私がアマチュア無線(Ham=ハム)を開局したが昭和42年だ。電話級の従事者免許はそれより前の昭和40年に取得したのが、まだ19歳で製品の無線機を買えるようなお金がなく、0-V-1や1-V-1などプラグインボビン式の通信型受信機を作り、BCLやSWLをやりながらハムへの憧れを強めていた。
昭和42年、トリオ(現ケンウッド)が発売していたTX-88D、9R59Dのトランシーバーキットを購入し、憧れのハムの仲間入りを果たした。ただ、このあたりから占有周波数帯幅がAMの半分で済むSSBが徐々に普及し始めていた。
各社のSSB機の中では八重洲無線のFTDX400(200W)シリーズがフラグシップ的存在であり、その10W機のFT-400Sが発売されたときは欲しくてしょうがなかった。しかし、当時の給料は2万円弱で、定価89,000円のFT-400Sは指をくわえてカタログを眺めるだけに終わってしまった。
最近ネットオークションを眺めていたら、その憧れのFT-400Sの後期タイプのFT-401Sが即決価格16,000円で出品されていた。外観がよく受信送信も一応できるようなので、ちょっとこれで遊んでみようと落札し入手した。
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出品者は山形市近郊の方で、適当な梱包箱がなかったのでドライブがてら、ということで拙宅まで配達してくれた。(感謝!)
早速、電源を入れてみるとSメーターが振り切れた。あれっ故障しているのかなと思ったが7MhzのCWとSSBが受信できる。(後で調べたらSメーターは逆振れ仕様だった。)
周波数校正しようとマーカーのスイッチを入れてみたが、25Khz、100Khzとも信号が受信されない。しからばJJYを受信してみようとバンドスイッチをJJYに切換え、ダイヤルを回すが受信できない。マーカーも故障しているのか、まぁ、修繕する楽しみが増えていいか、と自分で納得し清掃にかかる。(これも後から分かったのだが、マーカー、JJYともオプションでこのリグには付加されてなかった。)
送信テストは後から行うこととし清掃にかかる。(写真参照)
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わが家に到着した八重洲無線のFT-401S
メーターカバーがひび割れているが、30数年経過している割には程度はよい。
ひび割れしたメーター
面白いのがSメーターとALCが右端が0で針は左に振れる。I.CとP.Oが通常どおり左端が0で針は右に振れる。
電源を入れるとメーターが振り切れるので故障しているのかと思った。
リグの背面
ANTジャック周りやACCソケットカバーに少し錆が見える。
全体を覆うグレーのカバーは、右側面に少し錆が出ているが、全体的にはきれいだ。
上蓋を取ったところ
だいぶ埃がたまっており、通電すると綿ゴミの温まったにおいがした。
終段回路を開けたところ
長い年月が感じられる。
真空管を全部外す
外した真空管
6BA6、6BE6、6BM8、12BY7A、6JS6Cなど、昔懐かしい真空管だ。
きれいに水拭きしてソケットに戻した。
きれいになった終段回路
フロントパネルのアルミ枠を外してクリームクレンザーで磨く。
枠の2.6mmのビスも錆びていたので取り替える。
アルコールと脱脂綿で清掃したシャーシー上部
清掃後のシャーシー上部(背面から)
シャーシー裏の様子
大変きれいで経年劣化があまり感じられない。
清掃してピカピカになったフロントパネル
錆びたPHONES、MICジャックのナットも取り替えた。
メーターカバーのひび割れと一部ツマミの丸いアルミ飾り板の剥げ落ちさえなければ30数年前のリグとは思われない状態になった。
後は、リグの性能の点検と修繕整備だ。
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