
山の近くにある、竹やぶに囲まれた一軒や。
おばあちゃんが一人で暮らしている。
散歩道で通りかかると、草木の手入れをしていたりする。
今日、ぼく。を見て、話しかけてくれた。
「動物が元気だと、気持ちいいねえ。」
「うん、そうね」
「犬でもネコでも、元気だといいねえ」
「しっぽがね、右だと賢い。」
「え?」
「この子は右だから、ほら、しっかり右に行ってるから」
「へえええ!」
「お母さんのDNAがよかったんだね。お父さんとお母さんがよかったんだねえ。」
「そうかぁ。賢いよ、ウン、この子賢い。よく知ってるねえ」
「テレビでやってたよ」
「へえ。よかったねえ、ぼく。賢いって。嬉しいねえ」
「今日はいい日だねえ」
そんな楽しい話が聞けて、今日はいい日だねといおうとしたら、
おばあちゃんに先を越された。
魔女?
曲がった背中でどうやって自転車に乗るんだろうと、こっそり思ったら
その様子も見せてくれた。