きょうの日本民話 gooブログ編

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1月24日の日本民話 源治のタヌキ石

2010-01-23 07:51:37 | Weblog

福娘童話集 > きょうの日本民話 > 1月の日本民話


1月24日の日本民話


源治のタヌキ石



源治のタヌキ石
三重県の民話三重県情報


 むかしむかし、百姓(ひゃくしょう)の源治(げんじ)の庭に、大きな石がありました。
 この石は大変重たいので、二、三人で力を合わせないとビクともしませんが、時には一人でも軽々と運べるというから不思議です。

 ある日の事、源治がこの石の上に腰をかけて一休みしていると、その石が突然しゃべったのです。
「源(げん)さん、源さん、わしをこの庭にいつまでも置いておくれよ」
 それを聞いた源治は、気味が悪くなって
(こんな薄気味悪い石は、河原(かわら)にでも捨てるか。それとも、どこかの石と交換(こうかん)してもらおうか)
と、考えました。
 そこで源治は、隣村の石屋(いしや)の岩八(いわはち)の所へ行って、
「岩八さん、わしの家の庭に大きな石があるが、引き取ってはくれんかね?」
と、言いました。
 岩八はすぐに源治の家に行き、その石を見に来ました。
「おや、一人で来たのかい? この石はとても一人や二人で持てませんよ」
 源治が言うと、岩八は、
「どれどれ」
と、試しに押してみると、石は簡単に動きました。
「おや? 見かけによらず軽い石だな。これなら、わし一人でも大丈夫だ」
 そう言って持ち上げようとすると、今度はビクともしません。
「はて、おかしいな」
 そこで岩八は仲間を三人連れて来て、四人で石を運んで行く事にしました。
「よし、これで大丈夫だ。源治さん、今度はもっと美しい石を代わりに持って来るから、楽しみにな」
 そう言って岩八が石を持って帰ろうとすると、その石が、
「源治の庭へ、帰してくれ!」
と、大声で叫んだのです。
「ウヒャー! 石がしゃべった!」
 岩八は驚いて、石を元の所へ運び返したという事です。


おしまい


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1月23日の日本民話 酔っ払いタヌキ

2010-01-23 07:09:12 | Weblog

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1月23日の日本民話


酔っぱらいタヌキ



酔っ払いタヌキ
北海道の民話北海道情報


 むかしむかし、北海道の函館(はこだて)に、大きな料理屋がありました。
 このお店へ、一人の小太りの男が入ってきました。
 足元がフラフラしているところを見ると、もう、かなりお酒を飲んでいるのでしょう。
 男は履き物を脱ぐと、二階の座敷(ざしき)へ行こうと階段を上がって行きました。
 履き物を片付けていた店の老人が、男の後ろ姿を下から見上げていました。
「だいぶ酔っておるな。大丈夫かのう。ほれほれ、足元が。・・・うん? あれはなんじゃ?」
 老人は、びっくりです。
 階段を登って行く男の足は、まるでけだものの様に細い足で、ビッシリと灰色の毛が生えているのです。
 とても、人間の足には見えません。
「あっ、あれは、タ、タ、タヌキだー!」
 老人は、思わず叫びました。
 その声に驚いた男は階段から足を踏み外して、
 ゴロゴロゴロー!
と、下まで落ちてくると、タヌキの正体を現してしまいました。
 タヌキは慌てふためいて、そのまま外へ飛び出して行ったのです。
「そう言えばあのタヌキは、酒のにおいをプンプンさせておったな。よっぽど酒が好きなんだろう」
 酔っ払いタヌキの酒の匂いは腐った渋柿(しぶがき)の様な匂いで、三日も四日も消えなかったという事です。


おしまい


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