裁判所構内で,弁護士が襲われるという衝撃的な事件が今週ありました。
報道(読売,神戸,スポーツ報知)によりますと,1月8日午前10時20分頃,神戸地裁2階の廊下で,辻忠雄弁護士(77)(兵庫県弁護士会所属,元裁判官)が千枚通しのようなものを持った男に後ろから襲いかかられました。男は転倒した辻弁護士を刺そうとしましたが,助けを求める声を聞いて駆けつけた地裁職員が男を取り押さえ,辻弁護士は手などに軽傷を負いました。男は,覚せい剤取締法違反罪に問われた被告人の判決公判を傍聴し,弁護人であった辻弁護士が廊下に出たところを襲ったようです。生田署警察官が,男を傷害容疑で現行犯逮捕しましたが,男は,警察の調べに対し「裁判の傍聴をするのが趣味だった。弁護士という職業に反感を持っていた。刑務所に入りたかった」などと供述しているといいます。
私は,このニュースを聞いて,衝撃を受けましたが,理解しにくい上記動機等の解明がさらに必要であること,刑事事件における弁護活動に正当な評価をしない人がいること,体を張って男を取り押さえた地裁職員は賞賛されるべきことなどの感想を持ちました。
そして,この種事件は,数からいうとまだそう多くはないのですが,裁判所において大事になってからでは取り返しがつかないので,そろそろ裁判所の警備問題として本格的な議論が始まるべきではないかと思っています。裁判員裁判が始まろうとしている今,裁判員の安全を守るためにも必要な議論でしょう。裁判所の理念との関係で,難しい問題もあるのですが,この点については,当裁判官ネットワークのHP(http://www.j-j-n.com/)におけるオピニオン,「Judgeの目その17 「開かれた裁判所の理念と裁判所の警備問題」~2つは矛盾するのでしょうか。」で論じていますので,是非ご覧下さい。(瑞祥)
報道(読売,神戸,スポーツ報知)によりますと,1月8日午前10時20分頃,神戸地裁2階の廊下で,辻忠雄弁護士(77)(兵庫県弁護士会所属,元裁判官)が千枚通しのようなものを持った男に後ろから襲いかかられました。男は転倒した辻弁護士を刺そうとしましたが,助けを求める声を聞いて駆けつけた地裁職員が男を取り押さえ,辻弁護士は手などに軽傷を負いました。男は,覚せい剤取締法違反罪に問われた被告人の判決公判を傍聴し,弁護人であった辻弁護士が廊下に出たところを襲ったようです。生田署警察官が,男を傷害容疑で現行犯逮捕しましたが,男は,警察の調べに対し「裁判の傍聴をするのが趣味だった。弁護士という職業に反感を持っていた。刑務所に入りたかった」などと供述しているといいます。
私は,このニュースを聞いて,衝撃を受けましたが,理解しにくい上記動機等の解明がさらに必要であること,刑事事件における弁護活動に正当な評価をしない人がいること,体を張って男を取り押さえた地裁職員は賞賛されるべきことなどの感想を持ちました。
そして,この種事件は,数からいうとまだそう多くはないのですが,裁判所において大事になってからでは取り返しがつかないので,そろそろ裁判所の警備問題として本格的な議論が始まるべきではないかと思っています。裁判員裁判が始まろうとしている今,裁判員の安全を守るためにも必要な議論でしょう。裁判所の理念との関係で,難しい問題もあるのですが,この点については,当裁判官ネットワークのHP(http://www.j-j-n.com/)におけるオピニオン,「Judgeの目その17 「開かれた裁判所の理念と裁判所の警備問題」~2つは矛盾するのでしょうか。」で論じていますので,是非ご覧下さい。(瑞祥)