
子供たちは、今頃、またあの気田川の清流に飛び込んでいるだろうか。
静岡県の北遠と呼ばれる地方に、春野町がある。
昔話の天狗の里として、火防りの神「秋葉山」の町として、
また、宝塚の父、白井鐵造の生誕地として、スミレの里の名も持つ。
この町は、朝6時になると、町内に一斉に「スミレの花」が響き渡る。
みんな起きる時間だ。
山間の美しい町、ここに、町の交響曲が生まれた。
6500人に満たない小さな町の、交響曲。
作曲は、今をときめく大島みちる。
依頼を受けた彼女は、町の歌でもなく、町の大使でもなく、
町のキャラクターでもないことに驚いたのだろう。
実行委員の町民と話を重ね、
忙しい合間を縫って、春野町を訪れる。
肌で感じた自然、触れ合った子供たち、出会った光景、
すべてを吸い込んで作曲する。
録音のために選んだ演奏家にも、春野の様子を、まず話して聞かせる。
何度も、そのイメージを伝える。
こうして4楽章からなる春野交響曲が完成する。
発表の日、
リハーサルの続く会場から出た私は、木々を見ながら一休みしていた。
会場から、音楽かこぼれて聴こえてくる。
伸びをしたり、青さの違いに開放感に浸っていた。
何度目かのチェックが入っている。
やがて、メロディが流れ出した。
その音を聞いた途端、目の前の木々がざわめきだす。
風が奏で、木々がそれにあわせ歌い、体を揺する。
ああ。
本番のトーク。
「大島さん、私、この曲を聞いた木々が、嬉しそうに歌うのを見ました。
町民の皆さんは勿論、
ああ、この曲は、春野の自然にも聞かせなきゃって感じました」
目を輝かせた彼女は。
「そう、そうなんですよ。外でやると、鳥がどこからか集まって
きて、囀ったりするんです。野外でもやりたいですねえ。」
そして、一年が経つ。浜名湖花博の会場。
日替わりでステージが組まれる。
オープンステージで、町の交響曲が披露される。
そして、彼女の提案で町民応募の詩がのった、第4楽章が歌われた。
小さな小さな町の、雄大な交響曲。
その誕生と、夢の実現に立ち会えた。
夏。
川遊びやキャンプ、釣り、山登り、、、
観光客は、このゆっくりとした町に交響曲があるなど、
予想だにしないだろう。
でも、春野の自然に溶け込み、ここの時間の進み方に鼓動があった時、
山の、川の、風の歌う唄が、ひょっとすると聴こえるかもしれない。
生命の流転の歓喜の唄。
春野町
静岡県の北遠と呼ばれる地方に、春野町がある。
昔話の天狗の里として、火防りの神「秋葉山」の町として、
また、宝塚の父、白井鐵造の生誕地として、スミレの里の名も持つ。
この町は、朝6時になると、町内に一斉に「スミレの花」が響き渡る。
みんな起きる時間だ。
山間の美しい町、ここに、町の交響曲が生まれた。
6500人に満たない小さな町の、交響曲。
作曲は、今をときめく大島みちる。
依頼を受けた彼女は、町の歌でもなく、町の大使でもなく、
町のキャラクターでもないことに驚いたのだろう。
実行委員の町民と話を重ね、
忙しい合間を縫って、春野町を訪れる。
肌で感じた自然、触れ合った子供たち、出会った光景、
すべてを吸い込んで作曲する。
録音のために選んだ演奏家にも、春野の様子を、まず話して聞かせる。
何度も、そのイメージを伝える。
こうして4楽章からなる春野交響曲が完成する。
発表の日、
リハーサルの続く会場から出た私は、木々を見ながら一休みしていた。
会場から、音楽かこぼれて聴こえてくる。
伸びをしたり、青さの違いに開放感に浸っていた。
何度目かのチェックが入っている。
やがて、メロディが流れ出した。
その音を聞いた途端、目の前の木々がざわめきだす。
風が奏で、木々がそれにあわせ歌い、体を揺する。
ああ。
本番のトーク。
「大島さん、私、この曲を聞いた木々が、嬉しそうに歌うのを見ました。
町民の皆さんは勿論、
ああ、この曲は、春野の自然にも聞かせなきゃって感じました」
目を輝かせた彼女は。
「そう、そうなんですよ。外でやると、鳥がどこからか集まって
きて、囀ったりするんです。野外でもやりたいですねえ。」
そして、一年が経つ。浜名湖花博の会場。
日替わりでステージが組まれる。
オープンステージで、町の交響曲が披露される。
そして、彼女の提案で町民応募の詩がのった、第4楽章が歌われた。
小さな小さな町の、雄大な交響曲。
その誕生と、夢の実現に立ち会えた。
夏。
川遊びやキャンプ、釣り、山登り、、、
観光客は、このゆっくりとした町に交響曲があるなど、
予想だにしないだろう。
でも、春野の自然に溶け込み、ここの時間の進み方に鼓動があった時、
山の、川の、風の歌う唄が、ひょっとすると聴こえるかもしれない。
生命の流転の歓喜の唄。
春野町
どんな曲だろう~♪
くっきりした青い空に素敵な曲が流れて、鳥が集まってくるなんてとても素敵です。
写真をみるだけで、そちらは暑いだろうな~って思います。。。
台風は大丈夫だといいですねぇ。
音風景日記、あつしさん、そうでしょ?毎年宝ジェンヌも訪れています。「春野すみれ」って知らない?
ここの名前。また、春野で育ったスミレが、宝塚を毎年飾ります。白井鐵造記念館もありますよ。
歌詞がついて、いっそう親しみやすくなったのでは、と思っています。町に交響曲があるなんて、自慢ですよね。なんか、聞きたくなってきちゃった。
峡谷の静寂も深い森の息吹きも清らかな川のせせらぎも
みんな音楽なんでしょうね。春野町の交響曲も鳥などの
生き物にとっては自然と同じように癒されるのでしょうね。
住んでいる人は自分たちの故郷に改めて感謝する、
離れている人は自分たちの故郷に思いをはせる、
どちらも素敵なことですね。
やっぱり「人間の原点」はふるさとにあると思います。
溢れんばかりの思い、存分に頂きました。
こちらこそ、お褒め頂きありがとうございます。時々「きれいなブログ」と評してくださる方があります。嬉しいな。内容が伴うように、精進しますね。
ただし、言葉使いは接近が多くなるにつけ、徐々に、崩れますから、ご容赦を。