恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

2/29(土)池袋演芸場昼席(主任:春風亭百栄)

2020年02月29日 | 噺とか
4年に一度のうるう年、世間ではコロナウイルスの影響による自粛ムードで、
落語会も次々と中止になっているという悲しい状況。
そんな中でも心強く営業しているのが寄席の定席。
前々から池袋の2月下席には足を運ぼうと考えており、
ついぞ千穐楽の今日まで来ることができませんでした。
開場30分ちょっと前に行くもすでに30人近い行列。
最近、どうも池袋での行列に並ぶのが恒例になっているような。
開演時にはすでに満席近い盛況で、最終的には立ち見も出ていました。

「初天神」    ぐんま
「新聞記事」   文吾
「金明竹」    朝枝
「宗論」     文太
「奇術」     アサダ二世
「小言念仏」   小八
「あくび指南」  一之輔
-仲入り-
「働き方の改革」 粋歌
「紙入れ」    文菊
「曲ごま」    紋之助
「とんがり夢枕」 百栄

前座のぐんまさんは以前と同様「初天神」。
前座さんの噺にしてはかなり遊びまくりというか自由というか。
主任が百栄さんだからこそのことなのでしょうかね。

文吾さんは、二つ目になってからお見掛けするのは初めて。
かな文時代には何度もお見掛けしていますが、やはり貫禄がつきました。
そしてどことなく師匠の面影が見え隠れするようなところも面白いですね。
ちょっと追いかけてみたくなる二つ目さん。

今席から二つ目になった朝枝さん。何とも言えないベテラン感があるのが不思議。
「金明竹」をサラッとやるのですが、きちんと笑わせてくれる。

二つ目枠がさらに続きます。門朗改め文太さん。
北九州の出身で、その生まれ育った土地柄から強面の文蔵師匠を見ても、
怖いなどと思わず懐かしいと感じるぐらいで、それで弟子入りしたなんてエピソードを。
「宗論」をかけましたが、インチキな外国人風の訛りはないものの、
かなり独自の演出を入れているのか斬新な印象を受けました。
んー、文蔵師匠のお弟子さん、おそるべし。

アサダ先生、電車内でやたらと席を譲られるエピソードで出番のほとんどを消費。
それでもちゃんとトランプのマジックで締めていくのがさすが。

小八師匠は久しぶり。奥様の粋歌さんが仲入り後に出ており、夫婦出演。
喜多八師匠との思い出話なんかのあれこれはなかなか興味深く聞きました。
マクラの長い噺家にろくなのはいない、なんて言いながら「小言念仏」へ。

一之輔師匠も久しぶり。コロナの影響で世の中が窮屈になっている、とか、
お子さんが学校が休みになってずっと家にいることになった、などなど語り、
「あくび指南」へ。
一之輔師匠からこの噺を聞くのは初めてかもしれません。ちょっと意外な感じ。
とはいえ、その辺はさすがの実力者。
通り一辺倒な感じではなく、久しぶりにこの噺で大笑いさせてもらいました。
一之輔師匠が出番の会を狙ってきて正解だったと言えましょう。

仲入り後の粋歌さんは「働き方の改革」で、これは2回目。
仲入り前の一之輔師匠の余波があってか、そこまでの大ウケはないものの、
しっかりと笑いをとる新作がここで来るのも新鮮なものです。

文菊師匠も、一之輔→粋歌→文菊→百栄の流れはアウェー感たっぷりだと。
たしかにこの顔付けってなかなかユニークなもんですよね。
「紙入れ」を文菊師匠からきくのも久しぶりですが、やはりいい出来ですね。

紋之助師匠が曲ごまで場内の空気を温めて、トリの百栄師匠へ。
「とんがり夢枕」という初めて聞く噺でした。
自分自身の経歴を題材に、林家彦六師匠が夢枕に立ち、
若き日の百栄師匠を落語家になるようにあれこれと勧めていく。
百栄師匠による彦六師匠のモノマネのクオリティが高く、
これが意外なほど面白くてびっくりしました。
落語通の多い池袋でこそこの噺は真価を発揮するのかな、とも思いつつ、
落語家になるべきかどうか葛藤し、ついには遅咲きのデビューをするあたりは、
聞いていて少しほろっとさえくるエピソードにあふれていました。

自粛ムードの中、あえて手狭な池袋演芸場に足を運んでよかった、
と思える満足感を与えてくれました。
落語会が次々と中止になる中、何とか寄席は営業を続けてほしいと思います。
沈滞した世の中、こういう笑いを提供する場所は残してもらわないと。
もちろん笑いで免疫を高め、手洗いうがいでしっかりと予防策を講じたうえで。

恐懼謹言。
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