Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「アヒルと鴨のコインロッカー」中村義洋

2008-05-16 03:14:54 | cinema
アヒルと鴨のコインロッカー

アミューズソフトエンタテインメント

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2006日本
監督:中村義洋
原作:伊坂幸太郎
脚本:中村義洋、鈴木謙一
出演:濱田岳、瑛太、関めぐみ、松田龍平、大塚寧々



とらねこさんにディラン繋がりでお勧められての鑑賞です~
special thanks!

****

で、と、

繰り返しの妙である。
たいていのシーンは二度繰り返されるが、都度意味は違っている。
原作は未読だが、ここは映画的な工夫が際立つ仕掛けである。
それを欺瞞とみるか快楽とみるかでこの映画の評価が違ってくると思うが、
ワタシは後者でしたね。
快感でした。

作品の中に他者になり繰り返しを生きることで、
登場人物も観客も、ともに失われた生への追悼を生きなぞっているのだと思った。
哀悼の映画。



でもボブ・ディランは、なぜに?という気がしないでもない。
神を仮借する存在としてディランが(ディランのCDが)使われるのだが、
若い世代が神と崇めるのは今やディランではあり得ないだろう。
ましてや女の子が・・(偏見)

ということでは、あれが神の封じこめだという設定に実感を持てるのは
やはり限られた人たちという気がする。

そこが残念なところ。
(というかワタシ的には全然残念ではないんだけれど)

****

ネタバレを避けるとわけが分からなくなるが、まあしかたない。

広辞苑ネタとか
「裏口から悲劇は・・」とか
謎のピースが上手い具合にはまっていく快感はある。
それがうまさであり、そういう上手さが作品の水準として
映画でも小説でも評価されるポイントになっているのだろう。

けれど、ワタシ的には、そういううまさはどうしてもこじんまりとしたものに思えてならない。
雨後のタケノコのように次から次へと放出される「今の」小説群に感心をあまりもてないのは、出版界とかがそういうこじんまりとした上手さが評価される風潮にあるように感じているからだろう。

手腕はわかったし多少感動もした。

けれどワタシはもっと型破りな、あるいは期せずして漏れだしてしまう禁忌のようなものをもつ作品を待っているのであるぅ~~


*******


関めぐみさんはよかったと思う。
変に話題の女優さんでなくてよかったと思う。
松田クンはちょっと太ったな。
大塚さんはちょっとなぜ出てきたのか不明^^;


****

劇場公開時に同じ映画館でやっていたのが
リンチの「インランド・エンパイア」でしたので、
なんかセットで思い出しちゃうんだよね。
(もちろんリンチ勝ち)




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6 コメント

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密やかに (歌恋)
2008-05-17 17:19:37
伊坂氏のペンネームは
西村京太郎氏と同じ画数になるように出来ているらしいです。
伏線の張り方とかその回収の仕方を考えると
そのペンネームになるほど、と思ってしまいます。

本屋大賞受賞作の「ゴールデンスランバー」も
このパズルのピースのハマり具合の気持ち良さは健在ですが
そのパズルの世界のみで完結してしまっている気がするのが
とても残念だと思っております。
ぱずる (manimani)
2008-05-18 02:56:53
☆歌恋さま☆
画数ですか~なるほど
でも「太郎」は字からして同じですねえ
ちょっと残念

人がやってるパズルなら
完璧にやるのを見るのもいいですが、
破綻していくのを見るほうが
自分的には好みです(笑)
文中リンクありがとうございました (とらねこ)
2008-05-23 20:22:20
ああ、manimaniさん!本当に見てくださって、ありがとうございました。
ボブ・ディランがすごく印象的な使われ方をしていたので、ついついこれをススメさせていただいたのでした。

>、あれが神の封じこめだという設定に実感を持てるのはやはり限られた人たちという気がする
うん、それはあるかもしれませんね・・・
ただ、自分的には、とてもディランの曲をやさしいものに感じ、それをあの瞬間には見せたくない、「封印しておきたくなる、自分の中の善良な心」
と描いているように感じたので、それはほど違和感には感じなかったのですよ。
とすると (manimani)
2008-05-25 02:36:40
☆とらねこさま☆
コメ+TBありがとうございます~

>ただ、自分的には、とてもディランの曲をやさしいものに感じ、それをあの瞬間には見せたくない、「封印しておきたくなる、自分の中の善良な心」
と描いているように感じたので、それはほど違和感には感じなかったのですよ。

ということは、ディランの声は本当に神なのかもしれませんね実は。。。??
お邪魔します (真紅)
2009-05-30 20:45:23
manimaniさん、TBありがとうございました!
松田くん、あれで太ったんですか?! すっごいカッコよかったです。
原作を読んでみたい映画です。でも、一体いつ読めるかな~。
瑛太っていい役者さんなんですね。
こんにちは (manimani)
2009-05-30 21:24:54
☆真紅さま☆
いらっしゃいませ~コメントありがとうございます。
松田クン、最初は誰だか分からなかった(笑)勝手に細い印象を持っていたのかもしれません。お父さんも細かったですしね。

瑛太は骨太な役でしたね。TVで観るのとは違った存在感がありました。

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