Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「ロシュフォールの恋人たち」ジャック・ドゥミ

2009-12-12 04:52:25 | cinema
ロシュフォールの恋人たち デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]

Happinet(SB)(D)

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ロシュフォールの恋人たちLES DEMOISELLES DE ROCHEFORT
1966フランス
監督・脚本:ジャック・ドゥミ
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:フランソワーズ・ドルレアック、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジーン・ケリー、ジョージ・チャキリス、ダニエル・ダリュー、ジャック・ペラン、ミシェル・ピコリ、グローヴァー・デイル


「シェルブールの雨傘」とはうってかわって、明るい日差しに満ちたラブストーリー。ジョージ・チャキリスやジーン・ケリーといった本場?ハリウッドのミュージカルスターを招いての典型的なミュージカル形式を持った作品。芝居あり歌アリ踊りアリ。しかし音楽は正真正銘のミシェル節。ジャズの香りをふんだんにはらんだ、しかしメロディやコードはとてもヨーロッパ。ちょっとやそっとじゃ歌いこなせないような難曲がつぎつぎと繰り出されるあたりは圧巻だし、フランソワーズ・ドルレアック演じるお姉さん作曲家の作るピアノコンチェルトなぞはまさにヨーロッパのよき伝統を経たロマン派のもの。この辺で個性を発揮するあたりがかっこいいですね。

美女姉妹ふたりの希望に満ちた生活と若い恋もとても魅力的なんだけれど、印象に残るのは姉妹の母親の忘れられない恋の物語。ミシェル・ピコリ(若い!けどおじさんw)演じるダム氏の出現で姉妹と母の恋は急展開。ダム氏がまた紳士で気持ちがいいねえ。
この恋の行方はどれも最後までは描かれないんだけど、皆まで言うな、的なセンスがまた渋いねえ。大団円的ハッピーエンドではなく、ハッピーになったはずの皆の行く末を思いながら、祭りが終わって熱気がゆっくり引いていく田舎町のほんのりとした寂しさのなかで映画が終わる。いいですね~これ。

とにかくまったく邪気のない幸福な映画である。こんな手放しの表現が可能であった映画という世界はやっぱり好きだし、そんなの嘘くせえよと言わないわけにはいかない今の時代でだって、どこかで否定しきれないものを感じてしまう自分がいるよ。淀川さんならべた褒めでサイナラだろうか?(水野さんなら「いや~映画って(略)」)

**********

姉妹を演じたフランソワーズ・ドルレアックとカトリーヌ・ドヌーヴは、実際に実の姉妹で、そのせいか演技もばっちりシンクロというわけではないが自然な息の合い方をしている。どっちかというとお姉さんのドルレアックのほうに花を持たせてあるようだけど、好み的にはやっぱりカトリーヌである。(なにを言ってる?)
フランソワーズはこのあと事故で他界してしまうのが悲しい。

二人のママがやっている広場のカフェは、ガラス張りで気持ちがよさそうであるが、暑そうでもある。フロアのまんなかが不自然に空いていていかにもここで誰か踊るよねって感じ。そのカフェに入れ替わり立ち代り人がやってきてコーヒーやビール頼んだりするんだけれど、みんな飲まないでおしゃべりして帰ってくんだよね~wもったいない。

カトリーヌとくっつく画家は兵役中の若者で、ここでも兵役を避けては通れないフランスの若者事情が『シェルブールの雨傘』に続いて登場する。『シェルブール~』では兵役さえなかったら・・というくらい重要なモチーフ。



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♪『ロシュフォールの恋人たち デジタルリマスター版』♪ (~青いそよ風が吹く街角~)
1966年:フランス映画、ジャック・ドゥミー監督&脚本&作訶、カトリーヌ・ドヌーヴ、フランソワーズ・ドルレアック、ジョージ・チャキリス、ジーン・ケリー、ジャック・ペラン出演。 ≪【駅ビルシネマ・姉妹都市映画祭】にて観賞≫