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 欧州諸国のエリート層では、すでにトランプ再選は織り込み済み   「アメリカファースト」はナショナリズムとして排斥されてきたが

2023-08-12 09:06:40 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)8月12日(土曜日)弐
        通巻第7859号 
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 欧州諸国のエリート層では、すでにトランプ再選は織り込み済み
  「アメリカファースト」はナショナリズムとして排斥されてきたが
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 EUやNATO加盟欧州諸国のエリート層のあいだでは、すでにトランプ再選は織り込み済みであり、好き嫌いは別として、彼らは早くも2025年1月就任以後、トランプ政権の外交への対応にどうすべきかで頭を悩ましているという。SNSの「ポリティコ」は、そうした分析をしている。

トランプ前大統領が欧州政治家にとって不人気だったのはNATOの軍事分担増大を迫り、ロシアとの対応に刷新を迫る姿勢、また左翼メディアが主力の欧州ではグローバリズムが優先され、トランプのいう「アメリカファースト」はナショナリズムとして排斥されてきたからだ。

トランプは予備選前の段階で早くも「ホワイトハウスを奪回したらウクライナ支援を劇的に削減する」としており、バイデンの周囲を囲んだ「戦争屋」とは異なって、EUとNATO諸国にロシア、ウクライナ停戦協定を主張するだろう。

パリ気候変動協定から離脱するだけでなく、イランを攻撃するイスラエルのシナリオは「狂っているわけではない」と激励するだろう。イラン核合意は再度、振り出しに戻すだろう。この点でも欧州はトランプを忌避したい。なぜならメッテルニヒ以来の欧州政治は「会議は踊る」路線だったのだから。

 トランプは国内のガス、化石燃料開発拡大と投資を増やし、民主党の過激な環境政策の多くを取り消し、リベラルな運動、不法移民を非難し続けるだろう。また中国とEUにさらなる関税を課すだろう。

ウクライナ戦争を通じてNATO参加国には極端な温度差が露呈したが、つぎにEU諸国は中国の「一帯一路」への評価をめぐって対応が割れた。しかし、西欧では例外だったイタリアとて、正式に中国との覚え書きを無効とした。

EUのなかには共通通貨「ユーロ」に加わらない国(チェコ、ハンガリー、ポーランド、北欧)、加わりたいが加盟できない国(トルコ)、もともと加盟しなかった国(英国)、なぜ加盟できたか判らない国(コソボ)など多彩だから、ドル基軸体制の維持を図るトランプは、その亀裂を政治的に利用するだろうし、米欧は通貨戦争でも対立が続くだろう。

こうして欧州はトランプの再登場に冷笑的である。けれども『トランプ劇場 2・0』が避けられないシナリオであるからには事前の準備が必要だと認識している。


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