犬神スケキヨ~さざれ石

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THE集団的自衛権!

2015-02-09 22:36:02 | 草莽崛起
集団的自衛権考

知人より集団的自衛権をもう少し知りたい!
と言われまして。
これはまだ浸透していないな…と、痛感致しました。
目下、別のネタを調査中なんですがそれは置いて5月より安全保障法制の審議もありますから今さらながらももう少し掘り下げてみます。

前提条件

以前のログでも書いたのですが少しおさらいをしてみましょう。

集団的自衛権に賛成か反対か?と日本では議論になります。
しかし、これがそもそもおかしいですね。
こんなものは何の戦略もない単なる戦術論でしかありません。
テレビでもタレントコメンテーターが賛否を語り、結局のところ結論など得る事はありません。集団的自衛権とは国の平和と安全の話しですから、"賛否論"なるモノは意味がありません。そもそも論が抜け落ちているんです。

さてどうする

賛否論を言う前にそもそも論が必要です。
国連憲章や国際法云々は過去記事を見て頂きまして。スパッと言うなら日本の憲法は国連憲章にも国際法にも反しています。
その上でさらにどうなんだ?と言うところですね。

⑴どの国とも組まずに自国のみで安全保障を実現する。
⑵他国と同盟関係を結び、協力して安全保障を実現する。
この二点です。

⑴の様な場合は全て自前単独で行いますから、集団的自衛権云々は議論すら必要ないかもわかりませんね。
⑵の場合は同盟国と協力して安全保障を実現しますので、集団的自衛権が前提になります。
同盟国として当然の責任と義務があります。

日本の同盟国はアメリカです。アメリカを同盟国とする日本の安全保障は世界最高の水準にあります。しかも費用対効果は抜群で5兆円弱。
非常に安上がりです。支那などは日本の三倍の防衛費ですが中身はお粗末!
仮にこのレベルを単独で行うにはある試算によれば凡そ現在の5倍近くになります。
だいたい23兆~25兆円にはなります。

しかも在日米軍が日本から撤退したら空き地が出来てそこを宅地や公園にでも…なんて考えるアホもいますが、あり得ません。
米軍が撤退すればそこに自衛隊が入り自衛隊基地になるのです。
予算を見てもわかると思いますが、日本人は果たしてこの予算に耐える事が出来ますでしょうか?

また日米同盟を「アメリカ様に一方的にお守り頂いている」といわゆる片務的同盟関係と思っている人が大半で政治家や学者ですらそう考えるアホがいます。
実際はアメリカと対等です。世界でも数少ない双務的関係を結ぶ国です。
米軍は日本に基地を置くことで日付け変更線の辺りからアフリカ南端迄をカバー出来ています。
またアメリカは日本に基地を置くことで燃料弾薬食料の補給が切れ目なく出来ます。
それは信頼出来る日本に大量にそれらの物資を備蓄することができるからです。
また日本はアメリカにとって重要な戦略的拠点でもあります。
他の同盟国、例えば南鮮などは会社で言うなら支店か出張所みたいなもんです。
しかし、日本は本社並みの扱いになります。
こうした事からもアメリカにとって日本との同盟関係が切れることは重要なんです。

しかしこの同盟関係は事実上の集団的自衛権の行使です。
日本がアメリカの戦略的拠点地であるのだ!と自覚する日本人は殆どいません。

今現在そんな物はありません
何だか「集団的自衛権を備えればアメリカの戦争にまきこまれる」とか「戦争をする国になる」とか実しやかに囁かれてます。
これは日本の防衛力が解っていないアホそのものです。構造的問題です。

戦後戦勝国が敗戦国にしかも対等に対抗できる敗戦国に自律可能な戦力を持たせる訳がありません。
軍人アナリスト小川和久さんに言わせると日本とドイツは片脚を切断され、されたまま義足もなく片脚で立たされている。
と、言う状態です。片脚では立っていられませんから肩を借ります。この借りる肩が同盟関係のアメリカですね。
ですからアメリカとの同盟関係でアメリカが必要とする能力は世界一です。
例えば、対潜水艦戦闘能力や掃海能力は世界一です。
しかし、海自には空母、巡洋艦、原潜も無く空自も戦略爆撃機も無くて、戦闘機も邀撃能力に特化しており対地対艦攻撃力は限定的です。
つまり憲法9条通りの軍備しかありません。
そもそも日本防衛以外で米軍と共闘する能力はありません。

例えば朝鮮半島を本格的に攻撃するならば、上陸させる陸軍は50万人ほど、敵を蹴散らし首都占領!これで戦争の目的達成になります。
これを前提に考えますと、制空権を握るには少なくとも敵の三倍の航空戦力が必要なのは軍事の常識。三千機規模になります。
海軍もそれに応じた揚陸作戦ができる艦艇、物資輸送船団、援護する艦艇に航空戦力も必要です。空挺部隊まで入れるととんでもない量になります。

しかし自衛隊は陸海空合わせて22万5千人。
陸自13万7千人、海自主要艦艇140隻、空自作戦用航空戦力440機。
整備点検、稼働率からしても3500人ほど運ぶ能力しかありません。
これを見ても日本には本格的に海外派兵や外国を占領する軍事構造ではありません。
「集団的自衛権が戦争に…」など的はずれも甚だしいもんです。
どこへ戦争に行くのでしょうか?
せいぜいPKOか、外国艦艇に燃料補給か海賊退治ぐらいしか海外派兵できません。
アメリカの様に第一線で戦闘する編成も装備もありません。

歯止めの意味

戦争への歯止めがーっ!等も実は何もわからないアホの論理です。
実は集団的自衛権そのものが歯止めになります。
実際には集団的自衛権行使を同盟国から促されようとNOを突きつけ値切りまくることができるからです。
湾岸戦争の時にはイギリスはアメリカからの多国籍軍参加にNOを連発、アメリカからの要請を値切り倒しました。
他国もアメリカからの要請を値切り倒し国益を守る手に出ました。
集団的自衛権で結ばれた関係では一国が突出して軍事力を行使することに歯止めをかけることができるのです。
集団的自衛権は戦争をする為のものではありません。
戦争回避の為の権利です。
万が一攻めて来たら皆んなでど突くぞ!と言い、その為の軍備をして戦争が起きない様に抑止する為の権利です。
協調しながら安全を守るという発想ですから特定の国が勝手な事をすることは出来ません。

そもそも集団的自衛権を閣議決定した政権を選んだのは国民です。
しかも、安倍晋三という人は改憲派の保守であることは最初からわかっています。
自衛隊海外派兵に反対なら反対の政党政治家を国民が選ぶでしょう。
戦争は自衛であっても反対ならばそういう政党政治家を国民は選ぶでしょう。
声高に政権批判等する連中やマスコミは民主主義が解らないのでしょうか?
国民は自分達に必要な相応しい政治家を選ぶことが出来ないとでも思っているのでしょうか?

拙速

この安全保障法制が拙速だ!との意見もありますが、これも的はずれです。
事に安全保障は、良い出来上りでも遅くては意味がなく間に合いません。
荒削りでも先ずは早く整備し間に合わせて粗い部分や仕上げの良くない部分は後から直せば良いのです。
グズグズしていても攻める側は法制化がまだだから待ってあげましょう!等とは思いません。
むしろその隙を突いて来ます。
国を盗られてからでは遅きに失します。