中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

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ものづくりへのオマージュその1

2008年07月02日 | Weblog
職人の見識

 痛くない注射針の岡野工業(株)といえば、今や知らない人は居ない。代表社員である岡野雅行氏は、最近はマスコミにも登場するようになられ、テレビでも拝見した。以前は日経ビジネスの巻末コラム「終わらない話」にも何度が執筆されており、頷かされることが多かった。

小泉首相が岡野工業(株)を訪れた時の話は嬉しかった。政治家には毀誉褒貶が付きもので、どんなに人気のある時の宰相でも悪くいう人は居る。しかし、人は他人の評価で持って評価もされる。岡野氏は小泉首相に非常に好感を持たれたように書かれていたが、そのことからも氏の人柄が偲ばれる。

また、2005年10月10日号の日経ビジネスにはこんな氏のご意見があった。『「愚直さ忘れ、易きに流れる」経済の難しい話はよく分らないが、確かに感じるのは日本の成長を支えてきた大企業の足腰が弱っていることだ。長年いろいろな大企業の話を聞かせてもらっている中での実感だから、決して単なる当てずっぽうの見立てではない。最近の大企業は、長い時間をかけて愚直に技術を磨く、人を育てるといった努力をしなくなった。コストが安いとなると、猫も杓子も中国に行き、給料が高いからといって、技術も経験もある中高年を簡単にリストラする。もちろん、激しい競争を必死に勝ち抜こうとしているのは私にも分るが、易きに流れすぎではないか。中国への工場移転や中高年のリストラは、その反動を真剣に考えたうえでの決断だったかどうか、大いに疑問だ。

真剣に考えてなかったからこそ、今になって、団塊世代の知識や経験を社内に残さなければならないと慌てふためいているのではないか。手っ取り早いコスト削減ばかりに目を向け、必要な技術やノウハウへの投資を忘れた証しだ。』さらに氏は同じ誌面で中途半端な成果主義についても苦言を呈しておられた。多くの読者と同様に、いずれにも筆者は頷くことしきりであった。

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