一ヶ月前、この記事を見つけた。
人には根っからの性分があるんだな、と思う。
才能とか、向き不向きとか、そういうものをスコンと超えた、なにか。
こういう人を知るたびに、群れを作って生きてきたわたしたちは、
群れを作るために必要な遺伝子を、選択的にバランスよく残してきたのかなと思ってしまう。
誰しもが、なんらかの役割があるというのは、こういうことなのかな、と。
その選択的な社会的な役割の遺伝子にも、できのいい悪いはあるのだろうけど、
時代やそのときの社会構成や環境によっては、よしあしも変化するのだから、
できのいい悪いというよりは、多様性に近いかもしれない。
その人は、若い頃から発明をする性分だったようだ。
10歳で種まき機というから、性分と呼んでいいのだと思う。
その後も身近なところで、もっと何とかできないかなという工夫したい性分が、うずいたのだろう、様々な発明を続けてきた。
そして、絶対緩まないねじを作り出して年商1億超の会社になる。
なのに、絶対というねじにゆるみが生じたクレームを受け、その会社を譲渡し、自ら新会社を立ち上げて、
本当に絶対緩まないねじを作るライバル会社となる。
もう、このあたりで普通の思考ではない。
というのか、こういう思考や信念を、今の緩みきった、ねじの抜け落ちた、あの人たちにも持って欲しい。
彼らは、遺伝子的には、あのポジションの要る性分ではないのじゃないだろうか。コホン。。。
で、もちろん紹介されているハードロック工業の若林克彦さんは、やってのける。
世界中から、緩まないねじが注文される。
東日本大震災の揺れでも、東京スカイツリーのねじは緩まなかった。
ここにも、若林さんのねじが採用されている。
ハードロック工業のサイトが、面白い。
なぜねじは緩むのか。
そう問いかけて、説明している。
なぜねじは緩むのか。
ねじが緩むのは自然なことだと思える。
緩まないほうが、不自然だ。
どうして緩まないんだろう。。。
これを、図解で分かりやすく説明までしてある。
いわば、企業秘密だろうと思うのだが、堂々公開である。
それでいて、世界のどこも、まねできないのだというから、作り出すことの面白みを感じるではないか!
事実、現実は不思議だ。
いくら考えても、いくらすばらしい計算をしても、どれだけ綿密に計画をしようと、やって見なければ分からないのである。
行動が勝ち続けるのは、そういうことなのだ。
その上、このゆるまないねじの構造は、日本の伝統建築にも似た匂いがして、妙に好もしい。
と思ったら、PDFファイルになっている漫画の解説に、ちゃんと建築との類似性が描かれていた。。。。
そして、緩まないねじは、はずしたいときに緩められるのか、と思ったら、
再利用まで可能だというのだから、またもや、すごい。
で、どんなにお高いのかと心配になったら、ウェブショップがあり、売っているのである。
びっくりしちゃうといけないので、一番上下のクラスと思われるのを見てみるかな。
えっと。。。一袋10個入り、315円。
えっと。。?
ちゃんと部品の値段なのね。
無論、通常のねじよりは高価だが、だが、だが。
う~~ん、そうか、そうなのだな。
記事は、最後の若林社長のこんな言葉で終わっている。
「今でもアイデアがひらめいたらすぐ会社に行って試作品を作ります。
そのためにずっと無休です。
でも自分が考えた商品が世に出ていくのは本当にうれしいことですよ」
性分、なのかもしれない。
そして、こういう性分の人が、ずっと、日本という社会に縦軸に時代をつないでキテイルに違いないのだ。
20)ハードロック工業社長、若林克彦さん「人が喜ぶアイデアを」 東京スカイツリー採用の“絶対にゆるまないネジ”
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110508/bdy11050807010000-n1.htm