に毒の草を流させ、さらにカッパがきらいだというサルを集めて、逃げまどうカッパをつかまえさせるという、カッパ退治を計画したのです。
 これを知ったカッパの親分は、近くのお寺へとんでいって、和尚(おしょう)さんにとりすがりました。
「これからは、ぜったいに人には悪さをしませんから許してほしいと、殿さまにいってください」
 カッパの親分は、和尚さんに何度も何度も頭を下げました。
 これには和尚さんも心をうたれて、この事を殿さまにつたえました。
 すると殿さまも、
「・・・そうか。それでは、今度だけはゆるそう」
と、カッパ退治は中止になったのです。
 その後も、この地ではカッパのイタズラが何度かありましたが、
 カッパの親分は、
「イタズラをしたのは、きっとよその地から来たカッパでしょう。この地に住むカッパは、あれから一度もイタズラはしていません」
と、いったという事です。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日 → 求婚の日
きょうの誕生花 → ヘリオトロープ
きょうの誕生日 → 1756年 モーツァルト (作曲家)


きょうの新作昔話 → 小判を運ぶネズミ
きょうの日本昔話 → たからばけもの
きょうの世界昔話 → お母さんがあんでくださったボウシ
きょうの日本民話 → カッパと殿さま
きょうのイソップ童話 → 矢にあたったワシ
きょうの江戸小話 → 千手観音


hukumusume.com サイト一覧


最新の画像もっと見る