J’sてんてんてまり

はじまりは黎明期。今は、記憶と記録。

さす

2007年08月22日 | 人にぞっこん

夕立の雲が、低く流れてくる。
稲光、雷鳴、大粒の雨。
やがて、涼やかな風。
夜ともなれば、浮かんだ月を載せる夜空に、秋の闇色。

暑い。
が、それでも秋に向かっている。






絶えず、最善の方策を考えてさすのが将棋だ、と木さんは言う。
一番いい方法、次の一手もまた一番いい方法、いい方法を重ねていけば、勝つ。
ひとたび間違えば、その先に負けがある。
間違えた、と知った時は、そこにこだわることなく、また一番いい手をさす。
最善策の積み重ね、巻き返すための活路、勝負が終わるまで、集中力と知力を尽くす。

すなおであること。

これが上達の最善の友だという。

高木将棋教室の高木秀彰さんに、将棋とはどんなものなのか伺った答えが、上記である。
木さんは将棋を教えているのではない。
将棋をさすことを通じて、精神を養っているように見える。

将棋とは「道」と見つけたり、な気分になった。

将棋教室と言う名ではあるが、話を聞いていれば、物事を通じて精神性を向上させる日本人ならではの感性を見た。
柔道、剣道、弓道、また、茶道、華道、香道。。。。

高木将棋道場、がすいっと浮かんできた。
教えているのでなく、道場とは、自分の分を知り、お互いを分かち合う場。
切磋琢磨する場。
誰が一番強いかは、実は二の次で、それぞれ個人が自分を磨く。

日本人は、個人を磨くことを昔からちゃんと知っていた。
そして、磨く途上にあるお互いを大事にすることも、知っていた。
個人主義であり、全体守護を生きてきた。


ある日、将棋教室に顔を出すようになった一人の少年。
その中学不登校だった生徒が、いまや高校に通っている。

強くなっていった彼に、相手を負かすだけでなく、教えることを諭した。
それが礼儀だ、と。

そのうちに、彼は負けることも知った。
勝つことだけに価値があるのではないことに気付く。

将棋を指せば、勝つこともあれば負けることもある。
全てが糧だ。
次にどう活かすのか。
それだけだ。


負けても平気な子どもがいた。
テレビゲームに興じることが多い子どもに、顕著に見られるという。
ただのゲームじゃん、と嘯く。

違う、と木さんが言う。
負けたら悔しいと思えるほどに、一生懸命になっていないからだ。
負けたら何故負けたか、勝てば勝ったでどうして勝ったか、
どこの一手に問題があったのか。
それは最善であったのか、他の手はなかったか。

上達する上で、さした勝負の手は再現できるほどに覚えているものらしい。

少し前まで、将棋は身近なところにあった。
父や祖父から教えられ、或いは、見て、子どもも習わぬ経を読む。

徐々に覚えて、次第に強くなる。
いつかは、父と、祖父と、対等になる。
そして、勝つ日がやってくる。

胆力もまた、必要なのだろう。

努力、忍耐、冷静、判断力、礼儀、
本当は、生きていく上で筋力と同じように必要な精神力。


高木さんの経営する教室では、既に、腕の上がった子どもたちが、全国のトップレベルに成長している。
静かで冷静で、思慮に富んでいて、素晴らしい生徒たちだ、と木さんは目を細める。
その様子はもうわたしの上を行っているんだ、と。

何かに真剣に取り組める環境があることは、心癒される。
自分なりの成長を許され認め合える環境が、ここにある。


文化庁の伝統文化子ども教室に、高木さんは参加することにした。
今年度、つまりは来年の3月まで、初心者の小学生が対象。
将棋とのふれあいが目的だ。

初心者の大人は、子供の後ろから覗いていてもよい、と許可をいただいた。

8月28日までは連日、9月から月2回のペース。
会場となるラペック静岡で、午前中10時から11時半まで。無料。
9月以降のスケジュールは、高木将棋教室にお問い合わせを。

〇ラペック静岡 北部静岡勤労者福祉センター
http://lapecshizuoka.com/pc/index.html

〇木将棋教室 054-252-1443
http://shogi.x0.com/takagi/

〇文化庁 伝統文化子ども教室
http://www.dentoubunka-kodomo.jp/index2.shtml

〇将棋に学ぶ人生訓
http://www.geocities.jp/gintatiyagura/jinnsei_top.htm


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
負けても (guonb)
2007-08-23 00:45:26
負けても悔しがらない希薄な精神の持ち主は損してると思う。

勝負ごとに限らず、なにごとも妥協しないところに愉しみの広がりと深まりはあると思うな…

それを知らないと人生は他人の造った遊具に遊ばされるだけであっという間に終わり。もったいない。

TJさんはやりすぎかもですが。
guonbさんは悔しさを知る男、だね。 (本人)
2007-08-23 23:09:03
やりすぎって、妥協しなさすぎってこと???

んなことないですよん。

なかなかこれぞと言うところまで行かないもの。
それに、妥協を始めると、本来ナマケモノなので、どんどん堕落するのが目に見えているし。

あ=あ、がんばんなきゃって言う辺りにいっつもいます。。。。
なまけもの (guonb@beijing)
2007-08-25 04:33:43
徹底的にやるひとに限って”自分は本来ナマケモノ”だと思ってるみたいですねぇ。

面白いことにその逆も真のようですが
ふむふむ。 (本人)
2007-08-25 23:05:49
北京にいるのね!!

あのね、世の中には、その通りの人もいるんだよ。
なまけものさっ!

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