Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「プロスペローの本」ピーター・グリーナウェイ

2015-11-30 00:27:41 | cinema
プロスペローの本 ≪無修正HDリマスター版≫ [DVD]
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ピーター・グリーナウェイ 爛熟期 Blu-ray BOX ≪無修正HDリマスター版≫
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プロスペローの本PROSPERO'S BOOKS
1991イギリス/フランス
監督:ピーター・グリーナウェイ
衣装:ワダ エミ
音楽:マイケル・ナイマン
撮影:サッシャ・ヴィエルニー
美術監督:ベン・ヴォン・オス
出演:サー・ジョン・ギールグッド/イザベル・パスコ/マイケル・クラーク/ミシェル・ブラン/エルランド・ヨセフソン/ウテ・レンバー


無修正HDリマスター版・高音質リニアPCM採用!てのを
ブルーレイで観ました。

劇場で観て以来なのですが、結構シーンを覚えていましたね。

冒頭からの音と映像が重層的にシンクロした息もつかせぬ編集に
再びしびれることになりました。

アイディアの核としては、シェイクスピアの芝居の登場人物であるプロスペローが
当の芝居を書いているという入れ子風な設定にありまして、
このことで、芝居自体が現前しているものなのか
プロスペローの夢想の中なのか
はたまた本のなかの世界の描写なのか
という重層的な構造があるわけですね。

そこから、たとえば人物のセリフは人物自身の声と
おそらくギールグッドさんの声とがダブっていたり、
シーンがバロック的な額縁のなかにあらわれたり、
はたまた複数の映像がオーバーラップしてうつりこんだり
映像内映像的にインサートされたり
画面外音声として水の滴る音や海の荒れる音などが常にひびいていたり
本の文字が書かれるところがアップになるだけでなく
ときおり画面の一角にセリフが現れたりすることになるのです。

アイディアから映像音声までが一貫してこの重層化に貫かれているのがすばらしいと思うのです。
重層というか、これはもう過剰ですね。
情報量が多すぎて目が回る。

過剰という点では、人物のコスチューム
もしくはコスチュームのない人々(笑)
の贅沢な装飾的な使われ方もすごいです。
ダンス的な動きをする人々もふんだんに投入されていて
異世界的な雰囲気を充満させているのもステキです。

こういう美術的な一貫性にむけた恐るべき情熱と意思がみなぎった作品で、
その旺盛さには感心するほかありません。
まさにグリーナウェイ円熟期の傑作。
ワタシ的にはグリーナウェイベスト1かもしれません。

**

マイケル・ナイマンの音楽は、他の作品にくらべると
控えめな印象ですが、
音楽がない部分の音の豊潤さとのバランスで、
音楽が入る部分が非常に効果的な感じになっていて素晴らしいです。
知る限りナイマンはこの作品以降はグリーナウェイとは組んでいないですね。

衣装をワダ・エミさんがやっておられますね。
ヴィエルニーの撮影とともにとくに赤と青がすごく印象的になってます。

ウテ・レンパーが出てるということだけど
どの人だかわかりません~


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1 コメント

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うてさんは (st/ST)
2015-12-05 02:56:47
最後の歌ってる中にいます。

この映画は某所の仕事でオープニング終わるまでとマイケル・クラークの踊る場面を毎年のように見てます(もう8年目)。
LD版ですけど…(笑)。

喧嘩別れはナイマン不在中に映画の音ミックスやっちゃったからってな話ですね。
でもって、映画の振付やったサポルタとテンペストを題材にしたダンスの舞台にナイマンも参加、映画からの流れなのに、その公演で時間取られてミックスに来れなかったじゃん!ってのがグリーナウェイの言い分らしいです。

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